SKY配列(すかいはいれつ)とは、コンピュータへの日本語入力を行うための、ローマ字入力用キー配列のひとつ。
白鳥嘉勇、小橋史彦らによって1987年に発表された(白鳥 & 小橋 1987)。
左手のホームポジション周辺には S K Y のキーが並んでいる。開発者によると、SKYとは「Simplified Keyboard for You」の略である。
特徴
- 30個のキーのみを使って、かな文字列と句読点を入力できる。
- シフトや同時打鍵を使わないので実装が簡単である。(インプットメソッドのローマ字カスタマイズを使って、SKY配列を実装することができる場合がある。)
- 省打鍵キーがある。またそのため、左右の手を交互に使う割合が高い。
- ひとつの指の連続使用や上下動が少なく、しかも左右の手を交互に使って入力できる割合が高いため、時間あたりにより多くのキーを打鍵できる。
配列表
初出時の論文(白鳥 & 小橋 1987)で掲載されたSKYの基本的な配列を以下に示す。
1)
、 |
W |
R |
M |
H |
UU |
AI |
OU |
。 |
EI
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N |
T |
S |
K |
Y |
U |
A |
O |
I |
E
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P |
D |
Z |
G |
B |
UN |
AN |
ON |
IN |
EN
|
表を見れば分かる通り、左手が子音を、右手が母音等を担当する。これにより、ほぼ左右交互打鍵が可能となる。
なお、「ワープロ徹底操縦法」(木村 1991)では以下のような配列として紹介されている。捨て字用の「X」(すなわち[X][A]のストロークで「ぁ」となる)、ヴァ行用の「V」、ファ行用の「F」、長音符、中点(・)が加わっている。
2)
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
0 |
- |
X |
V
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、 |
W |
R |
M |
H |
UU |
AI |
OU |
。 |
EI |
F |
}
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N |
T |
S |
K |
Y |
U |
A |
O |
I |
E |
ー |
{
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P |
D |
Z |
G |
B |
UN |
AN |
ON |
IN |
EN |
・
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初出時の論文(白鳥 & 小橋 1987)で1の配列が「基本配列」と記されていることを考えると2の配列が本来のものであるという可能性もあるが、論文中では2の配列は掲載されておらず、出所も不明である。
SKY配列での入力例
例えば、「あいのあるうつくしいぶんしょう」は [AI] [N] [O] [A] [R] [U] [U] [T] [U] [K] [U] [S] [I] [I] [B] [UN] [S] [Y] [OU] と入力する。
通常のローマ字入力では22~23打鍵であるのに対し、SKYでは19打鍵と、幾分少なくなる。
SKYの拡張配列
SKYは原形のままでも、日本語文のほとんどを快適に入力できる。しかし、「ヴ」や長音符、捨て仮名(小書き文字)を入力出来ず、未完成であるといえる。
そこで、その欠点を補うべくさまざまな拡張配列が生み出された。
参考文献