電気通信において、protocol data unit(PDU、プロトコルデータユニット)とは、コンピュータネットワークのピアエンティティ(両端)の間で送受信される最小の情報の単位である。
PDUは、通信プロトコルで定義された制御情報(ヘッダ)部分と、通信データの中身であるペイロードからなる。
通信プロトコルスタックの階層化アーキテクチャでは、各層は、特定のタイプやモードのデータ交換に合わせて調整されたプロトコルを実装し、それによって、プロトコルで規定されるPDUが異なる。例えば、TCPはコネクション型転送モードを実施し、このプロトコルにおけるPDUはセグメントと呼ばれる。一方、UDPはコネクションレス型転送モードを実施し、PDUとしてデータグラムを使用する。インターネット・プロトコル・スイートの下位層であるインターネット層では、PDUはペイロードタイプに関係なくパケットと呼ばれる。
例
OSI参照モデル
OSI参照モデルの各層のPDUは次のようになる[1]。
特定のOSI階層に関する文脈においては、PDUはその階層での表現の同義語として使用されることがある。
インターネット・プロトコル・スイート
インターネット・プロトコル・スイートの各層のPDUは次のようになる。
イーサネット上のTCP/IPでは、物理層のデータはイーサネットフレームによって転送される。
ATM
ATMのデータリンク層のPDUはセルと呼ばれる。
media access control protocol data unit (MPDU) は、OSI参照モデルに基づいて通信システム内の媒体アクセス制御(MAC)エンティティ間で交換されるメッセージである。
MPDUがMAC service data unit(英語版)(MSDU)よりも大きくなることのあるシステムでは、MPDUはパケット・アグリゲーション(英語版)によって複数のMSDUに分割される場合がある。MPDUがMSDUよりも小さいシステムでは、パケット・セグメンテーション(英語版)によって、1つのMSDUが複数のMPDUを生成することがある。
transport protocol data unit
transport protocol data unit (TPDU) は、ペイロードメッセージの先頭に数バイトのルーティングヘッダを追加したメッセージカプセル化フォーマットである。
TPDUには、オーバーヘッドTPDUとバイトあたりのオーバーヘッドの2つの処理オーバーヘッド(英語版)がある。
関連項目
脚注
外部リンク