NJ/NY ゴッサムFC (英語 : NJ/NY Gotham FC) は、アメリカ合衆国・ニュージャージー州ハリソン市を本拠地とするプロフェッショナルの女子サッカークラブである。ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ所属。サマセット郡を活動本拠地とし、長期的計画にのっとった育成のための機会を与え、サッカー選手を幼年時から育成する総合プログラムを運営している、ラージャー・スカイ・ブルー・サッカー・オーガニゼーション (the larger Sky Blue Soccer organization) の一部門でもある。2021年にスカイ・ブルーFC (Sky Blue FC) から名称が変更された[1]。
歴史
キックオフへの助走
スカイ・ブルーFCは2008年5月5日、初代ヘッドコーチのイアン・ソーヤーズ(英語版)によって命名された。しかし、ニューヨーク/ニュージャージーにおけるリーグ参入予定クラブとしてのお披露目は、同年9月9日に初めて行われる事となった。その1週間後、ヘザー・オライリー(英語版)、ナターシャ・カイ(英語版)、クリスティ・ランポーン(英語版)のアメリカ代表の3選手の割り当てが発表された[2]。
9月24日、WPSの国際ドラフトが開催され、スカイ・ブルーFCはオーストラリア代表のサラ・ウォルシュ(英語版)を1巡目に、ブラジル代表のロザーナ(英語版)とエスター(英語版)を2、3巡目に、カナダ代表のケリー・パーカー(英語版)を4巡目に指名した[3]。またドラフトでの指名に加え、オーストラリア代表のコレット・マッカラム(英語版)とイングランド代表のアニータ・アサンテ(英語版)を、9月26日および10月2日に指名し、交渉権を獲得した。
10月6日には一般ドラフトが開催され、スカイ・ブルーFCはコリー・アレグザンダー、キーリー・ダウリング(英語版)、ケイシー・ホワイト(英語版)、ジェニー・ハモンドの4選手を指名した[4]。ソーヤーズは12月3日、アシスタントコーチにケリー・リンゼーが就任する事を発表し、それが2008年における締めくくりの仕事となった。
2009年という新しい年に、新たな選手がスカイ・ブルーFCに加わった。1月16日に新卒選手・一般ドラフト対象外選手向けドラフトが開催され、ヤエル・アバーブック(英語版)、ミーガン・シューナー、カレン・バーズリー(英語版)、クリスティ・シェイナー、ジュリアン・シッチ、ジェン・バチュコウスキ(英語版)、張欧影(英語版)、メアリー・テレーズ・マクドネル(英語版)、メール・フレンチ、ファンタ・クーパーの10選手を指名した。2月に行われたトライアウト合格者も加え、プレシーズンマッチ向けの登録選手一覧を発表した[5]。
2009シーズン
2009年4月5日、スカイ・ブルーFCは開幕節をニュージャージー州ブリッジウォーター所在のホームスタジアム、TDバンク・ボールパークで迎えた。対戦相手はロサンゼルス・ソル、試合は0-2で敗北した[6]。5月31日に行われた第8節 (対戦相手: ボストン・ブレイカーズ) 以降、ホームゲームはラトガース大学キャンパス内に所在するヤーカック・フィールドで開催されるようになった。
開幕からの6試合は調子が振るわず、スカイ・ブルーFCは1勝2敗2分という成績で、しかも通算で3得点という状態であった。クラブは5月28日、ソーヤーズをヘッドコーチ兼ジェネラル・マネージャーの職から解任した[7]。ソーヤーズの後任は、ケリー・リンゼー(英語版)がヘッドコーチ代行 (6月19日より正式にヘッドコーチに就任[8]) をつとめる事によって補われた。リンゼーはヘッドコーチ (代行含む) 在任中、5勝3分という成績を挙げ、チームは調子を取り戻しつつあった。
リンゼーが指揮を執った期間は短期間に終わった。2009年7月30日に彼女は突如コーチを辞任。2人目のヘッドコーチ代行 (にして3人目のヘッドコーチ) に指名されたのは同クラブの主将であるクリスティ・ランポーン(英語版)だった[9]。ランポーンはヘッドコーチ代行就任後も引き続き選手として試合に出場、WPS初のプレーイング・マネージャーともなった。最終的にスカイ・ブルーFCはレギュラーシーズンを4位の成績で終え、プレーオフ出場権を獲得した。
プレーオフ初戦は2009年8月15日、メリーランド州ジャーマンタウン所在のメリーランド・サッカープレックスにて行われ、スカイ・ブルーFCはワシントン・フリーダムと対戦した。試合は55分にナターシャ・カイ(英語版)、85分にフランシエル(英語版)が得点を挙げて2-1で勝利した[10]。8月19日にミズーリ州フェントンのアンハウザー=ブッシュ・センターで行われた準決勝 (対戦相手: セントルイス・アスレティカ) では、キーリー・ダウリング(英語版)の得点が決勝点となり1-0で勝利し、チームは決勝戦に駒を進めた[11]。
8月22日、カリフォルニア州カーソンのホーム・デポ・センターにて行われた決勝戦 (WPS final) にて、スカイ・ブルーFCはレギュラーシーズン1位のロサンゼルス・ソルと対戦した。前半16分、キーリー・ダウリングが右サイドからクロスを上げ、ナターシャ・カイ(英語版)がゴール正面に落としたボールをヘザー・オライリー(英語版)がシュート、これが先制点となった[12]。オライリーのこの得点はそのまま決勝点となり、スカイ・ブルーFCは初代WPSチャンピオンとなった[13]。
シーズンオフ
2009年8月30日に2009年度WPS表彰式が開催され、クリスティ・ランポーンが年間最優秀スポーツウーマン賞を受賞した[14]。
2010年度より新規参入のアトランタ・ビート(英語版)とフィラデルフィア・インディペンデンス(英語版)の2クラブに、拡張ドラフトで初年度より参加している7クラブの選手を指名獲得する権利が与えられた。9月15日に行われた拡張ドラフトにおいて、ジェン・バチュコウスキ(英語版)がフィラデルフィアに、ノエル・ケゼリカがアトランタに指名され、両者は移籍のためスカイ・ブルーFCを退団した。
9月29日、元フィンランド代表であったパウリーナ・ミエッティネン(英語版)が、監督をつとめるPK-35ヴァンター(英語版)での契約終了後の2010シーズンよりヘッドコーチに就任する事が発表された[15]。
スタジアム
シーズン別成績
シーズン
|
レギュラーシーズン
|
プレイオフ
|
NWSL チャレンジカップ
|
平均観客動員数
|
ヘッドコーチ
|
リーグ
|
試合数
|
勝
|
分
|
敗
|
得点
|
失点
|
勝点
|
順位
|
2009
|
WPS |
20 |
7 |
5 |
8 |
19 |
20 |
26 |
4位 |
優勝 |
— |
3,651
|
イアン・ソーヤーズ(英語版)→ ケリー・リンゼー(英語版)→ クリスティ・ランポーン(英語版)
|
2010
|
24 |
7 |
7 |
10 |
20 |
31 |
28 |
5位 |
— |
3,320
|
パウリーナ・ミエッティネン(英語版)
|
2011
|
18 |
5 |
4 |
9 |
24 |
29 |
19 |
5位 |
— |
2,033
|
パウリーナ・ミエッティネン→ リック・ステイントン
|
2013
|
NWSL |
22 |
10 |
6 |
6 |
31 |
26 |
36 |
4位 |
準決勝 |
1,664
|
ジム・ガバラ(英語版)
|
2014
|
24 |
9 |
7 |
8 |
30 |
37 |
34 |
6位 |
— |
1,640
|
2015
|
20 |
5 |
7 |
8 |
22 |
28 |
22 |
8位 |
— |
2,189
|
2016
|
20 |
7 |
5 |
8 |
24 |
30 |
26 |
7位 |
— |
2,162
|
クリスティ・ホリー(英語版)
|
2017
|
24 |
10 |
3 |
11 |
42 |
51 |
33 |
6位 |
— |
2,613
|
クリスティ・ホリー→ デイブ・ホジソン(暫定)
|
2018
|
24 |
1 |
6 |
17 |
21 |
52 |
9 |
9位 |
— |
2,532
|
デニース・レディ(英語版)
|
2019
|
24 |
5 |
5 |
14 |
20 |
34 |
20 |
8位 |
— |
3,338
|
デニース・レディ→ クリスティアン・レッサ(英語版)
|
2020
|
—[注 1] |
準決勝 |
—
|
フレイヤ・クーム(英語版)
|
2021
|
24 |
8 |
11 |
5 |
29 |
21 |
35 |
5位 |
準々決勝 |
準優勝 |
3,793
|
フレイヤ・クーム→ スコット・パーキンソン(英語版)
|
2022
|
22 |
4 |
1 |
17 |
16 |
46 |
13 |
12位 |
— |
東地区3位 |
4,415
|
スコット・パーキンソン
|
2023
|
22 |
8 |
7 |
7 |
25 |
24 |
31 |
6位 |
|
東地区2位 |
|
フアン・カルロス・アモロス(英語版)
|
タイトル
選手
現所属メンバー
- 2023年10月21日[16]現在
注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。
在籍歴のある選手
歴代ヘッドコーチ
2022年11月1日現在。
氏名
|
国籍
|
就任
|
辞任
|
試合数
|
勝
|
引
|
負
|
得点
|
失点
|
勝率
|
タイトル
|
イアン・ソーヤーズ(英語版)
|
|
2008年3月5日
|
2009年5月23日
|
6 |
1 |
2 |
3 |
3 |
5
|
16.67
|
ケリー・リンゼー(英語版)
|
|
2009年5月23日
|
2009年7月29日
|
12 |
5 |
3 |
4 |
13 |
12
|
41.67
|
|
クリスティ・ランポーン(英語版)
|
|
2009年7月30日
|
2009年9月29日
|
5 |
4 |
0 |
1 |
6 |
4
|
80.00
|
WPS年間チャンピオン
|
パウリーナ・ミエッティネン(英語版)
|
|
2009年9月29日
|
2010年7月19日
|
14 |
5 |
3 |
6 |
12 |
16
|
35.71
|
|
リック・ステイントン
|
|
2010年7月19日
|
2010年10月7日
|
10 |
2 |
4 |
4 |
8 |
15
|
20.00
|
|
ジム・ガバラ(英語版)
|
|
2010年10月7日
|
2015年10月14日
|
84 |
29 |
29 |
26 |
68 |
87
|
34.52
|
|
クリスティ・ホリー(英語版)
|
|
2016年1月13日
|
2017年8月16日
|
38 |
14 |
7 |
17 |
53 |
67
|
36.84
|
|
デイブ・ホジソン (暫定)
|
|
2017年8月16日
|
2017年11月15日
|
6 |
3 |
1 |
2 |
13 |
14
|
50.00
|
|
デニース・レディ(英語版)
|
|
2017年11月15日
|
2019年6月28日
|
33 |
1 |
8 |
24 |
27 |
66
|
3.03
|
|
クリスティアン・レッサ(英語版) ウーゴ・マセド (暫定)
|
|
2019年6月28日
|
2019年9月4日
|
10 |
4 |
2 |
4 |
10 |
13
|
40.00
|
|
フレイヤ・クーム(英語版) (暫定)
|
|
2019年9月4日
|
2019年12月17日
|
5 |
1 |
1 |
3 |
5 |
9
|
20.00
|
|
フレイヤ・クーム
|
|
2019年12月17日
|
2021年8月29日
|
31 |
10 |
11 |
10 |
33 |
32
|
32.26
|
|
スコット・パーキンソン(英語版)
|
|
2021年8月31日
|
2022年8月11日
|
27 |
7 |
5 |
12 |
24 |
37
|
29.17
|
|
ヒュー・メンジース(英語版) (暫定)
|
|
2022年8月13日
|
2022年10月2日
|
10 |
0 |
1 |
9 |
7 |
22
|
0.00
|
|
フアン・カルロス・アモロス(英語版)
|
|
2022年11月1日
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
脚注
注釈
出典
外部リンク