MULTI8(まるちえいと)は、かつて三菱電機が製造、販売していたパーソナルコンピュータである。型番名はMP-8081。
1983年に登場。8ビット時代において三菱電機を代表するパソコンであった。キーボードと本体が一体化したデザインとなっている。スペックは表示機能においてはNEC製PC-8800シリーズと同等で、音声出力はPSG3重和音機能を保有。オプションの漢字ROMカートリッジを装着すれば、漢字が利用できた。
上位機種として、MULTI 16シリーズがあるが、互換性はない。
概要
1983年9月に発売。定価は123,000円。当時、将棋の女流棋士であった林葉直子がCMキャラクターをつとめた。
M-BASIC80を採用しており、100%の互換ではないが、データレコーダで記録したPC-8001のN-BASICプログラムデータを読み込むことが可能で、N-BASICからの移植性に配慮した設計となっている。
同時期に発売されていたNECのPC-8001mkIIと価格層としては同じでありながら、その機能は上位機のPC-8801とほぼ同スペックであることが魅力であったが、対応ソフトウェアの少なさなどもあり、結果としては普及はしなかった。以降、三菱電機の8ビット系パソコン製品はMSX規格が主流となる。
仕様
- CPU Z80-A互換
- ROM
- BASIC 32KB
- キャラクタジェネレータ 2KB
- RAM
- メインRAM 64KB
- テキストVRAM 4KB(アトリビュート 2KB)
- グラフィックVRAM 48KB
- テキスト表示 36/40/72/80桁×20行/25行(NEC PC-8001シリーズと等価)
- グラフィック表示 640x200ドット 1色×3画面(マルチページ機能)、640x200ドット 8色×1画面
- サウンド機能 PSG3重和音
- BASIC M-BASIC80(Microsoft BASIC)
- インタフェース
主な純正周辺機器
- ROBOTY(ステレオ)
- MOVE MASTER(ロボットアーム)
- 漢字ROMカートリッジ 35,000円
脚注
参考文献
- 「ASCII 1983年7月号」第7巻第7号、株式会社アスキー出版、1983年7月1日。