Keynote(キーノート)は、Appleが開発している、macOS/iOS/iPadOS/vision OS用のプレゼンテーションソフトウェアである。Pages、NumbersとともにiWorkスイートを構成する。
概要
スティーブ・ジョブズが基調講演で利用していたNEXTSTEP用プレゼンテーション用ソフトである「CONCURRENCE[2](のちに発売された日本語版はLightShowに改名[3])」(NeXT社および米ライトハウスデザイン社 (en:Lighthouse Design)が開発)を参考に開発、商品化された。macOS/iOS/iPadOSの描画機能(Core Graphics/Core Animation)を利用し、画像や視覚効果を盛り込んだプレゼンテーションを作成することができる。PowerPointファイルの読み書きができるほか、PDF、HTML、QuickTimeムービーへの書き出しが可能。
2011年7月まではPagesやNumbersと共に、「iWork」という商品名でDVD-ROMがパッケージ販売されていたが、2011年8月以降はMac App Store及びApp Storeで単体としてダウンロード販売されている。 また、2013年10月22日以降のMacおよびiOS機器の新規購入者に対しては無償で提供されている。
2020年3月31日に機能強化とともに、macOS, iOS/iPadOS向けでバージョンが10.0へ統一された。
Keynote for iCloud
2015年10月に正式にリリースされた、iCloud上で、Windows 10などを含めたOSからWebブラウザを通して、利用できるサービスである[4]。
対応言語
日本語、アラビア語、イタリア語、インドネシア語、ウクライナ語、オランダ語、カタロニア語、ギリシャ語、クロアチア語、スウェーデン語、スペイン語、スロバキア語、タイ語、チェコ語、デンマーク語、トルコ語、ドイツ語、ノルウェー語ニーノシュク、ハンガリー語、フィンランド語、フランス語、ヘブライ語、ベトナム語、ポルトガル語、ポーランド語、マレー語、ルーマニア語、ロシア語、簡体字中国語、繁体字、英語、韓国語
歴史
- 2003年1月7日 - Macworld Conference&Expo / San Francisco 2003基調講演にて、「Keynote 1.0」が発表され、$99(¥12,800)にて同日より発売される[5]。
- 2005年1月 - 「Keynote 2.0」の販売開始。「Pages」とともに、「iWork」('05) としてセット販売される。
- 2006年1月10日 - 「iWork '06」の一部として、「Keynote 3.0」の販売開始。「テーブル計算」と「画像マスキング」の機能が追加された。
- 2007年8月7日 - 「iWork '08」の一部として、「Keynote '08 (4.0)」の販売開始。「スマートビルド」や「インスタントアルファ」の追加などアニメーション機能が強化された。
- 2009年1月6日 - 「iWork '09」の一部として、「Keynote '09 (5.0)」の販売開始。iWork.com (beta) に対応し、アニメーション機能が強化された。
- 2010年4月3日 - iWork for iPadのラインナップの一つとして「Keynote (1.0)」の販売開始。
- 2011年
- 2012年
- 7月24日 - Keynote 5.2リリース。OS X Mountain Lionの、iCloud、音声入力、Retina ディスプレイのサポート追加[6]。
- 12月4日 - Keynote 5.3リリース[7]。
- 2013年10月23日 - OS X MavericksとiOS 7のリリースに合わせ全面的な刷新により新機能へ対応、以降に販売されるMacintosh及びiPhone, iPadへの無償添付・無償アップグレードを発表し、以前のユーザへは、OS X向けKeynote 6.0(¥2,000)およびiOS向けKeynote 2.0(¥1,000)の販売を開始。
- 2014年1月23日 - Keynote 6.1リリース。
- 2015年1月8日 - Keynote 6.5.2リリース。
- 2016年
- 5月10日 - Keynote 6.6.2リリース。
- 9月13日 - iOS 10のリリースに合わせ全面的な刷新により新機能へ対応、以降に販売されるiPhone、iPadへの無償添付・無償アップグレードを発表し、以前のユーザへは、iOS向けKeynote 3.0(¥1,200)の販売を開始。
- リアルタイムで共同制作(ベータ版機能)
- Mac、iPad、iPhone、およびiCloud.com上のKeynoteでほかのユーザと同時にプレゼンテーションを編集
- プレゼンテーションを公開してまたは特定の人と共有
- 同じプレゼンテーションで作業しているユーザを表示
- 編集中の参加者のカーソルを表示
- Keynote Liveでスライドショーを再生すると、閲覧者がそれぞれのMac、iPad、iPhone、およびiCloud.comから視聴可能
- iPad Proでの再生中にApple Pencilでハイライト
- 12.9インチiPad Proのディスプレイの利点を引き出す新しいフォーマットパネル
- ダウンロードの改善 – 作業時にのみiCloudからプレゼンテーションをダウンロード
- Keynote ’05のプレゼンテーションを開いて編集
- Wide Gamutイメージをサポート
- キーボード操作の強化とキーボードショートカットの追加
- 9月20日 - macOS Sierraのリリースに合わせKeynote 7.0リリース。上記iOS向けKeynote 3.0同様の新機能へ対応。
- 2017年
- 3月27日 - macOS Sierra向けKeynote 7.1、iOS 10向けKeynote 3.1リリース[8]。
- 6月13日 - macOS Sierra向けKeynote 7.2、iOS 10向けKeynote 3.2リリース
- 9月19日
- macOS Sierra向けKeynote 7.3リリース
- iOS 11向けKeynote 3.3リリース
- 書類マネージャのデザイン変更により、iCloud Drive等に保存されたファイルへのアクセス改善
- iPadで、Keynoteとその他のAppとの間でテキストや画像などをドラッグ&ドロップ対応
- iPadで、Slide Over、Split View、新しいDockで、作業効率的改善
- ファイルAppでの迅速な書類アクセス
- “結合”、“交差”、“減算”、“除外”コマンドを使用して、新しい図形を作成可能に
- “配置”、“均等に配置”、“垂直方向に反転”、“水平方向に反転”コマンドでのすばやい並べ替え
- 図形ライブラリからの複雑な図形向けに“分割”コマンドがサポート
- パフォーマンスおよび安定性が向上
- 2018年
- 3月27日
- macOS Sierra向けKeynote 8.0リリース
- Keynote for iCloud March 2018リリース[4]
- iOS 11向けKeynote 4.0リリース
- Boxに保存したファイルでリアルタイム共同制作が可能に
- ドーナツグラフ
- iOS版で、スライドのサイズや縦横比を変更機能追加
- iPadでApple Pencilに対応
- 6月15日
- Keynote 8.1, iOS向けKeynote 4.1
- Keynote for iCloud June 2018リリース[4]
- 9月17日
- Keynote 8.2
- iOS向けKeynote 4.2
- 11月7日
- Keynote 8.3, iOS向けKeynote 4.3
- Keynote for iCloud November 2018リリース[4]
- 2019年
- 3月29日
- macOS High Sierra向けKeynote 9.0, iOS向けKeynote 5.0
- 日本語、中国語、韓国語で、シェイプやテキストボックス内での縦書き入力に対応
- 1つ以上のスライドを書き出し、アニメーションGIFを作成・共有
- iCloudを使い、カスタムシェイプとテーマを全てのデバイスに自動同期
- カスタムで幅広の縦横比を使用したスライドが、スライドナビゲータ、ライトテーブル、発表者ディスプレイで、表示向上
- プレゼンテーションでの共同制作中のパフォーマンス向上
- グループ化されたオブジェクトが共同制作中に編集可能になる
- Keynote for iCloud March 2019リリース[4]
- 4月3日
- macOS High Sierra向けKeynote 9.0.1リリース
- 6月25日
- macOS High Sierra向けKeynote 9.1, iOS向けKeynote 5.1リリース
- Keynote for iCloud June 2019リリース[4]
- 9月30日
- 11月14日
- macOS Mojave向けKeynote 9.2.1, iOS向けKeynote 5.2.1リリース
- 2020年
- 3月31日
- macOS Mojave, iOS/iPadOS向けKeynote 10.0リリース
- macOS Catalina 10.15.4及び iOS/iPadOS 13.4では、iCloud Driveでの共同作業を自動開始
- 共有プレゼンテーションをオフラインで編集した場合、オンラインになると編集内容が自動でアップロードされる
- テーマセレクタの刷新
- コメント対応などPDF出力の強化
- 編集可能な新しい図形の追加
- Keynote for iCloud March 2020リリース[4]
- 7月9日
- macOS Mojave, iOS/iPadOS向けKeynote 10.1リリース
- Keynote for iCloud July 2020リリース[4]
- 9月22日
- macOS Catalina, iOS/iPadOS 13.1向けKeynote 10.2リリース
- 幅広いフォーマットとフレームレートでのムービーの書き出しに対応
- Keynote for iCloud September 2020リリース[4]
- 11月12日
- 12月1日
- macOS Catalina, iOS/iPadOS 13.1向けKeynote 10.3.8リリース
- 2021年
- 1月14日
- macOS Catalina, iOS/iPadOS 13.1向け向けKeynote 10.3.9リリース
- 3月23日
- macOS Catalina, iOS/iPadOS 13.1向けKeynote 11.0リリース
- プレゼンテーション中に、発表者ノート、現在のスライド、および次のスライドを別ウインドウで表示
- “ビルドの順番”ウインドウにサムネール追加、複雑なシーケンスを編集しやすく
- メディアブラウザで、検索オプション強化、“最近の項目”、“ポートレート”、“Live Photos”など、新しいコンテンツカテゴリ追加
- 表のセル、テキストオブジェクト、および図形に電話番号のリンクを追加
- 3月29日
- macOS Catalina向けKeynote 11.0.1リリース
- 6月1日
- macOS Catalina, iOS/iPadOS 13.1向けKeynote 11.1リリース
- 安定性およびパフォーマンスの向上
- “スクールワーク” AppでKeynoteにアクティビティを割り当てると、単語数や費やされた時間などの生徒の進捗状況を表示する
- 9月28日
- macOS Big Sur, iOS/iPadOS 14.0以降(watchOS 2.0以降)向けKeynote 11.2リリース
- ライブビデオ機能の追加、macOSでは複数カメラによるマルチアングルのビデオ表示にも対応
- 複数発表者コントロールの強化
- 共有プレゼンテーション機能の強化
- ワンクリックで翻訳・翻訳追加
- Keynote for iCloud September 2021リリース[4]
- 2022年
- 4月7日
- macOS Big Sur, iOS/iPadOS 14.0以降向けKeynote 12.0リリース
- macOS Montereyのショートカットに対応
- スライドの最大400%ズームまでの拡大対応
- フォントサイズの小数点以下2桁までより正確な調整対応
- 6月21日
- macOS Big Sur, iOS/iPadOS 14.0以降向けKeynote 12.1リリース
- 10月25日
- macOS Monterey, iOS/iPadOS 15.0以降向けKeynote 12.2リリース
- Keynote for iCloud October 2022リリース[4]
- 2023年
- 3月30日
- macOS Monterey 12.3, iOS/iPadOS 15.4以降向けKeynote 13.0リリース
- Keynote for iCloud March 2023リリース[4]
- 6月13日
- macOS Monterey 12.3, iOS/iPadOS 15.4以降向けKeynote 13.1リリース
- Keynote for iCloud June 2023リリース[4]
- 9月21日
- macOS Ventura 13.0, iOS/iPadOS 16.0以降向けKeynote 13.2リリース
- 2024年
- 4月2日
- macOS Ventura 13.0, iOS 16.0/iPadOS 16.0/watchOS 2.0/visionOS 1.0以降向けKeynote 14.0リリース
- ダイナミックカラー、ミニマリストライト、ミニマリストダークの新しいテーマ
- ほかの人が初めて共同作業プレゼンテーションに参加したときに通知
- iPhone, iPadで撮影したHEIC写真追加時にファイル形式と最高品質を維持
- Commandキーを押したままにして、離れている単語、文、段落を選択
- Microsoft PowerPointファイルを読み/書き出しでスライドトランジション互換性改善
- 安定性の向上、パフォーマンスの改善
- Keynote for iCloud April 2024リリース[4]
- 6月10日
- Keynote 14.1リリース
- 英語で入力中の単語や語句を補完する予測候補のインライン表示
- 複数ディスプレイでプレゼンテーションをリハーサル時に、発表者ディスプレイの表示場所を制御できる
- バグ修正、パフォーマンスの改善
- 9月17日
- macOS Sonoma 14.0, iOS 17.0/iPadOS 17.0/watchOS 10.0/visionOS 2.0以降向けKeynote 14.2リリース
- HDR対応ディスプレイで、HDR画像とHDRムービーを表示(macOS Sequoia、iOS 18、iPadOS 18が必要)
- macOS Sequoiaで、FaceTimeでスライドショーを再生すると、プレゼンテーションウインドウの共有を自動的に開始
- Apple Pencil Proのスクイーズで、ツール、線の太さ、色を素早く切り替える
- iOS 18、iPadOS 18では、書類ブラウザで、プレゼンテーションの作成や最近のものを見つけることが容易になる
- バグ修正、パフォーマンスの改善
- Keynote for iCloud September 2024リリース[4]
- 12月12日
脚注
関連項目
外部リンク