Humanoid Robotics Project(略称: HRP)とは、東京大学の井上博允教授をリーダーとした「人間協調・共存型ロボットシステム」の研究開発のこと。1998年から通商産業省(当時)・経済産業省(中央省庁再編後)主導の下、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と、財団法人製造科学技術センター(MSTC)を管理法人とし、独立行政法人産業技術総合研究所との共同研究により5ヵ年計画で実施された。
研究目的は「働く人間型ロボットの実用性を示す」ことであり、最初の成果機として2000年にホンダ・P3を改良したHRP-1が、2003年には最終成果機としてHRP-2が発表された。
設計製作を川田工業、全体仕様設計を産総研知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループ、腕部仕様設計を安川電機、視覚部仕様設計を産総研知能システム研究部門3次元視覚研究グループ及び清水建設が担当した。
2002年からは、基盤技術研究促進事業「実環境で働く人間型ロボット基盤技術の研究開発」が5ヵ年計画で実施されている。開発を担当するのは、川田工業・産総研・川崎重工。
2005年にはその成果としてHRPの名を冠したHRP-3Pを発表、防塵・防滴機能や滑りやすい路面などでの歩行機能、脚腕協調制御によって拡大された作業機能などを実現させている。
2006年から3年かけて「ユーザ指向ロボットオープンアーキテクチャの開発」の一環としてサイバネティックヒューマンHRP-4Cが開発された。
2011年には低価格な働く人間型ロボット研究開発用プラットフォームHRP-4が開発された。
2015年には経済産業省と米国防総省DARPAが合意した「人道支援と災害復旧に関するロボットの日米共同研究」にもとづきDARPA Robotics Challenge 2015(DRC2015)に参加するために、HRP-2を改造したHRP-2改を開発した。
仕様
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Honda P31 (1997)
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HRP-1 (1997)
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HRP-2P (1998)
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HRP-2 Promet2 (2002)
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HRP-3P (2005)
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HRP-3 Promet MK-II2 (2007)
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HRP-4C3 (2009)
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HRP-4 (2010)
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重量
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130 kg
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130 kg
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58 kg
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58 kg
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65 kg
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68 kg
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43 kg
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39 kg
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全高
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160.0 cm
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160 cm
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154.0 cm
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154.0 cm
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160.0 cm
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160.6 cm
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170 cm
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151 cm
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幅
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60.0 cm
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60 cm
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65.0 cm
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62.0 cm
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66.4 cm
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69.3 cm
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44.0 cm
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Depth
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55.5 cm
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55.5 cm
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34.0 cm
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36.3 cm
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41.0 cm
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27.0 cm
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歩行速度
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2 km/h
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2 km/h
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2 km/h
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2 km/h
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2 km/h
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2 km/h
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充電池
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Ni-Zn 135 V / 6 Ah
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Ni-Mh 48 V / 18 Ah
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Ni-Mh 48 V / 14.8 Ah
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Ni-Mh
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稼働時間
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25 分
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25 分
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60 分
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120 分
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20 分
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自由度
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28
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28
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30
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30
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36
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42
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42
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34
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センサー
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立体視カメラ
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2
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2
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3
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3
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3
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3
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目カメラ
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-
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-
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-
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-
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2
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2
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走査式距離計
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-
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-
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-
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-
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-
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Yes
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画像
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値段
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26,000,000JPY
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脚注:
- 1.^ – HRP-1と比較参照.
- 2.^ - HRP-2とHRP-3は出渕裕によって外装が設計された。[1][2][3]
- 3.^ – "C" means "Cybernetic Human".[4]
出典
外部リンク