Kenが在籍するロックバンド、L'Arc〜en〜Cielは2001年の半ばあたりから、各メンバーがソロ名義での活動を開始するようになり、事実上の活動休止状態となっていた。ただ、Kenは1998年以降に様々なスケジュールが積層していたため疲労感があったようで、音楽活動を約1年ほど行っていなかった。一方で、L'Arc〜en〜Cielの元ドラマーであるSakuraは2001年の秋頃に[1]、自身が在籍するロックバンド、ZIGZOを解散させることが決まり[1]、今後どういった音楽活動をするか考えていたという。そこでSakuraは、「Kenちゃんと音を出したい[1]」と率直な気持ちをKenに伝えたという。その後、KenとSakuraの話し合いの中で、友人のEinをメンバーに迎える話題があがり[1]、2002年5月に3人でバンド合宿を行うことにする[1]。そして2002年8月9日に札幌KRAPS HALLでファーストライヴを行い、SONS OF ALL PUSSYSの活動が本格的に始まることになった(結成の経緯の詳細は『SONS OF ALL PUSSYS#結成の経緯』を参照)。
本作はライヴ活動を重ねていった中で制作されたアルバムであり、初期衝動が詰まった作品に仕上げられている。このアルバムには、Kenが学生時代に好きだったハードロックや、1980年代後半から1990年代にかけて隆盛だったオルタナティヴ・ロックから影響を受けた楽曲の他、様々なジャンルから影響を受けた楽曲が収録されている。なお、Ken曰く、結成当初はスマッシング・パンプキンズ[2]やジェフ・バックリィ[2]を意識した楽曲を制作しようと思っていたという。Kenは本作発売当時に受けたインタビューの中で、当初目指していた音楽的な方向について「(結成した)当時口にしてたのはスマッシング・パンプキンズとかジェフ・バックリィだったけど、こういう空気感っていう程度[2]」と述べており、今回収録された「A Song For You」や「PRIVATE RELIGION」はこの当初のコンセプトを意識し制作したという[2]。ただ、3人での楽曲制作を重ねていくにつれ、様々な方向性にアプローチしていくようになっており、Kenは「今となっては「GRACE」と「Every Second, I'm In ROMANCE」の方が、このバンドならではって思える。ライヴをこなして、感じた中で出来てきた曲だからね[2]」と述べている。なお、S.O.A.P.ではL'Arc〜en〜Cielでの楽曲制作・ライヴ制作と異なり、同期モノの少ないサウンド作りが為されている。kenは、S.O.A.P.でのギターアプローチについて「自然にローコードが増えてきたり、同期モノがないから、ベースと歌との間を埋めていくような雰囲気のギターが増えてきてはいるね[2]」と述べている。