FV107 シミターは、イギリスで開発された偵察戦闘車。イギリス陸軍などで運用されている。この車両はFV101 スコーピオンにとてもよく似ているが、マウント部に76mm砲を装備するかわり、30mm L21 ラーデン機関砲を搭載している。
本車は王立装甲軍団(偵察任務の装甲連隊からなる)に配備された。8両のFV107 シミターが偵察中隊に配備されており、この偵察中隊5個で近接偵察大隊が編成され、この大隊から装甲連隊が構成される。
開発
CVR(T)(イギリス軍の用いた装甲車両の仕様)シリーズの一車両で、1971年に就役した。
初期には、本車のエンジンはジャガーJ60 ガソリンエンジンを使用した。これはジャガー社の車両で使われているエンジンである。現在のイギリス軍に配備されているシミターは、CVR(T)の耐用年数延長プログラム(LEP)に基づき、カミンズBTA 5.9ディーゼルエンジンに換装されている。
FV101スコーピオンと同様に、シミターは1982年のフォークランド紛争において、ブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊とともに投入された。また、国連とNATOの平和維持活動に関連し、イギリス軍は本車をユーゴスラビア、イラク、2010年現在はアフガニスタンにも投入している[1]。
2010年からは装甲の強化などを実施したシミター MkIIへの改修が行われた。
他の仕様
- 最低地上高: 0.35 m
- 主兵装: 30 mm L21A1 ラーデン砲。(発射速度は90発毎分)
- 使用弾薬:
- 高性能焼夷榴弾 (HEI)
- 高性能榴弾 (HE)
- 徹甲弾 (AP)
- 第二効果徹甲弾 APSE (Armour Piercing Secondary Effects)
- 装弾筒付徹甲弾曳光型 (APDS-T)
- 追加防御機材: 2 x 4筒 煙幕発射器
- 搭載弾薬数:
- 30mm口径弾 約165発
- 7.62x51mm NATO弾 公式には約2,000発 (実際にはさらに多数の200発入りの弾薬箱を収納できる)
- 他のイギリス軍装甲車両と同様に、本車は強制換気システムを備え、搭乗員はCBRN(化学・生物兵器、放射線、核兵器)環境で活動できる。
使用国
- シミターはイギリス陸軍の5個編隊偵察連隊によって運用されている。各連隊にはそれぞれ12両のシミターを保有する3個大隊がある。ハウスホールド騎兵連隊には第16空挺旅団を支援するための追加の大隊がある。
- また、イギリス空軍も本車を装備する。
登場作品
ゲーム
- 『Project Reality(BF2)』
- イギリス軍の偵察戦闘車(RCV)として登場。
- 装備はクラクション、暗視装置、L21A2 RARDEN 30mm機関砲、L37A1 7.62mm同軸機銃、L34 スモークランチャー。
- 搭載弾薬はL14A3 30mmAPDS弾、L13A2 30mmHEIT弾、7.62mm NATO弾、煙幕用にMK1 Mod0 66mm。
出典
関連項目
- CVR(T) (戦闘偵察車両 - 装軌式) シリーズ化された車両の仕様。
外部リンク