この項目では、F/A-18A-Dの発展型について説明しています。
F/A-18E/F は、マクドネル・ダグラス 社(現ボーイング 社)が開発したF/A-18C/D ホーネット の発展型マルチロール機 。F/A-18E/Fとは本シリーズの総称であり、その内容は単座型のF/A-18E と複座型のF/A-18F からなる。
愛称は、ホーネットを超越しているという意味を込めて「スーパーホーネット 」(Super Hornet)に変更された。A型からD型までのレガシーホーネット[ 注釈 1] と識別するために、「ライノ 」(Rhino)[ 注釈 2] という愛称を無線 でコールする際に用いている。「レガシーホーネット」・「ライノ」ともに非公式な呼称でもある。
概要
F-14B(下)とF/A-18F(上)。
F/A-18E/Fは、第4.5世代ジェット戦闘機 に分類される戦闘攻撃機 (マルチロール機 )である。F-14の後続機計画であるアメリカ海軍先進戦術戦闘機(NATF)の「F-22N」やA-6の後続機計画である発達型戦術航空機(ATA)の[ 3] A-12 が冷戦終結に伴う開発中止を受けて、既存のF/A-18 (A-D型)の基本設計から全面的に再設計することで開発された。航続距離 や兵器 搭載能力の向上を図り、機体の大型化やステルス性 を考慮した設計変更が行われた。
アメリカ海軍への納入は1999年から開始され、2001年 にF/A-18E/FがIOC(初期作戦能力 )を獲得し、アメリカ海軍 のF-14艦隊防空戦闘機 (艦上戦闘機 )を更新する形で配備が進められ、イラク戦争 などの実戦に参加した。
アメリカ海軍の他、オーストラリア とクウェート でも採用されている。
開発の経緯
アメリカ海軍は、1963年 から運用を続けていたA-6 艦上攻撃機 の退役における後継機選定のための ATA(Advanced Technology Attacker=先進戦術航空機)計画において、マクドネル・ダグラス社とジェネラル・ダイナミクス 社(いずれも当時)の共同計画案を1987年 末にA-12 として本格的に開発を開始した。
また、ATFをベースとしたF-14D 艦上戦闘機 の後継機開発計画も、当時アメリカ海軍 内で存在した。これはATFと同様にステルス 能力を有する艦上戦闘機の開発を目指したもので、NATF (Naval Advanced Tactical Fighter)などとも呼ばれた。
計画は1988年 頃から進められ、後にATFと一本化される。F-22選定後、NATFには「F-22N 」との仮称が与えられ、546機の受注が見込まれた。開発はF-22をベースとし、機体構造をF-22とある程度共通させると共に、艦上戦闘機として必要な装備の付属や機体強度のアップ、F-14と同様に可変翼 を有するとした。
だが、ATFの開発遅滞や予算削減から1991年 に同時開発はキャンセルされた。A-12 艦上攻撃機 の開発中止もあり、アメリカ海軍はF/A-18A/B をベースとした本機を開発している。
1987年、マクドネル・ダグラス社では海外への輸出を主眼にF/A-18C/D を発展させたホーネット2000 開発を計画している。F/A-18の原型機であるYF-17 は、ノースロップ 社独自の社内開発計画であったP-530 コブラで空軍の軽量戦闘機計画に応募したものであり、ホーネット2000では胴体と翼面の大型化や高出力エンジン への換装によって、性能向上を図るものであったが、結局この計画は各国からの関心を集めることはなかった。
1991年 初頭になり、国防総省 は開発コストの高騰やスケジュールの遅延に機体重量の増大、冷戦 終結による国防費削減などを理由に、A-12開発計画を中止した。A-12とは別にA-6Eのアップグレード型のA-6Fも開発されていたが、こちらも予算などの問題から開発が中止された。2つのA-6後継機開発計画が中止された結果、アメリカ海軍は別の開発・調達計画を必要とした。1992年 5月、アメリカ海軍はホーネット2000をベースにしたF/A-18発展型機採用の意向を表明し、結果としてこの機体がF/A-18E/Fとなった。アメリカ海軍は、採用意向表明するのに先立ち、EMD(技術・製造・開発)段階移行のためにマクドネル・ダグラス社に対する地上試験用の3機と飛行試験用の単座型5機、複座型2機の製造承認と、ジェネラル・エレクトリック 社に対するF/A-18C/D搭載のF404 の発展型F414エンジン の開発承認を与えた。
1995年 、飛行試験用の単座型1号機が完成し同年11月29日 に初飛行した。1996年 4月1日 には複座型1号機が初飛行している。その後の各種試験を経て、1998年 12月18日 に量産型のF/A-18E初号機が海軍に納入され、2001年 にF/A-18E/Fが初期作戦能力 (IOC)を獲得した。
機体
F/A-18E/FはF/A-18C/D を改良し大型化したものであるが、多くの変更の結果、C/D型とE/F型の共通部品は僅か1割程度となった。E型は単座型、F型は複座型である。
在来型F/A-18からの主要な変更点を以下に示す。
機体の大型化
スーパーホーネットの原型機となった在来型ホーネット。
全長はF/A-18 の17.07mから18.38mへと延長され、レドーム も大型化している。
主翼・尾翼 ・ストレーキ などといった翼の面積も拡大している。主翼面積はF/A-18の37.2m2 から46.45m2 となっており、操舵翼の面積も拡大されている。主翼下ハードポイント も左右1箇所ずつ増加している[ 注釈 3] 。
これらの変更により、アビオニクス 用スペースの増加、機内搭載の燃料タンクの容量増加[ 注釈 4] による航続距離 の延長、運動性の向上などを実現している。その一方で、機体の大型化と翼面積の拡張などによって加速力は在来型と比べ低下しているともされる。
しかしながら、機体の大型化の一方でD型までにあった垂直尾翼 間のエアブレーキ を廃止し、方向舵 を内側に動かすことと左右のストレーキ上に設置されたスポイラー でその機能を代替するなど、機体の総部品数はA-D型より減少している。
以上により、F/A-18E/Fの機体規模はかつて大型戦闘機 とされたF-4ファントムII すらを上回り、空虚重量ではF-15Eストライクイーグル に匹敵する。最大離陸重量でも、大重量の可変翼を備えた純粋複座型のF-14トムキャット に迫るものとなっているため、もはや旧ホーネットおよび原型機のYF-17 のコンセプトである軽量戦闘機(英: Light Weight Fighter)にカテゴライズされる機体ではなくなっている。
A-D型とE/F型の比較表
A-D型
E/F型
全長
17.07 m
18.29 m
全幅
11.43 m
13.63 m
全高
4.66 m
4.88 m
主翼面積
37.2 m2
46.5 m2
空虚重量
A/B:12,973 kg C/D:10,810 kg
E:14,288 kg F:14,515 kg
最大離陸重量
A/B:21,888 kg C/D:23,542 kg
30,209 kg
エンジン
F404-GE-400 ×2
F414-GE-400 ×2
推力
A/B:7,260 kg×2 C/D:8,160 kg×2
6,350 kg(ミリタリー)×2 9,980 kg(A/B 使用)×2
最高速度
A/B:M 1.7 C/D:M1.8
M 1.8
航続距離
3,700 km
3,312 km
戦闘行動半径
C/D : 540 km
1,231 km
実用上昇限度
15,240 m
15,240 m
エアインテークの変更
F/A-18C(左)F/A-18E(右) 在来型では楕円形であったエアインテークの開口部が、ステルス性を向上させるために平行四辺形状に変更されている。
F-14 やF-15 の二次元型エアインテーク のような断面積可変式ではなく、固定式のままであり、在来型同様に超音速性能を重視しないままでのステルス性 考慮のための変更である。
正面。
エンジンの変更
F/A-18A-D のF404 から、その発展型であるF414 へ変更されている。このエンジン は完全自動化デジタル式電子制御システム(FADEC )を備えることで推力制御の自動最適化が達成されている。ただし、エンジンサイズを拡大せず高推力化するために排気速度を高めたせいで、かねてより騒音が大きいとされていたF404よりもさらに大きくなり、開発国アメリカでは訴訟にまで至った。また、ステルス性 向上のため吸気ファン前方にレーダー ブロッカーを装備している。
アビオニクスの変更
F/A-18Eのコックピット。
レーダー は当初、F/A-18C/Dの後期型と同じAN/APG-73 を搭載していたが、ブロック2からはより高性能なAN/APG-79 に変更されている。
AN/APG-79はアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー で同時処理が可能な目標数がAN/APG-73のおよそ倍となっており、限定的な電子妨害 にも使用可能とされている。
その他にも、AN/ASQ-228 ATFLIR の携行能力や運用可能な兵装の種類が増えている。イラク でのサザン・ウォッチ作戦 において、VFA-115 "イーグルス" (英語版 ) 所属機がF/A-18Eとして初めて実戦に出撃し、イラク軍 の地対空ミサイル 陣地に統合直接攻撃弾薬(JDAM )を投下している。
空中給油
ベンガル湾 上空で僚機のF/A-18Eに空中給油するF/A-18F。
退役したKA-6D やS-3B の代替として空中給油機 の役割も果たせるようになっている。
プローブアンドドローグ方式 が採用されており、"aerial refueling system"(ARS、空中給油 システム)と呼ばれるポッドを装着することで内部タンクと増槽 4本あわせて最大29,000ポンド (13トン)の燃料を搭載することができる。
しかし、空母航空団のF/A-18E/Fの約3割が空中給油任務に従事している現状を打開するために2016年から「艦上空中給油システム(CBARS:Carrier Based Aerial Refueling System)」計画に基づいてMQ-25 が開発中である。
型式
空爆に向かうE/F編隊
F/A-18E
単座型。
F/A-18F
複座型。
単なる訓練用ではなく、兵装システム士官(WSO:Weapon System Officer)が搭乗する作戦機としても使用され、任務に応じてF/A-18Eと使い分けられる。そのため、実戦を想定したミッション化型はアメリカ海兵隊 のF/A-18D[N]と同様、後席コックピット の操縦装置が外され、代わりに左右コンソールにスティック型のハンドコントローラーが設置されている。
F/A-18E/F ブロック2
2003年会計年度から発注されたF/A-18E/Fのアップグレード型。以下の改良が行われている[ 4] 。
F/A-18E/F ブロック 2+
2006年会計年度からの発注されたブロック2のアップグレード型。
各種センサーからの情報を統合するため、新型ミッションコンピュータと光ファイバーネットワークを追加。
2008年 度より納入された機体には480ガロン 増槽 FPU-13を改造したAN/ASG-34IRST ポッドが装備可能となっている。このポッドは先端にIRSTが装備され、残りの部分には普通の増槽同様330ガロンの燃料が搭載される。このポッドは通常スーパーホーネットのsta.6に搭載される[ 5] 。
アドバンスド・スーパーホーネット
元は2010年 7月に開催されたファンボロー航空ショーにてCGイラストが発表された機体であり2月8日 には2011年度インド航空ショー"エアロ・インディア "にて公開したF/A-18Eの新たなオプション案「インターナショナル・ロードマップ」としてモックアップ が発表されていたものであった。初期の発表ではF/A-18E/Fをベースにした国際共同開発仕様と報じられており、ボーイングはこの計画で追加される装備や能力をユーザーのニーズに合わせて開発していく方針を提案していた。海外への輸出(既存ユーザーへの改修なども含む)やF-35Cの開発が今後さらに遅れた場合にアメリカ海軍 へも売り込むことを視野に開発が進められている。提供開始時期は2015年 以降となるとされていた。
報道陣には2011年 6月29日 にボーイング 本社にて試作機が発表されている。改良点としては以下のものがあげられている。
コックピットをF-35 やF-15SE と似た次世代型コックピットへ換装。コックピットには11x19インチの大型カラーディスプレイ(タッチパネル 式マルチタッチ 対応)が装備され、レーダー、僚機、空中警戒管制機 、イージス艦 などからの各種情報をデータリンクを通じ表示できるのが特徴。また、ディスプレイの表示をいくつかのウィンドウに区切って分割し画面分割数やウィンドウのサイズなど、表示する情報をパイロット が変更できる。
エンジン 推力を20%向上させたF414-GE-EPE (Enhances Paformance Engine)へ換装し、低い加速力・上昇力の改善。燃焼効率の改善による航続距離の延長。
ミサイル ・レーザー 警戒用のセンサー や機首下へのIRSTの増設など監視・警戒システムを強化。ボーイングはこの改良により機体全周囲を警戒可能になるとしている。米海軍では不採用となり、代わりにIRST(ASG-34)を先端に組み込んだ胴体下増槽(FPU-13/A)を取り付けることとなった。
ステルスウェポンポッドの搭載。ウェポンポッドの搭載量は、AIM-120 なら4発、Mk 82 500lb爆弾 なら2発、Mk 83 1,000lb/Mk 84 2,000lb爆弾なら1発搭載可能。F/A-18E/Fはこのポッドを最大3個搭載する事が可能。これによりステルス性 の向上、空気抵抗による加速力の減少を改善、航続距離の延長などが見込める。米海軍では不採用となった。
機体背部にコンフォーマル・フューエル・タンク を装備。ドロップ・タンクよりも低抵抗かつ揚力も発生する形状により戦闘行動半径が10%向上する。タンクの容量は片側につき1,500lb、左右合計3,000lbである。また、タンクの装備によって重心位置が変化し尾翼によるトリムが不要となる事により速度性能が上昇するとも言われている。
ステルス性能の向上も図っており、現行のF/A-18E/Fと比較し、全面のRCS は50%未満に低減されているといわれている。
2013年 8月28日 にはボーイング社のサイトで発表された[ 6] 。
試作機は2013年 8月9日 に初飛行。
ブロック 3
アドバンスド・スーパーホーネット改良案の中で密着型増槽や次世代コックピットの要素を取り入れ制式化、さらに飛行時間を7,500時間に延伸した改良型。2020年3月に、新造と既存機からの改修を合わせて78機(E型61機、F型17機)の契約が締結された[ 7] 。2020年から従来の機体から24機の寿命延伸化が始まり、2022年以降の改修では飛行時間の10,000時間への延伸が予定されている[ 8] 。2020年6月17日にテスト機2機が初納入され[ 9] 、2021年9月27日に量産初号機が納入された[ 7] [ 10] 。
EA-18G
EA-6B の後継機としてF/A-18Fを改修した電子戦機 。2007年 9月24日 に量産初号機(G-1)がアメリカ海軍へ引き渡された。
採用状況
F/A-18E/Fは現在、アメリカ海軍、オーストラリア空軍 で運用されている。その他いくつかの国の次期戦闘機計画で提案されたが、採用例は少ない。
運用国
アメリカ合衆国
「エンタープライズ 」艦上のF/A-18E/F
アメリカ海軍では、A-6 退役後の空母航空団 ストライクパッケージの要となっていたF-14艦隊防空戦闘機 (対地攻撃能力付加型)の老朽化による維持コストの高騰を受け、当初は2010年 としていた引退時期を2006年 の第1四半期に早めた。このため、F-14やEA-6B電子戦機 、S-3B艦上哨戒機 が退役すると、次世代の戦闘機 であるF-35C統合打撃戦闘機 の就役までは、F/A-18シリーズが空母航空団の主戦力となる[ 注釈 5] 。
F-14よりも騒音が大きいため一部の航空基地ではE/F型の配備は極力後回しとされた。EおよびFどちらかのみを配備している飛行隊は10隊あり、双方を配備しているのは、地上の機種転換部隊の2隊のみである。
アメリカ第7艦隊 ・第5空母打撃群 /ジョージ ワシントン打撃群所属の第5空母航空団 は、2011年 5月11日 にVFA-195がF/A-18CからF/A-18Eに機種転換されたことにより[ 11] 、すべての戦闘攻撃飛行隊(VFA-102・VFA-27・VFA-115・VFA-195)がF/A-18E/F スーパーホーネットとなる。2012年 3月23日 に電子攻撃飛行隊もEA-18G が配備された第141電子攻撃飛行隊が転属される。第5空母航空団は、戦闘攻撃飛行隊と電子攻撃飛行隊にスーパーホーネット系のみが配備される最初の空母航空団となる。
ブルーエンジェルス は老朽化したC/Dを更新すべく2015年より検討を開始し[ 12] 、2018年8月に9機のE型と2機のF型を調達する契約をボーイングと締結した。2020年7月28日より運用を開始している。
2017年 6月18日 、シリア でF/A-18Eがシリア空軍 のSu-22 を撃墜しており、初めての空対空戦闘による戦果をあげた。これは、アメリカ軍全体でも1999年 にコソボ紛争 中にアメリカ空軍 のF-16 がMiG-29 を撃墜して以来18年ぶりの空対空による戦果である[ 13] 。
オーストラリア
オーストラリア空軍のF/A-18F。
2007年 にオーストラリア空軍 がF-111C の更新機種としてF型を24機発注し、2009年 から順次配備している。
オーストラリア向けのF/A-18Fは、既に採用を決定しているF-35A が配備されると余剰化するため、12機が電子戦 型EA-18G グラウラーへの改造を容易にできるよう予め配線を済ませた状態で生産されていたが、EA-18Gの新規購入に切り替えたため結局改造は行われないことになった[ 14] 。
採用決定・納入待ち
クウェート
2015年5月にクウェート空軍 が28機を発注した[ 15] と一時報じられていたが、同年9月11日にF/A-18E/Fを退けてユーロファイター タイフーン 28機の採用を決定した[ 16] 。
2016年11月17日アメリカ国防総省は、対外有償軍事援助 にてE型24機、F型8機の輸出許可をアメリカ議会に求め[ 17] 、最終的に2018年3月にE型22機、F型6機の購入契約を交わした[ 18] 。引き渡しは2021年から開始予定だったが、新型コロナウイルス の影響で遅れている[ 19] 。
過去に検討された国家
日本
航空自衛隊 のF-4EJ改 の更新計画「第4次F-X 」の候補機種の1つ。最終的にF-35A が選定された。
ブラジル
ブラジル空軍 の次期戦闘機F-X2計画をダッソー ラファール 、サーブ JAS39グリペンE/F と争っていたが、エドワード・スノーデン によってジルマ・ルセフ 大統領(当時)の電話をNSA に盗聴されていたことが暴露されてご破算となり[ 20] 、2013年 12月にグリペンE/Fが採用された。
韓国
2014年12月29日、ボーイングとエアバス 、大韓航空 が3社連合を組みKFX 計画に参画することが発表された。報道によると、ボーイングがスーパーホーネットにウェポンポッドと密着型増槽の搭載改造を施し、エアバス社が同機にステルス化を施すもので、3社はこの機体をKFXとして採用する様、韓国政府に提案する意向を示していた[ 21] [ 22] 。これは上述のアドバンスト・スーパーホーネット計画によるものである。しかし、2015年2月9日締切の同事業の入札に応募したのはKAI とロッキード・マーティン による計画のみであった[ 23] 。
カナダ
2016年にCF-18 ホーネット の更新機種としてカナダ空軍 が18機を発注し、2016年9月14日までにアメリカ国務省はE型10機、F型8機を輸出する方針をアメリカ議会に通告した[ 24] 。しかしその後カナダ政府はボーイングとボンバルディア の貿易摩擦を受け、2017年12月12日、購入計画を撤回し代わりにオーストラリアから中古のF/A-18A/B型を購入する方針を発表した[ 25] 。2020年7月には戦闘機88機の購入についての提案書の提出が行われ、F/A-18E/Fブロック3、F-35A、グリペンE が応じた[ 26] 。しかし2021年11月25日、F/A-18E/Fは要求を満たしておらず脱落したと報じられた[ 27] 。
フィンランド
F/A-18C/Dの更新用としてF-35、ユーロファイター タイフーン、JAS39グリペンともに提案されていた[ 28] 。2020年10月9日アメリカ国務省は、対外有償軍事援助でF/A-18E/F戦闘機58機およびEA-18G電子戦機14機の計72機とミサイル、関連機器など合計147億ドルで承認したと発表した。また、アメリカ国防安全保障協力局 は同日議会に要求承認を通告していた[ 29] 。しかし、2021年12月10日フィンランド国防省公式TwitterでF-35Aを64機購入すると発表された[ 30] 。
ドイツ
2020年4月19日、2030年までに退役が予定されているトーネード IDS の核攻撃任務を引き継ぐ後継機として、45機を購入する方針を示した。内15機はトーネード ECRの後継となるEA-18Gである[ 31] 。しかし、F/A-18E/Fへの核攻撃能力付与は結局行われなかったこともあり、2022年3月14日にF-35Aを35機購入すると発表された[ 32] 。
スペック
乗員
全長:18.29m
全幅:13.63m
全高:4.88m
主翼面積:46.5m2 (E/F)
最大離陸重量時翼面荷重 :644.52kg/m2
空虚重量:14,288kg(E)
空虚重量:14,515kg(F)
兵装最大搭載量:8,029kg(離陸時)/4,491kg(着陸時)
最大発艦重量:29,937kg
最大離陸重量:30,209kg
最大離陸重量:19,558kg
燃料容量:8,063L(機内タンク)
エンジン:GE 製 F414-GE-400 ターボファンエンジン ・推力6,350kg(ミリタリー)×2/9,980kg(アフターバーナー )×2基
最大速度:M 1.8
航続距離:2,936km
実用上昇限度:15,250m[ 33]
設計荷重制限 +9G/-3G
ATFLIR。
電子戦装備
兵装
ハードポイント 11箇所。兵装搭載量 8,051kg
固定武装
空対空ミサイル
空対地ミサイル
対レーダーミサイル
空対艦ミサイル
空対地ロケット
爆弾
機雷
その他
SUU-42Aフレア/赤外線デコイディスペンサーポッド
チャフポッド
480USガロン増槽
ADM-141 TALD
AWW-13高度データリンクポッド
登場作品
脚注
注釈
^ レガシーホーネット - E/F型を「スーパーホーネット」と呼ぶのに対して、A型からD型の従来機種を「レガシーホーネット」(Legacy Hornet:旧式のスズメバチ )と区別する
^ 「ライノ」(Rhino) - スーパーホーネットのコックピット前のIFFアンテナ のカバーをサイ の角に見立ててつけられた愛称。航空母艦 への着艦時、アレスティング・ワイヤー は機種毎に最適化された張力に設定されるが、その確認時に「ライノ」という機種コールサインを用いている
^ ただし、主翼下パイロンは取り付け角が進行方向から外側に1°斜めになっている
^ 機内搭載の燃料は、C型が6,061リットルだったのに対し、E型では8,063リットルになっている
^ 少数ながらその他にE-2C/D早期警戒機 、MH-60R統合多用途 /S多用途・補給支援ヘリコプター などが存在する
出典
関連項目
外部リンク