Mark III は点接触型トランジスタを使用していて、動作は高速(加算時間は0.56ms)だったが、点接触型トランジスタの信頼性の低さに由来する故障が多かった。そこで、速度は犠牲になるが、信頼性を高めるために接合型トランジスタを使用した Mark IV の開発が始められた(すぐに接合型トランジスタの性能は向上したが、この時にはまだ接合型トランジスタは点接触型トランジスタより遅かった)。商用化を考慮し、事務用途で使われることを想定して、BCDを基本方式としている。メモリアドレスまでBCD三桁で表現していた。メモリは、クロックが遅いため不利になる遅延式は止め、磁気ドラムメモリを使用した。機械部分はジャイロコンパスで高速回転体の経験のある北辰電機製作所に、磁性体はテープレコーダーの東通工に開発させた。容量は1000ワード(1ワードはBCD6桁、つまり24ビット)とした。1957年11月に完成し、これをもとに電機メーカー各社が製品化している(後述)。また、Mark IV を利用した機械翻訳機「やまと」が開発された。その過程で文字認識装置も開発されている。