本作のスペシャルジャケット限定盤には、1992年10月1日に発売されたオムニバスアルバム『Gimmick』に提供した楽曲「VOICE」と、1992年11月25日に発表したインディーズシングル「Floods of tears」の2曲を再構築・再収録したバージョンを含めた9曲が収められている。また、通常盤には、ボーナストラックとして「失われた眺め」が追加収録されており、計10曲が収められている。なお、本作のマスタリングは、山下達郎やスピッツの作品のマスタリング作業に携わった中里正男(ONKIO HAUS)が担当している。
ただ、アルバム発売中止を求めていたメンバーに対し、レーベルから「メンバーの意向に関わらず、所有している原盤権を行使しアルバムをリリースする[6]」「発売を中止する場合、L'Arc〜en〜Cielがレコーディングに費やした制作費を全額支払うように」と回答があったという。このように交渉が難航していた背景もあり、レコーディング費用の一部を補填するため、1992年11月25日にインディーズシングル「Floods of tears/夜想花」がリリースされることになった[5]。Night Gallery Recordsとの関係が上手くいかなかった背景について、tetsuyaは2022年に、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組にて「同じ価値観、同じ理念を共有していない人とは、会話が成り立たないじゃないですか。共通言語がないから。それだけのことですね[7]」「まあ、どうしてもビジネスなんで、レコーディングするのにはお金かかりますから。お金かけて作ったものを発売して回収しないといけないわけですから。かけた分を回収できないとなるとねぇ、お金出した人からすると、何とか回収したいと思うじゃないですか。だから僕たちが"それは不本意なんで出したくない"って言っても、"いやいや、じゃあお金払ってよ"って話にもなりますし。それだけのことですね。だから、そんな(レコード会社側が)"悪意をもって騙してやろう"っていうことではなかった[7]」と語っている。
Night Gallery Recordsとの協議が難航していた頃、tetsuyaはL'Arc〜en〜Cielに興味を持っていたDanger Crue Recordsの代表である大石征裕(現:マーヴェリック・ディー・シー・グループ代表)との接触を図っていたという[8][6]。そして、この問題をtetsuyaから聞いた大石は、知り合いでもあったNight Gallery Recordsの社長、森田文章(DENDO MARIONETTE)と交渉することにした[9]。そして大石と森田の交渉の結果、「レコーディングにかかった経費をDanger Crue Recordsが負担することで、原盤権をDanger Crue Recordsに譲渡する[9]」ことが決まった。その後、原盤権を手にした大石はL'Arc〜en〜Cielの意を汲み、シングル化が決まり事前予約も終わっていた「Floods of tears」と「夜想花」の2曲を除き、アルバムの音源をすべて廃棄することにしている[9]。結果、Night Gallery Recordsとの契約下で制作されたアルバムは、現在に至るまでリリースされていない"幻のアルバム"となった。そしてインディーズシングル発売の後、L'Arc〜en〜CielはDanger Crue Recordsと改めて契約し、1993年1月28日から本作の制作に取り掛かることとなる。
- 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 03』(『uv vol.102』の再掲)、189頁、tetsuyaの発言より
『DUNE』の録音作業は、1993年1月28日から同年2月21日までの約1ヶ月の間実施されている。また、アルバムレコーディングが終了してから約2ヶ月半後となる1993年5月には、オムニバスアルバム『The Monster Of Shock Age』への提供曲「予感」の録音作業が実施されている。tetsuyaは2004年に受けたインタビューで本作の制作を振り返り「半分ぐらいの曲は、前の事務所のときに一回録ったことがあったんで。当時ドラマーはまだperoでしたけど、そういう曲についてはある程度カタチも見えてた[14]」と述懐している。また、tetsuyaは同インタビューで、1993年当時のインディーズバンドとしては十分な時間と予算をかけてアルバム制作に取り掛かることができたと振り返っている[14]。tetsuyaは同インタビューで「レコーディングにすごい時間をかけられたんですよ、当時のインディーズのバンドとしては。レコーディング・スタジオでアレンジ煮詰める時間が十分あったんで[14]」「時間ていうか予算ですね。予算が許せば時間も許すんで(笑)[14]」と述べている。余談だが、hyde、ken、tetsuyaの3人はこの当時、大阪を拠点にしていたため、本作のレコーディングに取り掛かるにあたり、東京・北品川のウィークリーマンションを借りたという[15]。なお、3人はその後もマンションを転々としており、この当時、中野新橋や江古田、大塚にも住んでいたという[16]。このタイミングで本格的な東京進出をしなかった理由について、tetsuyaは2006年に受けたインタビューで「まだ東京に出ることは考えてなかったです。あくまでもベースになるのは大阪。大阪で生まれたバンドやし。インディーズで1枚出したぐらいで、東京に行くのはどうかなっていうか、そんな考えも全くなかった。東京にきたのは(1993年)10月[17]」と述べている。
ちなみにメンバー曰く、レコーディング前は、1992年6月12日に脱退した結成メンバーのhiroが制作した楽曲もアルバムに入れたいと思っていたという。というのも、L'Arc〜en〜Cielは結成当初から、hiroが作曲した楽曲を多くライヴで演奏していたため、「ライヴで定番になっている曲をアルバムに入れたい」と考えていた。しかし、hiroが脱退後に別のバンドを組んだこともあってか、「自分の曲は収録しないでほしい」との申し出たため、本作への収録は見送られることになった。このことについて、hydeは1996年に発表されたインタビュー本で「実はね、(『DUNE』は)レコーディングが決まってて収録もだいたい決まってて、当然ライヴでやってた曲ばっかりだったんですけど、前のギターのhiroから、"俺の曲使わないでくれ"って言われて[29]」「だから最初のアルバムイメージはもっと攻撃的だったんですよ。「I'm in Pain」とか「No Truth」が入る予定だったから[29]」と語っている。ちなみに本作には、作曲者名義が"L'Arc〜en〜Ciel"になっている楽曲が2曲(「Shutting from the sky」と「追憶の情景」[30])収録されているが、これはhiroが作った原曲をもとにバンド4人で制作し直したものとなっている[30][31]。こういった事情もあり、これまでライヴで演奏してきた楽曲だけで収録曲を構成することが難しくなったため、kenがL'Arc〜en〜Cielに加入する前に制作していた楽曲を急遽本作に収録することとなった[29]。そのため、本作制作前に開催していたライヴでは演奏されていなかった「Taste of love」「Be destined」「As if in a dream」「失われた眺め」が本作に収録されている。kenは、個人的な趣味あるいは、前に組んでいたバンドで自身が作った楽曲が音源化されることになった心境について、「急に決まって、昔の曲をほじくり出してきてっていう感じだったから正直、いいんかな?って思った。俺自身はMTRでしか録ったことがなかったから、それをレコーディング出来るってことがすごく嬉しかったけどね[29]」と述べている。なお、「As if in a dream」は、kenがバンドに加入した直後の1992年の夏頃に原型を作った曲であり[21]、sakuraが加入してから本格的なセッションが始まったことから[32]、本作のために書き下ろされた唯一の曲となっている。
なお、L'Arc〜en〜Cielは本作を発表するまで、あえてデモテープを販売しない方針をとり[41]、一度制作したファーストアルバムも「仕上がりに納得できない」という理由でお蔵入りにするなど[5]、「極力納得できるようなかたちで音源をリリースしたい」という意志を貫いていた。そのため、本作が満を持して世に発表した最初のアルバム作品となった。結果として、通常盤を発表した週の売上枚数が反映されたオリコン週間インディーズアルバムチャートで、初登場首位を獲得するに至っている[1]。こうしてL'Arc〜en〜Cielは、本作の発売をもってインディーズシーンでの人気を証明することになり、メジャーレーベルからの大型契約の提示を受け、バンド活動がより大規模になっていくこととなる。ちなみに、L'Arc〜en〜Cielは1993年の夏頃にソニー・ミュージックの社内レーベル、Ki/oon Sony Musicと契約しているが[17]、その際に"7枚のアルバムリリース"と"契約年数無期限"という契約を結んでいる[17]。
L'Arc〜en〜Cielは本作発売の直前となる、1993年3月11日に恵比寿GUILTYでライヴ「SONIC GIG」を開催している[1]。なお、このライヴは、L'Arc〜en〜Cielにsakuraが加入してから初めて開催した公演となっている[42]。また、この公演は本作の1曲目に収められた「Shutting from the sky」から始まり[42]、インディーズシングル「Floods of tears/夜想花」とアルバム『DUNE』の収録曲だけでセットリストが構成されている[42]。したがって、この公演は"新たなL'Arc〜en〜Ciel"の始まりとなるライヴになった[42]。sakuraは1996年に発表されたインタビュー本の中で、この公演を振り返り「"sakura!"っていう歓声に、場内大笑いですわ(笑)。その頃からもう、お笑い約束されてたね[42]」と述べている。また、tetsuyaは「このライヴのチケットって通信販売のみで限定250名。ギルティって僕達みたいなバンドが今まであまり使ってないライヴハウスだったんです。で、最初は場所も伏せて"東京××××"って告知したんですよ。確か僕達みたいなバンドがあまり使ってないとこを探して演ったんですよ[42][48]」と述懐している。なお、この公演の3日後となる同年3月14日には渋谷公会堂で行われたライヴイベント「華麗なる魔性」に出演している。
1993年6月14日から同年7月3日にかけて、バンド初の全国ツアー「Close by DUNE」を開催している。そして1993年8月1日には、前述のライヴツアーの最終公演として、日清パワーステーションで「Close by DUNE FINAL」を開催している。hydeは初の全国ツアーを振り返り「マネージャー付きのツアーは初めてだから何かやっちゃいけないことが多いんだなあっていう(笑)。それとホテルの部屋が2人1組だったから、いいところもやなところもひっくるめて互いを知るっていうツアーだったような気がするな[48]」と述べている。また、kenは「俺にとってはその時だけじゃなくて今に至るまで、この先もずっとそうだと思うんだけど、ひとつの道しるべ。まぁ、今と比べたら見た目とか全然違ってたと思うんだけど、ツアー全体の雰囲気とかライヴの方向性とかがあの時点でピッ!と定まったような気がする[48]」と述懐している。ちなみに、このツアーでは『DUNE』の収録曲を中心にセットリストが組まれているが、次作『Tierra』に収録されることになる「White Feathers」の原型も披露されている。
上記ツアーを終え、L'Arc〜en〜Cielは1993年8月23日に渋谷公会堂で行われたライヴイベント「SHOCK AGE '93」[1]、同年10月19日に同所で行われたライヴイベント「Because the Night Vol.1」に出演している[1]。
その後、アルバムタイトルを冠したツアーの締めくくりとして、1993年11月9日から同年12月20日にかけてライヴツアー「FEEL OF DUNE」を開催[1]。このツアーのセットリストには、のちにメジャーデビューシングルに抜擢される「眠りによせて」が組み込まれている。そしてツアーを終えたL'Arc〜en〜Cielは、1994年初頭からメジャーレーベル、Ki/oon Sony Recordsで2ndアルバム『Tierra』の制作に取り掛かることになる[49]。なお、L'Arc〜en〜Cielはアルバム『Tierra』の制作の合間に、1994年4月3日から同年4月15日にかけてライヴツアー「ノスタルジーの予感」を開催しているが、このツアーはL'Arc〜en〜Cielがインディーズの頃に開催した最後のツアーとなっている[49]。
リリース形態
1993年4月10日に特別仕様ジャケットのスペシャルジャケット限定盤(CD)を通信販売のみで10,000枚限定でリリースした。同年4月27日には、10曲目に「失われた眺め」をボーナストラックとして追加した通常盤(CD)がリリースされている。なお、同年10月21日にはアルバム収録曲の「Dune」「Floods of tears」「As if in a dream」の計3曲のミュージック・ビデオを収録したミュージック・クリップ集『TOUCH OF DUNE』が1万本限定でリリースされている。また、2000年4月5日には、通常盤が再発されている。
2004年4月21日にはメジャーデビュー10周年を記念し、本作の復刻盤『DUNE 10th Anniversary Edition』が1形態(CD)で発表されている。この作品には、インディーズシングルとして発表していた「Floods of tears」のperoテイクのバージョンと「夜想花」の他、音楽専科社発行の音楽雑誌『SHOXX』1993年9月号の特典CDとして発表された、オムニバスアルバム『The Monster Of Shock Age』に提供した楽曲「予感」含めた13曲が収録されている。なお、このアルバムのマスタリングは、エレファントカシマシの作品やGRASS VALLEYのアルバム『STYLE』のマスタリング作業に携わった田中三一(Bernie Grundman Mastering)が担当している。
2023年5月30日には、『DUNE』発売から30年を記念し、メンバー監修の下でのオリジナルマスターテープを使いリマスタリングしたアルバム『DUNE (Remastered 2023)』が発表されている。この作品では、2022年に発表したアルバムリマスター・ボックス『L'Album Complete Box -Remastered Edition-』と同様に、ランディ・メリル(英語版)(Sterling Sound)によるリマスタリングが行われている。また、この作品はスペシャルジャケット限定盤(CD)、通常盤(CD)、アナログ盤(2LP)の3形態で販売されている。スペシャルジャケット限定盤は、1993年4月10日に10,000枚限定で通販のみでリリースされたアルバムのデザインを復刻に近い形で再現したアイテムとなっている。現在は入手困難となっているオリジナル盤同様、今回も10,000枚の限定生産となり、1993年当時に特典として付けていたステッカーも復刻し封入されている。こちらは「Official Fan Club LE-CIEL」または「Digital Fan Club LE-CIEL」の会員のみが購入することができる。また、通常盤は、2004年にリリースした『DUNE 10th Anniversary Edition』のジャケットデザインを踏襲したバージョンで、1993年当時(4月27日リリース)の通常盤に「Floods of tears (single version)」「夜想花」「予感」の3曲を加えた全13曲を収録している。さらに、アナログ盤は、LP2枚組の仕様で前述の通常盤と同様に全13曲を収録。ジャケットは1993年4月27日にリリースされたアルバム通常盤のデザインを踏襲し、3,000枚限定で生産される。ジャケットの中面にはスペシャルジャケット限定盤と同様に、メンバーの写真が掲載され、ブックレットは今回のために新たにデザインされた仕様となっている。ちなみにこのリマスタリングアルバムは、フィジカル発売と同日にダウンロード配信およびストリーミング配信が開始されている。
音楽ライターの伊藤美保は『別冊宝島』のレビューにて、本作について「当時、何やらスゴいのが出た!とバンドマンや関係者からの注目も総ざらいで、筆者が勤めていた"バンやろ"編集部からよくサンプル盤を持っていかれたもんです[54]」と述懐している。また、本作の収録曲に触れながら、伊藤は「今なお健在なラルクの"メンバー力"が、初アルバムであるこの作品から充分に読み取ることができる。sakuraの臨機応変なドラム、"Taste of love"、"Be detstined"で顕著なtetsuの動きまくりのドライヴィング・ベース。これを20代前半の小僧が弾いていたのか!と驚愕させられるkenのスパニッシュ・ギター。"Dune"、"As if in a dream"に代表される楽曲センスとアレンジ能力の高さ。これに加え、あのhydeの顔立ちと声である。(中略)また"Entichers"でのあまりに艶っぽい歌いまわしには、男性リスナーですら溜め息をついたほど。低音ダークネスなhydeがお好みな人には、この初期作品が唯一無二の傑作[54]」と評している。 - 宝島社『別冊宝島1399 音楽誌が書かないJポップ批評47 L'Arc-en-Cielの奇跡』(2007年2月)
なお、歌詞も楽曲構成と同様に、原曲である「Claustrophobia」から変更されている。作詞を担当したhydeは、この曲の歌詞について「一見したら単に明るい表面の裏に、沈んだ自分が重なっている詞を感じてもらえたらいいですね[21]」と述べている。ちなみにこの曲の歌詞には<Shutting from the sky I fallen in to Claustrophobia>というフレーズがあり、原曲となった<Claustrophobia>が登場する。余談だが、「Claustrophobia」は英語で「閉所恐怖症」の意味するワードとなっている。
ニューウェイヴからの影響と透明感や浮遊感を感じることができる[60]、本作以降のL'Arc〜en〜Cielのサウンドに通じるような楽曲[61]。L'Arc〜en〜Cielが発表した楽曲としては、この曲がkenに作曲クレジットが付いた初の音源となっている。また、初めてCDに収められたL'Arc〜en〜Cielの楽曲ということもあり、この曲はバンドの存在を多くのリスナーに知らしめるキッカケになった音源といえる[62]。そのため、hydeはこの曲について「本当の初めの1曲は「I'm in Pain」ではなく、「Voice」かもしれませんね[62]」と述べている。さらに、tetsuyaは「kenが入って、初めての彼の曲。この曲で何かフッ切れた&見えた、思い出の曲[62]」と語っており、メンバーはこの曲を「L'Arc〜en〜Cielのリスタートになった曲」として捉えていることがうかがえる。こういった位置付けの曲であることからか、本作発売前、そして発売以降もL'Arc〜en〜Cielのライヴではスタンダードソングとして頻繁に演奏されている。
ちなみにこの曲は、本作発売以降に開催したライヴで頻繁に演奏されていたが、1998年にメンバーチェンジがあってから、ライヴで演奏されなくなっていった。ただ、2024年に開催されたライヴツアー「ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND」で、1996年に開催したライヴツアー「BIG CITY NIGHTS ROUND AROUND '96」以来約28年ぶりに演奏されている。
そしてtetsuyaは、この曲のベースプレイでスライド奏法を乱発している。tetsuyaは本作発売当時のインタビューで、この曲のベース録りを振り返り「スライドが多くて、指が死にました(笑)。ベースの音は「Taste of love」がいちばんトガってて、この曲がいちばん丸いですね[58]」と述懐している。
また、この曲は「Dune」「As if in a dream」と同様に、ミュージック・ビデオが制作されている。その映像は、1993年10月21日に発表されたミュージック・クリップ集『TOUCH OF DUNE』に収録されている。
ちなみにこの曲は、1996年から1997年にかけて開催したコンサートツアー「CONCERT TOUR '96〜'97 Carnival of True」の後、長きにわたりライヴで演奏されていなかったが、2011年に開催したバンド結成20周年記念ライヴ「20th L'Anniversary LIVE」の初日公演で約14年ぶりに演奏されている。なお、この20周年ライヴでは、インディーズシングルに収録されたバージョンと同様に、イントロでオルゴールの音が流されている。
余談だが、この曲は本作の2曲目に収録された「Voice」と同様に、”L'Arc〜en〜Cielに在籍したドラマー全員が演奏し、それぞれのプレイが公式に音源化されている楽曲”となっている。インデーズシングルに収録されたバージョンは初代ドラマーであるperoが演奏しており、本作に収録されたリアレンジ・リテイクバージョンは2代目ドラマーであるsakuraが演奏している。さらに、前述の結成20周年記念ライヴの音源を収めたボックスセット『L'Aive Blu-ray BOX -Limited Edition-』には、3代目ドラマーであるyukihiroが演奏した音源が収録されている。
作曲を担当したtetsuyaは、この曲の制作を振り返り「ボクの中では2曲あったものを1曲にした[58]」と本作発売当時に述べている。sakuraは、この曲のドラム録りを振り返り「これも(「Floods of tears」と同様に)オレの中になかったもので、どうすればいいのかと思って歌詞を見たら、オレの解釈では、神が見下ろしてるという感じだった。それで見下ろしたイメージと見下ろされた自分の気持ちを交換させながら、表情を出していった[58]」と語っている。また、hydeはボーカル録りを振り返り「(『DUNE』の)全体の中でいちばん、楽しく歌うのをこころがけた曲。というか表面は楽しく、その裏では哀しいんだよっていうのを出したかった[58]」と述懐している。
余談だが、この曲はL'Arc〜en〜Cielの公式作品に収録された楽曲の中で、「I'm in Pain」と同様に、”L'Arc〜en〜Cielに在籍したことがあるメンバー7人全員が演奏したことのある数少ない楽曲のひとつ”となっている。ただ、インディーズ時代にhiroとperoがこの曲を演奏しているテイクは商品化されていない。ちなみにtetsuyaは、2015年7月23日に自身がソロ名義で開催したライヴ「CÉLUXE NIGHT」において、hiro、peroとステージ上で約23年ぶりに共演し[68]、この曲と「I'm in Pain」のセッションを披露している[68]。なお、このソロライヴの模様も現在まで映像化されていない。
さらに、2008年にはパートチェンジバンド、P'UNK〜EN〜CIELとして、kenのディレクションのもとリアレンジしたうえで、この曲をセルフカバーしている。このセルフカバーは、34thシングル「DRINK IT DOWN」に「Dune 2008」として収録されている。このセルフカバーでは、ヘヴィメタル・バンド、アイアン・メイデン風のアレンジが施されている[71]。アイアン・メイデンを意識したアレンジにすることを前提としていたことから、カバーする曲を選ぶにあたりkenは「アイアン・メイデンをやるにはギターにハモリがないとダメだよなと思って、そうなると「Blurry Eyes」か「Dune」かな[71]」と考えていたという。kenが意図したように、このカバーではツインギターのハーモニーが特徴的なアレンジが施されている。
軽快かつ豪快なアコースティック・ギターのサウンドに加え、展開の多さによるドラマティックさが印象的な楽曲[75]。この曲の原曲は、結成メンバーのhiroが作曲を手掛けた楽曲「Call to mind」であり、本作発売前に開催したライヴでも演奏されていたことがある。そして今回アルバムに収録するにあたり、楽曲を構築し直したうえでタイトルも変更されている。なお、作曲者の名義も"L'Arc〜en〜Ciel"に変更されている。この曲の制作を振り返り、hydeは「1曲目(「Shutting from the sky」)と同じように、アレンジでコロコロ変わった曲ですね。詞も、ライヴの時とはサビがちょっと変わってます。内面的なハードさを持った曲ですね[21]」と述べている。
浮遊するようなギターとはかなげなボーカルが印象的な[72]、バンドサウンドで様々な展開を魅せる楽曲。この曲の原型は、作曲者のken曰く、1992年の夏頃にできたという[32]。そして原型ができた後に、当時のメンバーでイントロだけをセッションしている[32]。その後sakuraが加入し、本作のレコーディングを行うにあたり、まず始めにこの曲のセッションが行われている[32]。そのためこの曲は、本作制作前に開催したライヴでは演奏されたことのない、いわば"新曲"となっている。また、本作に収録された「Voice」「Taste of love」「Be destined」「失われた眺め」は、kenが個人的な趣味あるいは、前に組んでいたバンドで作っていた楽曲であったことから、この曲が"L'Arc〜en〜Cielのためにkenが書き下ろした初の楽曲"となった。
この曲のイメージについて、kenは本作発売当時のインタビューで「車に乗りながら聴いてほしいですね。個人的には"新しいもの"を出した曲です[21]」「ソロ・バックのアルペジオと最後のアルペジオが聴きどころですね[32]」と述べている。また、kenはこの曲の着想に関し、2012年に受けた音楽誌のインタビューにおいて「「As if in a dream」っていう曲では高速道路を走ってるときの夜景だったり、そのときの気分を込めながら作曲していた記憶があって[78]」と述懐している。
余談だが、2002年にhydeは、ラジオDJのやまだひさしを交えて、L'Arc〜en〜Cielとメジャーデビューがたまたま同じ年だったGLAYのTAKUROと食事したという[79]。やまだひさしによると、そこでTAKUROがこの曲について「自分が目指していた世界だと感激した[79]」と話していたと、同年に放送されたラジオ番組で明かしている[79]。そしてhydeはその言葉に対し、「これを超える曲は未だに作れていないんだ[79]」と返していたという。また、TAKUROは2004年にラジオ番組『やまだひさしのラジアンリミテッドDX』で行われた「リーダー対談」という企画において、tetsuyaと対談している。そしてこの番組でTAKUROは、「L'Arc〜en〜Cielの楽曲で好きな曲」として「As if in a dream」に加え、「予感」と「winter fall」をあげていた[80]。
失われた眺め
作詞: hyde / 作曲: ken / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel
1993年4月27日に発表された本作の通常盤にのみ収録されたボーナストラック。
シンプルかつ控えめなピアノにのせて、淡々と恋の回想が歌われたような楽曲[81]。この曲は、ボーナストラックという位置付けとなっており、作曲を手掛けたkenはこの曲について「個人的には、この1曲で全然違ったL'Arc〜en〜Cielが見えてくると思うんで…そういう意味でも"ボーナス・トラック"だと思いますね[21]」と述べている。また、hydeは「一応9曲(「As if in a dream」)で完結はするけど、更に大きな終幕がドーンと来る感じで。映画で言うなら、ハッピー・エンドだと思っていたのに、最後に主人公が死んでしまったり、暗く終わると思っていたらハッピー・エンドだった、とかあるでしょう?そういう"オチ"があると思います[21]」と語っている。tetsuyaはこの曲の印象について「ラストを飾るにはふさわしい曲でしょう[32]」と述べている。
この曲は、インディーズシングル「Floods of tears/夜想花」のテイクをそのまま収録したものとなっている。そのためこのテイクは、hyde(Vo.)、ken(Gt.)、tetsuya(Ba.)、pero(Dr.)の4人構成の頃のL'Arc〜en〜Cielがレコーディングした音源となっている。なお、この曲のレコーディングにおいてkenは、クレジットに表記されていないが、ギターの他にキーボードも担当している[83]。
この曲は、インディーズシングル「Floods of tears/夜想花」のテイクをそのまま収録したものとなっている。そのためこのテイクは、hyde(Vo.)、ken(Gt.)、tetsuya(Ba.)、pero(Dr.)の4人構成の頃のL'Arc〜en〜Cielがレコーディングした音源となっている。なお、この曲のレコーディングにおいてkenは、クレジットに表記されていないが、ギターの他にキーボードも担当している[83]。