BAE レプリカ(BAE Replica)は、イギリスのBAEシステムズが計画していたステルス戦闘機。実機は製造されていない。
経緯
レプリカは中止されたイギリス空軍のFOAS(英語版)(Future Offensive Air System)に関連していた。レプリカ計画は知られている限りでは1994年に開始され、1999年には実物大の模型の製作とレーダー反射断面積を測定するための厳格なテストが行われている。2017年以降にパナヴィア トーネードをレプリカで代替することが計画されていたが、その役割は統合打撃戦闘機計画(JSF)に取って代わられることになった[1][2]。
概要
レプリカは、レーダー反射断面積と重量を軽減するための遊動式のV字尾翼を持つ、複座の戦闘攻撃機だった。その設計はノースロップのYF-23や、BAEシステムズ、マクドネル・ダグラス、ノースロップ・グラマンが提案したJSF案に類似していたが、レプリカはそれらのいずれとも無関係である[3]。FOASの要求を満たすために、レプリカは機内のウェポンベイに2,000ポンド(約907 kg)までのレーザー誘導爆弾と、自己防衛用のASRAAM空対空ミサイルを搭載可能なように設計されたと考えられる[4]。レプリカは双発機として設計されたが、計画がモックアップ以降の段階まで進行しなかったため、具体的な搭載エンジンは決定されていない。設計では二次元推力偏向ノズルを有しているが、これは搭載エンジンを特定できるものではない。
2014年の目撃情報
2014年2月、ランカシャー州のBAEウォートン試験工場近辺で、レプリカのテストベッドモデルが輸送されているのが目撃された。この時、このモデルには低視認性コーティングとわずかな構造変更が行われており、上下逆の状態でプラットフォームに取り付けられ、遮蔽された格納庫の中に搬入されていた[2]。
脚注
- ^ “Secret UK stealth plane project revealed”, New Scientist, http://www.newscientist.com/article/dn3590-secret-uk-stealth-plane-project-revealed.html .
- ^ a b “Mysterious BAe replica”, The Avionist, (Feb 25, 2014), http://theaviationist.com/2014/02/25/mysterious-bae-replica/ .
- ^ JSF, http://www.jsf.mil/gallery/gal_photo_cddr_mda-ngc-bae.htm .
- ^ “FOAS”, DoD 101, FAS, https://man.fas.org/dod-101/sys/ac/row/foas.htm .
関連項目