AA-12 は、アメリカ合衆国 のミリタリー・ポリス・システム(MPS)社が製造している、フルオート射撃 が可能な散弾銃 である。
概要
AA-12は、とても珍しいフルオート射撃 が可能な軍 用散弾銃 であり、その発射速度は毎分300発に及ぶが、発砲時の反動は驚くほど少ないものとなっている。これは、MPS社が特許 を持っている特殊なガスシステムに80%の反動が集中するためであり、さらに反動抑制ばね によっても反動の10%が抑制されるため、12ゲージ弾を射撃する際に感じる反動は、通常の10%程度だとされている[ 4] 。
AA-12は、軽機関銃 で一般に見られる、オープンボルト のAPIブローバック方式 で作動する。メンテナンス 性向上のため、設計には大量のステンレス が使用されており、銃の点検の際の掃除はほとんど必要ないとMPS社は説明しているほか[ 5] 、
設計者は、掃除するのは1万発射撃した後で構わないと話している[ 6] 。
ただし、セミオートの機構はないためフルオートでしか射撃はできず、引き金 を引く指の力を調整することによって、セミオート射撃を可能としている。弾薬 は8発の装填が可能なボックスマガジン か、20-32発の装填が可能なドラムマガジン によって供給される。
なお、AA-12と同様にフルオート射撃が可能な散弾銃で知られるU.S. AS12 は、本銃の基本設計をもとにして作られたものである。
開発
ボックスマガジン付きのAA-12
AA-12の原型は、1972年 に銃器設計技師マックスウェル・アッチソンによって「Atchisson Assault-12 」の名称で開発され[ 7] 、その後1987年 にマックスウェル・アッチソンは、テネシー州 に拠点を置くミリタリー・ポリス・システム(MPS)社にAA-12の権利を売った[ 8] 。それからMPS社は、18年に渡り元の設計図から188の設計変更と改善を行い、オープンボルト 方式への変更などがほどこされた。そして、2005年 に現在のモデルが完成し、その名称は「Auto Assault-12 (AA-12) 」とされた。
重量は5.2kgまで軽くされ、全長は966mmまで短くなったが、銃身 長は同じままにされた。CQB モデルの銃身長は約333mmで、通常モデルより半分ほど軽くなっている。
MPS社は他にも、アクション・マニュファクチャリング社やスペシャル・カートリッジ社と協力し、FRAG-12特殊弾とFRAG-12に対応した多機能武器システムを開発している。
弾薬
AA-12は、3インチ長の様々な種類の弾薬 を使用することができる。例えば12ゲージの散弾やスラッグ弾、または非致死性兵器 であるゴム弾 である。
また、高性能爆薬を内蔵したFRAG-12を使うこともでき、1人で持ち運べる自動擲弾銃 として運用することも可能となっている。
採用
2004年 に、AA-12が10丁製造されてアメリカ海兵隊 で評価試験が行われたが、採用されたかどうかは不明である[要出典 ] 。
モア・インダストリーズ社が開発したHAMMER無人防御システムには、2丁のAA-12が2X-40砲塔 に搭載されている[ 9] 。ニューラル・ロボティックス社では、無線 で操作する無人ヘリコプター に2丁搭載している[ 10] [ 11] 。
登場作品
映画
『エクスペンダブルズ 』
エクスペンダブルズの一員であるヘイル・シーザが、レーザーサイト と32連ドラムマガジン 付きのものを使用する。作中では、通常の散弾だけでなく「オマイヤ・カブーン」と呼ばれるスラッグ12に似た架空の小型グレネード 弾も使用しており、命中した敵をバラバラに吹き飛ばす威力を見せる。
『エクスペンダブルズ2 』
ヘイル・シーザが、前作と同仕様のものを使用するほか、PMC の経営者で主人公たちの商売敵であるトレンチが、シーザが使用していたものを借用して、空港 での銃撃戦時などで使用する。
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション 』
前作に引き続きトレンチが使用する。
『プレデターズ 』
主人公である傭兵 のロイスが、ピカティニー・レール とシュアファイア 製タクティカルライト 一体型フォアグリップを装着し、32連ドラムマガジンを付けたものを使用する。
アニメ・漫画
『亜人 (漫画) 』
対亜人特選群隊員「穴熊 」が32連ドラムマガジンを装填したものを使用。入間基地 における亜人との戦闘では、亜人が放出したIBMを連射により配水管 下まで押し戻し、IBMの弱点となる水 を破裂 させた配水管からかけることでIBMを無力化させている。
『嘘喰い 』
死の商人・カールが販売していた。グレネード弾も装填できると銘打っていた。作中テロリストに売りつけたところ少年が的にされ、カールは悔恨の情に駆られる。
『学園キノ 』
Ⅲ巻にてキノがFRAG-12を装填したものを使用。
『仮面ライダーSPIRITS 』
対バダン 戦闘部隊「SPIRITS 」の装備として32連ドラムマガジン付きのものが登場。単行本第16巻にて、SPIRITS副隊長のアンリエッタ・バーキン が再生獣人 に対して使用する。
『寄生獣 セイの格率 』
山岸を筆頭とする対パラサイト 部隊の装備として登場。市役所 での寄生生物掃討作戦時に使用され、多数の寄生生物を倒すことに成功する。
『バイオハザード~ヘヴンリーアイランド~ 』
ソニドデ・トトーガ島に到着したパーカー・ルチアーニを始めとするBSAA欧州本部のSOU部隊が使用。主人公、富永タケルも使用している。
『魔法少女特殊戦あすか 』
魔法少女ウォーナース☆くるみが使用。
ゲーム
『Batman-The Telltale Series』
ハービー・デントとウェイン屋敷で戦う際に、デントが20発ドラムマガジン を持ち込んで使う。
『グランド・セフト・オート・ザ・バラッド・オブ・ゲイ・トニー 』
「オート・ショットガン」の名称で登場する。通常の散弾と榴弾 の2種類の弾薬 が使用可能。
『コール オブ デューティシリーズ 』
『CoD:MW2 』
味方陣営のTF141や敵陣営のロシア 超国家主義派 などが使用する。
『CoD:MW3 』
主人公らデルタフォース の隊員が主に使用する。
『CoD:MW 』
「JAK-12」という名称で「シーズン6」より追加登場する。通常散弾やスラグ弾の他、ドラゴンブレス弾 やFRAG-12弾の換装も可能。
『ドールズフロントライン 』
韓国では別名で「アーイーリー」という。
1は韓国語で[イール]、2は[イー]と発音する。そのためAAを読む時の発音[アー]とイーリーが合成、「アーイーリー」という別名が作られた。
『メダル・オブ・オナー ウォーファイター 』
主人公のNavy SEALs 隊員のスタンプが使用する。
『レインボーシックス シージ 』
ACS12としてGIS のオペレーターであるアリバイ、マエストロが所有する。
関連項目
脚注
外部リンク