7並べ

7並べ(しちならべ、sevens)は、トランプゲームの一つ。多くのトランプゲームの解説本(ホイル)では、チルドレンズ・ゲーム(子供向けのゲーム)として扱われている。また、ファンタンドミノともいう。

ジャンル

ストップ系のゲーム(=ルールに従って場に手札を出し、早く手札をなくすことを競うゲーム)である。

人数

理論上は1人でも20人以上でも可能だが、4 - 10人程度が望ましい。

使用するもの

トランプ一組からジョーカーを抜いた52枚だが、ジョーカーを加えることもある(ワイルドカードとしてのジョーカーは後述)。

ゲームの目的

  • 定められた回数以上にパスをすることなく、誰よりも早く自分の手札をなくすこと。
  • 札が全て揃っているかを確かめるため。
  • 札をマーク別かつ番号順に揃えて片付けるため[1]

レイアウト

ゲームが進むにつれて、場にカードが順に置かれていく。この際カードはスート毎に、ランク順に並べる(Aをランク最小のカードとみなし、以下2、3J、Q、K)。ゲームが終了して全てのカードが出揃うと、スート毎に揃ったAからKまでの列が4列できる。

カードを並べる際、同じスートのカード同士はカードの長辺が互いに接するように置く。また、各スートのカードの列は、カードの短辺側が互いに接するように置く。(図参照)

7並べ

基本ルール

これはあくまでも基本ルールで、日本での公式大会ではこのルールで行っている。

  • パスは3回まで。
  • 出せるカードがあっても出さなくても良い。(3回パスした人は出せるカードがあれば必ず出さなければならない。)
  1. 親は各プレイヤーにカードを一枚ずつ順に、カードがなくなるまで配る。
    この際、ゲームに参加しているプレイヤー数によっては、プレイヤーによって枚数に差がでることがあるが、気にせずゲームを続ける。
  2. カードが配り終わったら、まず前準備として、ランクが7のカードを持っているプレイヤーは、手札からそのカードを取りだし、場に置く。4枚の7は一列に並べて置く。
  3. 7の札が並べ終ったら、ゲームを開始する。ダイヤの7を出した人から(もしくはジャンケン、親から、親の隣からなど様々)順番にプレイする。以下左回り(時計回り)に各プレイヤーの番が回ってくる。

各プレイヤーは、自分の番が来たら、次のいずれかの行動を取る。

  • 手札から一枚カードを場に出す。
  • パスを宣言する。

手札から出せるカードには制限がある。カードを手札から出せるのは、そのカードと同スートで、ランク(数字)が一つ異なるカード、及びそのカードから7までのカードが全て場に出ている場合のみである。(J、Q、Kは11、12、13相当)

このため、場に出ているカードは7から同スートの隣り合うカードへと広がっていく形となる。

例えば今スペードの札が5から9まで場に出ている時、スペードの札で場に出せるのは、4と10だけである。

場に出せるカードを持っていない場合、プレイヤーはパスを宣言する。パスは事前に定められた回数(多くの場合3回)しかできない。(定められた回数)+1回のパスをした(3回パスしても出せるカードがない)時点で負けとなり、そのプレイヤーはゲームから脱落する(ルールの詳細は後述)。

順位

ゲームの途中で脱落しなかったプレイヤーの中で、最初に手札を全て使い切ったプレイヤーが優勝である。以下順に、(ゲームの途中で脱落しなかったプレイヤーの中で)、2番目、3番目に手札を全て使い切ったプレイヤーが2位、3位になる。

ゲームの途中で脱落してしまったプレイヤーの順位は、脱落していないプレイヤーの順位よりも低い。最初に脱落してしまったプレイヤーの順位が最も低く、以下2番目、3番目に脱落したプレイヤーの順位が2番目、3番目に低い。

※順位付けも地方により様々でこの限りではない。

ルールの詳細

戦略的なパス

場に出せるカードがあるにもかかわらず戦略的な理由でわざとパスをしてもよい、というルールが一般的である。

の札を持っているのに、の札をわざと出さずにパスすることを、止めるという。

ゲームの途中で脱落したプレイヤーの手札の取り扱い

ゲームの途中でプレイヤーが脱落したら、そのプレイヤーの手札を全て、場の該当箇所に置いた後、残りのプレイヤーはゲームを続ける。この際脱落したプレイヤーの手札に、現時点では出せないはずの手札があっても、場に並べる。

例えば場にハートの札が3から8まで場に出ている段階で、10を持っているプレイヤーが脱落したとする。このプレイヤーが9を持っていなければ、8の隣りに(将来9を置くために)カード一つ分の間を空けて、10を置く。

誰かが脱落した後のプレイにおいても、手札から出せるカードのルールは変わらない。カードを手札から出せるのは、そのカードと同スートの7の札とそのカード自身とを結ぶ札がすでに場に出ている場合だけである。

例えば今スペードの札が5~8とJとが場に出ている時、スペードの札で場に出せるのは、4と9だけである。10やQは7と結ばれていないので出すことはできない。(ローカルルールによっては出せる場合がある)

オプショナル・ルール

ワイルドカードとしてのジョーカー

ジョーカーを一枚または二枚追加してゲームを行う。ジョーカーはワイルドカードとしての役目を果たす。ジョーカーを持っているプレイヤーは、自分の番であれば任意の時に、通常の札を出す代わりにジョーカーを場に置くことができる。ババ抜きと同じく、最後にジョーカーを持っていたプレイヤーは負けとなる(ジョーカーで上がったりジョーカーだけを残すと反則負けとなるルールもある[2]。)が、前述の通り、プレイヤーの誰かが4回目のパスをして脱落した場合はジョーカーを持っているプレイヤーでも最下位ではない順位となる。

プレイヤー(以下Aと呼ぶ)がジョーカーを置いたら、ジョーカーが置かれた位置のカードを持っているプレイヤーはすぐにその位置のカードを出し、代わりにジョーカーを手札に加えなければならない。ただルールによってはジョーカーを受け取るか任意で選択できるようにしている場合もある[2]

例えば、プレイヤーAがジョーカーを5の位置に置いたら、5を持っているプレイヤーはジョーカーの位置に5を置き、ジョーカーを引き取らなければならない。

プレイヤーAがジョーカーを置くことができるのは、現時点でプレイできるカードの位置だけである。例えばハートのカードが4からJまでしか場に出ていなかった場合、プレイヤーAは2の位置にジョーカーを置くことはできない。ハートでプレイヤーAがジョーカーを置けるのは、3かQだけである。

ジョーカーの位置のカードが出されたら、プレイヤーAの左隣のプレイヤーの番に移る。

ルールによっては、ジョーカーは単独で使わず、場に出したいカードの間を埋める形で使用する。上記の例で言えば、プレイヤーAが2を出したい場合に、4の隣にジョーカー・2の順に並べて配置する。3を持っているプレイヤーはジョーカーの位置にカードを出し、代わりにジョーカーを手札に加えなければならない。このルールでは条件を満たすカードが無いとジョーカーを出せないため、場に出ているカードから一つ飛ばしたカードが無いような終盤にジョーカーを持っていると負けが確定する。

ローカルルールとして、2ゲーム以上続けて行う場合、2回目以降に最初にジョーカーを持つのは必ず前のゲームの敗者(最後までジョーカーを持っていたプレイヤー)とする場合がある。

AKリンク

A/Kは「隣り合った」ランクであるとみなす。すなわち♠の7からKまでが場に出ている時には♠のAを場に出すことが許されるし、♠の7からAまでが場に出ている時には♠のKを場に出すことが許される。

♠のAとKとが場に出ている時、♠のAとKとはつながっているという。

♠の7からKまでが場に出たら、以後順に♠の2,3,4を場に出すことができるし、♠の7からAまでが場に出たら、以後順に♠のQ,J,10を場に出すことができる。

♠の7からKまでが場に出た状態で、♠の6,5,4側にカードをつなげたり、♠の7からAまでが場に出た状態で、♠の8,9,10…側にカードをつなげたりする行為が許されるルールの方が一般的である。

トンネル

AKリンク同様、A/Kは「隣り合った」ランクであるとみなす。とみなす。しかし、♠の7からKまでが場に出た状態で、♠の6,5,4側にカードをつなげたり、♠の7からAまでが場に出た状態で、♠の8,9,10…側にカードをつなげたりする行為を許さない場合、♠のAとKがつながった場合に、♠を止めているプレイヤーが逆に不利となるルールである。ハンゲームではこれをトンネルルールという。

お化け

ゴーストというゲームから入った、日本特有のオプショナル・ルールである。

ゲームからまだ脱落していないプレイヤーはゲームから脱落したプレイヤーと会話してはならない(脱落したプレイヤーはあの手この手で脱落していないプレイヤーとの会話を試みる)。もし脱落したプレイヤーと会話してしまったら、脱落したプレイヤーと会話してしまったプレイヤーとの立場が入れ替わる。脱落したプレイヤーは会話してしまったプレイヤーの手札を使ってゲームに復帰し、逆に会話してしまったプレイヤーはゲームから脱落したものとみなされる。

お化けのルールを採用した場合、どの時点でゲームから脱落したとみなすべきかは難しい。ゲームが終了していた段階で脱落したプレイヤー同士順位の決めに関して固定的なルールはない。

コンボ

2~3人でのプレイ時に戦略性を持たせる為に採用される。

手番にカードを出した際、そこに隣接するカードを手札から連続で出しても良いとする。 例として、自分の手番にスペードの8を出し、更にスペードの9,10,Jを出すというもの。 2枚目以降は1コンボ、2コンボとカウントする。ターン終了時には、コンボ数と同枚数の任意の手札を次プレイヤーに譲渡できる。 (上記の例では、追加分スペードの9,10,J分=3コンボ=3枚譲渡)

センター変更

手札を配り終えた時、各プレイヤーが一斉に7を場に出す代わりに、前のゲームで最下位だったプレイヤーはセンターにしたい数字を1つ選ぶ。そうしたのであれば各プレイヤーは指定された数字を一斉に場に出す[3]。指定された数字のを持っていたプレイヤーを先手とする [4][5]

ジョーカーを選択してはならない。

前のゲームが無い最初のゲームに限り、センターは7である。

歴史

日本の7並べは外国のファンタン(fantan)というゲームが元になっている。ファンタンのルールは日本の7並べとほとんど同じである。ただし、7並べでは事前に7を全て並べてからゲームを開始するのに対し、ファンタンでは場に一枚もカードがない状態からゲームを始める。7の札を持ったプレイヤーは、自分の番が来たときに7を場に出す権利を持っている。誰かが7を場に出したら、皆はその♠の札を7につなげることができる。

ローカルルール

殺しの7並べ

殺しの7並べという名称が一般的だが、陰険7並べ、封鎖の7並べと呼ぶ事もある。

以下、仮にの順に7のカードが並べられているとしてルールの説明をする。

主に以下の二点において通常の7並べと異なる:

  1. 出す事を許されるカードの種類
  2. カードの「死」という概念

殺しの7並べで出すことができる札は、通常の7並べで出せる札よりもずっと多い。各プレイヤーは自分の番が回ってきた時、以下の条件を満たすカードを出すことができる:

  • そのカードに上下左右もしくは斜めに接するカードがすでに場に出ている。

例えば10を出すことができるのは、9、J、10、10、9、J、9、Jのいずれかの札がすでに場に出ている時に限る。

カードXがまだ場に出されていない状態で、カードXと上下左右に接する札が全て場に出ている時、カードXは死んでいるカードと呼ばれる。死んでしまったカードは場に出すことはできない。

手札が全て死んでしまったカードのみになったプレイヤーはゲームから抜ける。通常の7並べと同様、定められた回数以上にパスをしたプレイヤーはゲームから脱落する。全員がゲームから抜けるか脱落するかした段階でゲームは終了である。

勝敗

脱落していないプレイヤーの中で、手札として持っている死んでしまったカードの枚数が最も少ないプレイヤーが優勝である。二人のプレイヤーが持っている死んでしまったカードの枚数が同じ時は、先にゲームから抜けたプレイヤーの方が順位が高い。

通常の7並べと異なり、(死んでしまったカードの枚数が同じでない時は)、いつゲームから抜けたのかにかかわらず順位が決まることに注意されたい。

ゲームから脱落してしまったプレイヤーの順位の決め方は、通常の7並べと同じである。

隅や角にあるカードの取り扱い

場の外側は「壁」で囲まれているものとみなし、隅や角にあるカードはそれぞれ3方向、2方向を囲まれたら死んだものとみなす。

例えば8は、7、9、8が場に出そろった段階で死に、Aは、2、Aが出そろった段階で死ぬ。

死の定義に関するもの

死の定義に関して以下の2種類の地方ルールがある。

  • 上下左右全てが囲まれなくとも、左右のみ出そろった段階で死んだとみなす。
  • 3枚以下のカードが一辺に囲まれた場合、囲まれたカードは全て死んだものとみなす。

第2のルールを例で説明する。例えばA、4、2、3、2、3が出そろった段階で2、3は両方とも死ぬ。

死んだ札の取り扱いに関するもの

手札として保管せず、死んだ段階で、場の札とまざらないように自分の真下に置いておく。表向きに置く、というルールと裏向きに置くというルールとがある。

慣用句

通常の7並べで8を持って邪魔する人から転じて、買う気もないのに物を無駄に取り置きしたり、大して興味のない他人に独占欲を抱く人のことを「エイトキーパー」と呼ぶ。

脚注

  1. ^ したがって遊びの最後に行なうことが多い。
  2. ^ a b STU48の7ならべ ヘルペディア”. stu48sevens.jp. 2022年7月10日閲覧。
  3. ^ ハンゲーム 7ならべ” (2004年4月15日). 2023年10月12日閲覧。
  4. ^ 【GW企画】足を引っ張り合ってトップを目指す『7並べ』【複数人実況】” (2018年5月4日). 2024年3月12日閲覧。
  5. ^ 11分43秒を参照

関連項目