黒瀬 珂瀾(くろせ からん、1977年7月22日 - )は、日本の歌人・僧侶。
人物・来歴
大阪府豊中市生まれ。大阪星光学院高等学校卒業後、大阪大学文学部比較文学専攻卒、同大学院文学研究科修士課程修了。在学中は京都大学短歌会に参加した。
師・春日井建の影響を強く受けた耽美的世界観が特徴的だった初期の歌風から、岡井隆の影響が濃い修辞主体の写生的な作風に変貌しつつある。また、オタク文化を始めとするサブカルチャーに造詣が深いことでも知られる。映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』の俳句監修を担当した。第五回まで開催された文学フリマ金沢の実行委員も務めていた。浄土真宗本願寺派の僧籍を持ち、富山県富山市の寺院願念寺の住職。富山市在住。
妻は大阪大学准教授の鈴木暁世(比較文学)。
経歴
- 13歳より短歌を始める。
- 1995年:三宅千代が編集する中高生向けの短歌雑誌「白い鳥」に入会。
- 1996年:中部短歌会に入会。春日井建に師事する。
- 1997年:歌壇賞候補。
- 1998年:中部短歌新人賞受賞。
- 1999年:短歌同人誌「鱧と水仙」同人になる。
- 2000年:岩波書店の雑誌「へるめす」が主催する詩・短歌・俳句などのジャンル横断研究会「乱詩の会」に参加。
- 2003年:歌集『黒耀宮』で第11回ながらみ書房出版賞受賞。
- 2003年:超結社歌会「白の会」を結成。
- 2004年:中部短歌会を退会。同年から2006年3月まで、読売新聞「OTAKUニッポン」にて「カラン卿の短歌魔宮」を二年間連載する。
- 2005年:石川美南、今橋愛、高島裕、正岡豊、生沼義朗、玲はる名と短歌誌[sai]を創刊。
- 2006年:未来短歌会に入会。俳句出版のふらんす堂HP上で「街角の一首」を一年間連載する。
- 2011年:ロンドンに1年間在住する。
- 2012年:10月より、歌誌「未来」選者に就任[1]。
- 2016年:歌集『蓮喰ひ人の日記』で第14回前川佐美雄賞受賞[2]。第二回文学フリマ金沢の実行委員の一人になる。
- 2017年:「NHK短歌」選者。
- 2018年:北日本新聞にて「とやま文芸散歩」を担当。
- 2020年:読売新聞「読売歌壇」選者。
- 2021年:第38回とやま賞受賞[3]。歌集『ひかりの針がうたふ』で第26回若山牧水賞受賞[4]。
著書
単著
共著・編著
メディア出演
参考文献
- 短歌ムック『ねむらない樹』vol.6 特集:黒瀬珂瀾(書肆侃侃房、2021年2月刊行) ISBN 978-4863854420
- 自筆年譜、自伝的エッセイ「うたのタイムトンネル 短歌と僕の20年」、自選百首収録
脚注
外部リンク