高岡 浩三(たかおか こうぞう、1960年3月30日 - )は、日本のビジネスプロデューサー、作家、実業家、Yahoo!オーサー。ネスレコンフェクショナリー代表取締役社長、ネスレ日本代表取締役社長兼CEO[2] を歴任。2014年より、マーケティングの神様“フィリップ・コトラー”が中心となったワールド・マーケティング・サミットにて、日本のカウンシル代表を務める。大阪府堺市生まれ。神戸大学経営学部卒業。
概要
大阪府堺市生まれ。大阪府立生野高等学校、神戸大学経営学部 経営学組織論を卒業[1][3]。
1983年(昭和58年)ネスレ日本株式会社に入社(営業本部東京支店)。各種ブランドマネジャー等を経て、30歳で同社史上最年少部長に昇格。ネスレコンフェクショナリー株式会社マーケティング本部長として「キットカット」受験キャンペーンを成功させる。受験生のお守りとして「きっと勝つ」という語呂合わせをした「キットカット」は一世風靡を浴びた[1]。
2005年(平成17年)ネスレコンフェクショナリー株式会社代表取締役社長に就任。2010年(平成22年)ネスレ日本株式会社代表取締役副社長飲料事業本部長として新しいネスカフェ・ビジネスモデルを提案・構築。利益率の低い日本の食品業界において、新しいビジネスモデルを追求しながら超高収益企業の土台をつくる。同年11月、生え抜きの日本人社員として初めてネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)に就任。コーヒーマシンを無料でオフィスに貸し出し、専用カプセルの定期購入などで代金を回収する全く新しいビジネスモデル「ネスカフェ アンバサダー」を立ち上げ、インスタントコーヒーをオフィス市場に持ち込んだ[1]。
4年連続で右肩上がりにさせる。「カフェ・イン・ショップ」2年半年で2000店舗。「ネスレシアター」1年半で2000万人が視聴。「ネスカフェ アンバサダー」2年半で18万人。「キットカット ショコラトリー」1年半で6店舗20億円。スイス本社から「ジャパンミラクル」と称賛されるほど同社を急成長させた[4]。
2013年(平成25年)初の著書『逆算力 成功したけりゃ人生の〆切を決めろ』が発売。2014年(平成26年)に「ネスカフェ アンバサダー」で『2014年日本マーケティング大賞』を受賞。同年『第41回ベストドレッサー賞(政治・経済部門)も受賞[1]。
2020年(令和2年)60歳の定年を機にネスレ日本㈱代表取締役社長兼CEOを退任。スイス本社から、もう5年社長をという話もあったが65歳になってからでは遅いと考え、ビジネスプロデューサーとして再始動。企業のDXを支援する「ケイアンドカンパニー」(兵庫県西宮市)を設立し、代表に座った[5]。同年10月「イノベーションスクール」を開講[6]。2021年(令和3年)イノベーション創出のためのオンラインサロン「アンカー・デジタル・イノベーション・サロン」を開設した[7]。さらにサッカー元日本代表の本田圭佑らと起業家支援のファンドをつくった[8][9]。
現在はネスレ時代に構築したイノベーション創出のノウハウを日本に広げることをセカンドキャリアに選択。ケイアンドカンパニーの代表として、様々な企業や団体にビジネス・プロデュースのアドバイスを提供する。経済同友会幹事、医療・福祉ビジネス委員会副委員長、日本インスタントコーヒー協会会長、早稲田大学ビジネススクール国際諮問委員、テアトル東京アカデミー(株)社外取締役、株式会社サイバーエージェントの社外取締役[1][10]。
略歴
人物
- 高岡が10歳のとき父親が42歳で亡くなった。10歳で喪主を務めた。葬式の夜に実は祖父も42歳で亡くなったことを知る。その日から「自分の人生も42歳で終わるのかもしれない」と考えるようになった。会社に入ってたった20年で何かをしなければいけない、早く夢を実現させたいため実力主義の外資系企業を視野に入れ、ネスレ日本の門を叩いた[13][14]。
- 現在、高岡の未来へ遺したい夢は「健康寿命に貢献する」である[14]。
仕事術
- 信念として「思いついたことの98パーセントは実行せよ!」「リーダーは、自分の考えたこと、主張したことを「やって見せる」のが最低条件になる」「イノベーションとは、思いつきを行動に起こすか起こさないかである」[1]
- 仕事術として「考える時間をものすごく持とう」がある。ネスレ日本時代、社員に「仕事と作業は分けてくれ。そして、仕事をしてほしい」と求めた。考えることが仕事であって、作業はできるだけ省いていくのがマネジメントの役割。書類は3枚以上高岡に見せるなというルールをつくった。そして2011年に『イノベーションアワード』を創設した。グランプリに選ばれたアイデアが、翌年の会社の戦略になり、考えた本人が高岡の直轄するプロジェクトリーダーになる。そうすることで社内にモチベーションが高まった。結果的に年間5000件を超えるアイデアが届くようになった[4]。「カフェ・イン・ショップ」のアイデアは、このアワードに応募した契約社員の女性の案がきっかけとなった[15]。
- いま日本にはリノベーション(改修)じゃなくてイノベーション(発明)が必要だ。イノベーションとは「顧客が認識していない問題」あるいは「解決できるはずがないと諦めている問題」を解決すること。「顧客が認識している問題」を解決するのは、リノベーションにすぎない[4][13]。
- 41歳のときにスイスの本社からキットカットのマーケティング責任者を託された。1~2月の売れ行きが好調だというデータのある九州地方では、方言の「きっと勝っとお」に聞こえるため、受験生の縁起担ぎになっていることが判明。これをヒントに、2003年から受験生応援キャンペーンなどを展開。結果、売上が延び、5年で利益率5倍というミッションも達成した[14]。
出演
テレビ
インターネット放送
書籍
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k Yahoo!オーサー「高岡浩三」
- ^ “ネスレ日本 社長兼CEO交代”. 食品産業新聞社. 2020年2月12日閲覧。
- ^ “日経 私の道しるべ 高岡浩三”. 日経新聞. 2019年1月1日閲覧。
- ^ a b c 【日経ビジネス】元ネスレ高岡氏「顧客の問題が見つかれば、5倍の価格でも売れる」
- ^ 元ネスレ高岡浩三氏単独インタビュー「DXがヒットの形を変える」
- ^ ノウハウは引き継げるか? ネスレ高岡浩三が始めた新しい学校
- ^ 【イノベーションを実現するデジタルイノベーションサロン開設】元ネスレ日本代表の高岡浩三氏がコンテンツプロデューサーに
- ^ イノベーションを語る「高岡浩三」
- ^ 【Forbes】本田圭佑、高岡浩三、溝口勇児──異色の3人が、新たなファンドを立ち上げたワケ
- ^ 講演会講師「高岡浩三」
- ^ a b c d e f g h i j サイバーエージェント取締役「高岡浩三」
- ^ “第24回国際女性ビジネス会議”. ewoman, Inc.. 2020年9月27日閲覧。
- ^ a b 【新R25】「君らの世代は給料安いでしょう…?」伝説のマーケターが教える、成功のため“考え抜く”スキル
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q テレビ出演一覧「高岡浩三」
- ^ 経営とは、マネジメントではない。マーケティングである。——ネスレ日本 代表取締役社長兼CEO 高岡 浩三氏
- ^ ジャパンミラクルで大躍進! 外資系食品企業のイノベーション戦略 - テレビ東京 2017年9月28日
関連項目
外部リンク