|
この項目では、岐阜県高山市にあった映画館について説明しています。長野県伊那市にある映画館については「伊那旭座」をご覧ください。 |
高山旭座(たかやまあさひざ)は、かつて岐阜県高山市に存在した映画館。日本初の複合映画館とされることがある[2]。オスカー・ミラノ館とウェスト・サウス館に計4スクリーンを所有。2014年8月時点で飛騨地方唯一の映画館であった[2]。
データ
- 所在地:岐阜県高山市三福寺町359-1(現在のファミリーストアさとう三福寺店の位置[3])
- 支配人:牛丸昭則(閉館時[2])
- 座席数
- オスカー1(スクリーン1):100席
- ミラノ2(スクリーン2):130席
- ウエスト3(スクリーン3):120席
- サウス4(スクリーン4):120席
歴史
1950年代、吉城郡古川町金森にあった芝居小屋・旭座[注 1]を引き継ぎ、映画館・古川劇場が開館した[注 2]。その後、古川劇場は古川町壱之町の新栄会館[注 3]と統合、古川町に唯一最後まで残った映画館・旭座として存続したが、1984年に高山市内に移転の形で進出することとなった[2]。旭座が移転するまでの高山市内には1980年代まで、「有楽座」「京極大映」という2つの映画館が、長らく存在していた[注 4]。
1984年12月、2スクリーンを持つ複合映画館として高山旭座が開館。数十台分の駐車場を持ち、複数の映画を同時に上映できるシネマコンプレックス[注 5]の先駆けとして、日本中の映画業界関係者から注目を集めた。開館当時7歳だったラジオパーソナリティの都竹悦子(高山市出身)は、当時ロードショー上映されていたジョー・ダンテ監督作『グレムリン』(配給ワーナー・ブラザース、日本公開1984年12月8日)を観たという[6]。
1998年7月、オスカー・ミラノ館の南側にウェスト・サウス館を新設し、4スクリーン体制となった。2000年代に入ってからも『ハリー・ポッターと賢者の石』(監督クリス・コロンバス、配給ワーナー・ブラザース、日本公開2001年12月1日[7])などのヒット作を輩出し、最盛期には年間来館者数が10万人を超えた[2]。高山市出身の映画プロデューサー・益田祐美子は、『築城せよ!』(監督古波津陽、配給東京テアトル)が上映された2009年9月12日[8]と、『瀬戸内海賊物語』(配給松竹、2014年5月31日封切)が上映された2014年7月19日[9]に舞台挨拶を行っており、後者の上映時には同作の監督である大森研一や高山市長(当時)の國島芳明も同伴したという[9]。またフジテレビ所属のテレビディレクター・松山博昭(高山市国府町出身)は、自身も演出に携わったテレビドラマ『LIAR GAME』の映画版『LIAR GAME ザ・ファイナル・ステージ』(配給東宝、2010年3月6日封切)上映中の2010年4月29日に旭座で舞台挨拶を行っている[10]。
2009年にはジェームズ・キャメロン監督の『アバター』(配給20世紀フォックス、日本公開2009年12月23日)が3D映画ブームを生んだが、高山旭座は3D映画上映設備を有しておらず、他のシネコンに観客を奪われる要因の一つとなった。2013年には全スクリーンのデジタル化を行ったが、富山市や岐阜市にできたシネコンの影響で観客数が減少し、2014年6月に閉館を発表[2]。同年8月31日を予定していた閉館日は1日延ばしの9月1日となり、同日夜9時35分終映の『レ・ミゼラブル』を最後に30年の歴史にピリオドを打った[1][2]。
2015年3月26日、劇場跡地にスーパーマーケット「ファミリーストアさとう三福寺店」がグランドオープンした[11][3]。
脚注
注釈
出典