香取 俊介(かとり しゅんすけ、1942年9月22日 - )は、日本の脚本家、ノンフィクション作家。「異文化摩擦」「異文化コミュニケーション」をメインテーマとして執筆している。
経歴
東京府(現東京都)八王子市出身。東京都立国立高等学校を経て東京外国語大学ロシア語科卒業後、NHKに入局。報道局外国放送受信部に所属し主にソ連(現ロシア)の国内放送やタス通信等の傍受にたずさわる。当時は共産圏に自由に記者を送ることが難しく、資本主義圏と共産圏の間には、鉄のカーテンがあるなどと言われた。従って共産圏の情報をとるには、国内のラジオ放送(モスクワ放送)や国営タス通信の傍受に頼ったりしていた。
外国放送受信部には内閣調査室(当時)の資金が流れているとして国会でも問題となった。このころから鉄のカーテンも軟化し、特派員を比較的容易く送れるようになり、外国放送受信部の使命は終わったとして廃部となった。
廃部に伴い番組制作局ドラマ番組班に異動。主に脚本家の原稿取りの業務に従事。門前の小僧習わぬ経を読むではないが、市川森一氏や早坂暁氏、橋田壽賀子氏等トップクラスの一流脚本家と接するうち、脚本術を会得。1980年に退職し、フリーの脚本家、ノンフィクション作家、小説家として活動。今に至る。[1]
日本放送作家協会理事。脚本アーカイブズ推進コンソーシアム監事。日本脚本家連盟会員。
作風
ホームドラマを中心に、刑事ドラマ、文芸ドラマ、時代劇、昼の帯ドラマ、単発ドラマ、ラジオドラマなど、多くの放送脚本を執筆。その後、ノンフィクションの分野に進出。「異文化摩擦」と「映画・芸能」関連がメインテーマ。小説、戯曲も執筆。
作品リスト
小説
- 隣の男(小説集・皆美社、デビュー作)
- 裂けた家族(講談社、テレビドラマ化)
- Jの影(角川書店)
- 山手線平成綺譚(短編集・東京創元社)
- 湯布院温泉・殺意の帰郷(廣済堂出版、テレビドラマ化)
- 謎・第三の男(学陽書房)
- ロシアンダイアモンド(徳間書店)
- いつか見た人(連作短編集・双葉社)
- 渋沢栄一の経営教室(日本経済新聞出版社・田中渉共著)のち文庫化
※以下はペンネーム『鏡京介』で出版
世界名作劇場シリーズ・ノベライズ
※以下はペンネーム『玉川散歩』で出版
- キャンパスはミステリー(廣済堂出版・共著)
- 夏の終わりの三重殺(廣済堂出版・共著)
- 殺意の後奏曲(廣済堂出版・共著)
※その他、「ひとことゆうこ」他複数の女性ペンネームでロマンス小説等々執筆。
ノンフィクション
- もうひとつの昭和(講談社)
- モダンガール 竹久千恵子という女優がいた(筑摩書房)
- アイラブ・ジャパン 日本で生きる外国人妻たち(サイマル出版会)
- マッカーサーが探した男(双葉社)浜本正勝伝
- やっぱりヘンなニッポン 日本に暮らす外国人たちの「ニッポン論」(双葉社)
- テレビ芸能職人(朝日出版社・箱石桂子共著)
- 今村昌平伝説(河出書房新社)
- 子役という仕事(ジュリアン)
- 北京の檻(文藝春秋・鈴木正信共著)
- すべては脚本・シナリオから始まる!(学陽書房)
- 図書館・アーカイブズとは何か(藤原書店)、論考を寄稿
- 戦争・ラジオ・記憶(勉誠出版)、論考を寄稿
連続テレビドラマ
テレビドラマ(単発)
ラジオドラマ
舞台脚本
- ぼくの細道 (新東京倶楽部)
- ハムレットを討て! (劇団1プラス1)
- 有栖川・間違い通り (東京コメディ倶楽部)
- モダンガール (劇団銀河。原作・脚本・演出)
- メアリーという名の姉 (劇団銀河。脚本・演出)
- 平成版・せつない話 (東京コメディ倶楽部)
- 百年の女 (一人芝居)
- チバリヨ (ハンセン病ミュージカル。作・演出)
- ベンチ (劇団レクラム舎、短編オムニバス公演)
- ホテル家族 (劇団かに座)
構成台本
映画台本
ウェブコンテンツ
- 土方歳三(ファン+ 角川書店とNTTのウェブマガジン、計10回連続)
- 昭和エロ・グロ・ナンセンス(朝日新聞WEBRONZA長期連載中)
その他
- インタビュアー・聞き手として『夕刊フジ』に自伝連載(40回前後)。
- 対象者:渡辺美佐子、林隆三、大竹まこと、伊東四朗、三田佳子、十朱幸代、大和田伸也、他。
脚注
外部リンク