鉄芽球性貧血
鉄芽球性貧血(てつがきゅうせいひんけつ: Sideroblastic anemia)とは、鉄が有っても使うことが出来ずに起こる貧血。 概念骨髄異形成症候群の一種。FAB分類の「環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)」の事。WHO分類第4版での「鉄芽球性不応性貧血」に相当するが、この場合は後述する先天的にヘム合成酵素の異常が認められた場合や、鉛・薬物などの原因が特定されたものは除外される[1]。 病態赤芽球内のミトコンドリアにおいて、鉄を利用してヘモグロビンを合成する過程に異常がある。 分類
原因先天的なものと後天的なものがある。後天的な鉄芽球性貧血では、原発性のもの(骨髄異形成症候群など)と続発性のものがある。続発性鉄芽球性貧血の原因として、白血病、関節リウマチなどの基礎疾患によるものとクロラムフェニコール、鉛中毒、慢性アルコール中毒などの薬物性、中毒性のものがある。 症状正常なヘモグロビンが出来ずに貧血に陥る。 合併症鉄が利用できないため、鉄過剰症を引き起こす。軽度の黄疸も起こる。 検査
診断骨髄塗沫標本で環状鉄芽球が全赤芽球の15%以上を占める場合、本症と診断する。但し他の血球系に異常が認められれば骨髄異形成症候群の「多系統異形成を伴う不応性汎血球減少症」と診断し、本疾患からは除外される[1]。 治療
予後慢性に進行し、ピリドキシンに反応しない場合は難治性となる。長期にわたると鉄過剰症が進行し、それによる肝機能障害や心不全などの危険性が高まる。 診療科脚注
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