株式会社酒悦(しゅえつ)は、漬物・佃煮・惣菜を手がける食品製造販売業者。1675年(延宝3年)創業で、福神漬、のり佃煮、くきわかめ(佃煮)の初祖メーカーとしても知られている。1983年に東洋水産のグループ会社となっている[1]。本社所在地は東京都港区、本店所在地は台東区上野。
歴史
1675年(延宝3年)、伊勢国山田出身[2]の野田清右衛門が本郷に「山田屋」を開いたことをもって創業とする[3]。当初は伊勢(あるいは東海地方[2])から取り寄せた海産物を扱っていた[3]。
のちに、寛永寺門前の上野池之端に移転[3]。酒の肴となる珍味類(うにやこのわた、海苔、香煎[2])も取り扱うようになった[3]。「酒悦」の屋号は輪王寺門跡[注釈 1]から賜ったものとされる[3]。
福神漬は、1878年(明治10年)頃に15代当主の野田清右衛門によって発明されたとされる[2]。
しかしライバルの桃屋に市場を奪われ経営が悪化し、1977年(昭和52年)に経営破綻した[5]。
一説には、設備投資に関する借金の金利負担を軽減するため、1973年(昭和48年)に始めた低価格品への参入が、かえってブランドイメージを悪化させるなど経営に悪影響を及ぼしたとされる[6]:84-85。その後1983年(昭和58年)に東洋水産が同社を傘下に収め現在に至っている[1][5]。
脚注
注釈
- ^ 公式サイトには「東叡山輪王寺の御門跡白川宮」とある[3]。東叡山寛永寺貫主・日光輪王寺門跡を務めた人物として輪王寺宮公現法親王(明治以後北白川宮能久親王)がいる。「北白川宮」は巷間「白川宮」と記されることもあった[4]。
出典
外部リンク