辰 (たつ、しん)は、十二支 のひとつである。通常十二支の中で第5番目に数えられる。
前年は卯 (う)、次年は巳 (み)である。
概要
辰年は、西暦 年を12で割って8が余る年が辰の年 となる(日本では新暦 1月1日に始まるが、中国では旧暦 1月1日に始まる)。なお、年を表す時の別名は執徐 [ 1] 。
辰の月は旧暦 3月(概ね新暦 4月 )。
辰の刻 は午前8時を中心とする約2時間。
辰の方は北基準右廻り120°(南東よりやや東、東南東よりやや南、南東微東よりやや東)の方角 である。
基本性質の五行 に関しては諸説があり、古典などでは春季に属することから木気(土用時は土旺)とされていたり[ 2] 、後世の一部識者などの考察では土気に属する(根拠や裏付けは不明)といった説などが存在している[ 3] [ 4] 。
蔵干 は本気が戊 、中気が癸 、余気が乙 。
陰陽 は陽である。
なお、現在の暦 では辰年は通常閏年 となっている (他に子年、申年も同様)。辰年で閏年にならない年は、前回は1700年 、次回は2300年 であり、必ず干支 は庚辰 となる。
伝承
『漢書 』律暦志によると辰は「振」(しん:「ふるう」「ととのう」の意味)。草木の形が整った状態を表しているとされる。
後に覚え易くするために神話動物の竜 が割り当てられた。東南アジアではナーガ [ 5] 、ペルシャではクジラ や大海蛇[ 6] [ 7] 、グルン 族の十二支では鷲、トルコでは魚やワニ等の動物に置き換えられている。アンタレス を象徴するともされる[ 8] 。
相場格言に「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」があり、辰年の相場は俗に上昇相場と言われる[ 9] 。
辰を含む干支
ウィキメディア・コモンズには、
辰 に関連するカテゴリがあります。
戊辰 (1の位が8の年)
庚辰 (1の位が0の年)
壬辰 (1の位が2の年)
甲辰 (1の位が4の年)
丙辰 (1の位が6の年)
その他
文化大革命 の際には、ジャイアントパンダ を代わりに十二支として設定しようとする動きもあり、南京町 が十二支像を中国に発注した際に亥 (猪 )像の代わりにパンダ像が手違いで届いた原因ともされている[ 10] 。
脚注
出典
^ “辭典檢視 [執徐 : ㄓˊ ㄒㄩˊ] ” (中国語). 教育部《重編國語辭典修訂本》2021 . 2024年3月8日 閲覧。
^ 余春台『窮通宝鑑』
^ 三木照山『四柱推命学の完全独習』
^ 稲田義行『十二支読本』
^ “Year of the Dragon – Naga – Thai Zodiac ”. Thai Guide to Thailand. 2017年7月8日時点のオリジナル よりアーカイブ。2017年6月9日 閲覧。
^ Rasulid Hexaglot. P. B. Golden, ed., 2000年, The King's Dictionary: The Rasūlid Hexaglot – Fourteenth Century Vocabularies in Arabic, Persian, Turkic, Greek, Armenian and Mongol, tr. T. Halasi- Kun, P. B. Golden, L. Ligeti, and E. Schütz, HO VIII/4, Leiden
^ Jan Gyllenbok, 2018年, Encyclopaedia of Historical Metrology, Weights, and Measures, Volume 1, 244頁.
^ Richard S. Cook (Spring 1997). “The Etymology of Chinese Chen” . Linguistics of the Tibeto-Burman Area (カリフォルニア大学バークレー校 ) 18 (2): 250. Fall 1995. ISSN 0731-3500 . LCCN 82--64081 . OCLC 4790670 . http://linguistics.berkeley.edu/~rscook/socrates/public_html/html/LTBA-18.2.html .
^ 金融市場 NOW, 2013年12月19日, 金融市場NOW Financial Market Review vol.121 (PDF), Financial Market Review, Vol.121, ニッセイアセットマネジメント , 2020年1月13日閲覧。
^ R&S, 2005年12月30日, 十三番目の干支はパンダだった!? , エキサイトニュース, エキサイト
関連項目