見聞諸家紋

見聞諸家紋掲載の家紋の例
進士氏・丸に頭合わせ三つ五三桐)

見聞諸家紋』(けんもんしょかもん)は、日本武家家紋を集録した家紋集で[1]、家紋を集録した書物としては日本最古のものである[1][2]。『見𥹢諸家』(「𥹢」は聞の異体字。米部に耳)とも書く。別名『東山殿御紋帳』ともいう[1]

概要

室町幕府8代将軍足利義政の頃、将軍家を初め守護大名から国人層に至るまで諸家の家紋260ほど[1]を次第不同に集録した古書で、現代には計28冊の写本が伝わっている[2]。そのなかには、新井白石によるものがあり、宮内庁諸陵部に所蔵されている[3]

『見聞諸家紋』の成立時期とその背景は、所載されている諸家の内、官職姓名の明記された人物の没年月日を詳細に調べると、応仁末年(1467年)から文明2年(1470年)までの間に成立したと推定される。さらに官姓名まで記載された武将及び被官人のほとんどが、応仁の乱において、将軍義政を奉じた東軍に属していることが論証される。『見聞諸家紋』は、東軍に加わるために各国から上洛してきた諸家の陣幕などを見聞し、それに幕府の評定衆奉公衆などを加えて掲載している。[4]

脚注

  1. ^ a b c d けんもんしょかもん【見聞諸家紋】”. 日立ソリューションズ 世界大百科事典 第2版. 2013年1月25日閲覧。
  2. ^ a b 秋田四郎 「「見聞緒家紋」群の系譜」、弘前大学國史研究会編『弘前大学國史研究(99号)』、弘前大学國史研究会、1995年[1][2]
  3. ^ 歴史資料調査会編『見聞諸家紋』百年社新人物往来社1976年
  4. ^ 新人物往来社編『日本紋章総覧』(歴史読本19巻15号 臨時増刊 歴史百科シリーズ)、新人物往来社1974年[3]

関連項目

外部リンク