臼太鼓(ウスデーク)は、沖縄本島、その周囲の島々にて女性だけが行う、神に豊年満作を祈願する円陣舞踊。謡と太鼓に合わせて10曲程を踊る。
現在では、沖縄本島を中心に約60か所ほどで伝承が確認されている。また、比較的旋律を長く伸ばして歌う曲が多いことが特徴。
本項では、沖縄県名護市嘉陽地区の臼太鼓について解説する。
名護市 嘉陽地区の臼太鼓
沖縄県名護市嘉陽地区では、毎年、旧暦の8月15日に遊び庭(アスイマー)で行う。初めに、旧暦の8月11日に天仁屋殿内(ティンナドゥンチ)にて、酒や果物を供え、豊年、厄払いの祈願をした後、奉納の踊りをする。踊り手は老人女性や婦人で、古くから継承されている。衣装は、紺地の着物に、水玉手ぬぐいを前結びに鉢巻をして、紫帯を前結びに締めている。 太鼓は、戦前は締太鼓が使われていたが、現在は、鋲留め太鼓が使われている。
起源
起源は明らかにはなっていないが、かなり古くから続いている歴史ある行事である。
曲目
嘉陽地区の臼太鼓で、現在まで残り上演されている曲は、9曲ある。
- 入場曲
臼太鼓の冒頭で、円陣を作る際に歌う。
- 踊り曲
- 金武節(きんぶし)
- 干瀬節(ひしぶし)
- 思や木(うむやぎー)
- 仲村渠節(なかんかりぶし)
- 東駒節(ひがしくまぶし)
- 恩納節(おんなぶし)
- 退場曲
- ちらし曲
退場後に再び円陣を作り踊る。
脚注
参考文献
- 名護市史編さん委員会(編)『名護市史』名護市役所〈本編8 芸能 資料編〉、2012年5月15日。 NCID BB12020017。
- 小林公江、小林幸男『沖縄県名護市嘉陽の臼太鼓』2015年3月15日。