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ヤコポ・ダ・ポントルモ 『洗礼者聖ヨハネの誕生 』ウフィツィ美術館 (フィレンツェ )
聖ヨハネの日 (せいヨハネのひ)は、キリスト教 の聖名祝日 である。
概要
洗礼者ヨハネ (バプテスマのヨハネ)の誕生日 とされる6月24日で、正教会 、カトリック [ 1] 、聖公会 、ルーテル教会 それぞれの祭日 となっている[ 2] 。イエス・キリスト の半年前に生まれたとされるため[ 3] 、クリスマスの半年前の6月24日に誕生日が定められた[ 4] 。 キリスト教で、誕生日が聖名祝日となっているのは、イエス・キリスト、聖母マリア 、そしてこの洗礼者ヨハネの3名だけである。イエスに先駆けた洗礼者ヨハネは、聖人 の中でも特別な存在である[ 2] 。ヨルダン川 で人々に洗礼 を施し、イエスにも洗礼を施したため、正教会では「前駆授洗者」(前駆授洗イオアン)と呼ばれる[ 4] 。 大天使ガブリエル から、母エリサベツ が受胎告知 をされたように、聖霊 によって生まれ、無原罪 であったことがおもな理由とされる[ 2] 。
あなたの妻エリザベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。
(
新共同訳聖書 ルカによる福音書 第一章13-17)
夏至祭との関連
フィレンツェのフットボール
ケベック州モントリオール のパレード
キリスト教受容前のヨーロッパ は、夏至 の時期に祝祭が行われていた。そのMidsummer Day と、聖ヨハネの誕生日とが結びついたこの日は、夏のクリスマスとも呼ばれる。太陽 が夏至 で頂点に達した後、冬至 に向けて日が短くなるため、この祭には、太陽に力を与えるたき火 が付き物であり、また、その火によって今後を占ったり,火の周りを踊ったりして、健康と幸福を祈る[ 2] 。 このたき火のことをボーンファイアー(bonfire)という。その名がしめすように、かつては動物の骨 (ボーン)を焼いた。また、「聖ヨハネの火 」とも呼ばれる。他にも、この日は、聖ヨハネが陸上と水中それぞれで7人、計14人の生贄 を求めるとされるため、水に入ってはいけないといわれる[ 5] 。
季節の区切りの日でもあるため、イギリス では、四季支払日 となっている。
スウェーデン 、フィンランド では移動祝日 。イタリア のフィレンツェ 、ジェノヴァ 、トリノ の各都市、エストニア 、ラトビア 、カナダ のケベック州 では法定休日 となっている。イギリスのコーンウォール州 ペンザンスは、ヨハネを守護聖人としているため、この日に一番近い金曜日から、10日間にわたる祭が始まる。フィレンツェでは、この日は古式フットボール が行われ、ブラジル ではフェスタ・ジュニーナ と呼ばれる収穫祭 の日である。[ 4] ロシア のサンクトペテルブルク では赤い帆 祭りが行われる。聖ヨハネ祭の前夜 には、魔女 や精霊 が現れるという言い伝えがあるが,その夜を舞台にしたシェークスピア の『真夏の夜の夢 』も、やはりこのような伝説 を背景としている[ 2] 。
脚注
^ 日本のカトリック教会での訳語は「洗礼者聖ヨハネの誕生」(2023年6月現在)。
^ a b c d e 聖ヨハネ祭とMidsummer Day ミラハウス歳時記
^ ルカによる福音書1:35
^ a b c 八木谷涼子 『キリスト教歳時記 知っておきたい教会の文化』 平凡社新書、2003年、164-168頁。
^ 谷口幸男 『図説 ヨーロッパの祭り』 河出書房新社、1998年、87頁。
関連項目
外部リンク
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