「糸」(いと)は、2018年12月6日にYouTube上で公開された、KAMITSUBAKI STUDIO所属のバーチャルアーティスト花譜のオリジナル楽曲である[1][2]。作詞・作曲・編曲はすべてカンザキイオリが行った[1][2]。
2019年5月15日にリリースされたEP『花と心臓』に収録された[3][4][5]。フルアルバムとしては、2019年9月11日にリリースされたアルバム『観測α』/『観測β』に初めて収録された[6]。
概要
2018年12月6日にYouTube上で初めて公開された「花譜初のオリジナル楽曲」である[1][2][7][注釈 1]。そのため、花譜の「はじまりの曲」と表現されることもある[7][13][14]。ミュージックビデオの映像制作は川サキケンジ、映像制作協力は與古田和俊、加藤久之が行った[1]。
「糸」公開以前には、「歌ってみた」楽曲がYouTube上で公開されていた[12]。「糸」の予告編「#05」は、12月3日に公開された[15]。2020年3月18日には「糸-Virtual Reality-」として、「糸」のミュージックビデオの世界がVRで再現された映像が公開された[16]。
下記の2022年8月24日の「不可解参(狂)」で演奏された映像は「不可解参(狂)」Live Ver.としてミュージックビデオが制作され、2022年9月11日に公開された[17]。この際のバンドメンバーは及川創介(キーボード/バンドマスター)、伊藤翔磨(ギター)、永井隆泰(ベース)、黒田泰平(ドラム)、斎藤渉(ピアノ)、伊藤修平(チェロ)、銘苅麻野・三國茉莉(バイオリン)、角谷奈緒子(ヴィオラ)、BANBI(ターンテーブル)[17]。「不可解参(狂)」の「糸」では、AR技術を駆使し、花譜の身体のまわりに無数の糸が舞う演出がなされた[7]。
リミックス
リミックスアルバム『観測γ』ではボカロPの大沼パセリによるリミックス版「糸 (大沼パセリ Remix)」が収録された[18]。
ライブでの演奏
本楽曲は花譜のライブシリーズ「不可解」にて複数回披露されている。初めての演奏は、花譜初のワンマンライブ『花譜 1st ONE-MAN LIVE「不可解」』で、1曲目に演奏された[19]。2020年3月23日に Zepp DiverCity にて開催されたそのリメイク作である『花譜 1st ONE-MAN LIVE「不可解(再)」』でも1曲目に演奏された[20]。
2020年10月10日に開催された『花譜 2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐Q1」』では、リミックスバージョンである「糸 (大沼パセリ Remix)」が第1部の最終曲、13曲目に演奏された[21][注釈 2]。
2022年8月24日に日本武道館で開催された『花譜 3rd ONE-MAN LIVE「不可解参(狂)』では、第1部の9曲目に演奏された[24]。2023年3月4日に開催された『花譜 3rd ONE-MAN LIVE「不可解参(想)」』でも9曲目に演奏された[25]。
また、2024年10月12日には、花譜の活動6周年を記念したミニライブとして『花譜 Virtual mini Live「YARN -不可解空間-」』が開催された[26][27]。「Yarn」は「糸」の欧題であり[1]、そのタイトルの通り「糸」は1曲目に演奏された[28]。
評価
iTunesのトップソングチャートのJ-POP3位、総合9位にランクインした[29]。
ライターのたまごまごは「糸」のミュージックビデオについて、これが最初とは思えないくらい歌に深みがあり大人びている、と評している[7]。一方、それと同時に、取材当時の2022年と比べて、声のトーンが高いことを指摘している[7]。そして『花譜 3rd ONE-MAN LIVE「不可解参(狂)』での「糸」について、歌唱力は格段に上がりつつも、若々しい感性はそのまま残し、変わっていない強い思いが感じられたと評している[7]。その上で、4年の活動の中で花譜は自分を縛る「糸」を自身の力で解くことがもうできている、と歌詞を踏まえて評価している[7]。
脚注
注釈
- ^ なお、動画の「#01」および「#02」は「雛鳥」であった[8][9]。「#03」は「糸」の一節である[10]。そのため、「雛鳥」がはじまりの歌と表現されることもある[11]。「糸」と「雛鳥」はほぼ同時期にレコーディングされていた[12]。
- ^ そのリメイク版『2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐REBUILDING」』の「不可解弐Q1:RE -形を失った世界で僕らは-」でも演奏された[22]。
出典
参考文献
- Maiko Oka (Live Pamphlet design), ed. (2022-08-24), 【花譜】「不可解参(狂)」ライブパンフレット/3rd ONE-MAN LIVE 不可解 FUKAKAIⅢ/MAD, KAMITSUBAKI STUDIO, pp. 1-102
外部リンク