皇南大塚(こうなんおおつか)は大韓民国慶尚北道慶州市皇南洞(大陵苑地区)に所在する朝鮮三国時代の古墳。別名は「皇南洞98号古墳」。
概要
朝鮮半島最大の古墳で、墳丘の長さは120m、高さは25mである。墳形は双円墳で、平面は瓢箪型というよりは楕円形に近い。建造年代は5世紀後葉と推定されるが、5世紀前半の新羅王実聖尼師今(実聖王)とその王妃が被葬者とする説もある。1973年から1975年にかけての発掘調査により、北墳が女性、南墳が男性を埋葬した双墓(夫婦合葬墓)であると考えられるようになった。
被葬者について
2015年、従来の定説に対し、韓国国立全州博物館のイ・ジュホンは、双墓形式は権力誇示のためであり、副葬品の検討から夫婦墓ではなく父子墓という説を公表した[1]。イの見解にしたがえば、南墳は父王訥祇麻立干(訥祇王、在位:417年 - 458年)、北墳は息子の慈悲麻立干(慈悲王、在位:458年 - 479年)をそれぞれ埋葬したものと考えられる[1][注釈 1]。
副葬品
北墳からは金冠、首飾り、腕輪などの装身具数千点が、南墳からは武器類を中心に2万5千余点の遺物が出土したといわれる。そのうち、北墳より出土の金冠・金製の銙帯[2][3]、南墳より出土のガラス製の水差し[4]や首飾りは韓国の国宝に指定されている。
書籍
- 報告書
- 『皇南大塚:慶州市皇南洞第98号古墳』文化財管理局
- 『北墳発掘調査報告書』文化財管理局 1985
- 『南墳発掘調査報告書』文化財管理局文化財研究所 1993-1994
- 『皇南大塚遺物保存処理報告書』国立慶州文化財研究所 1995
- 展覧会図録
- 『황남대총:황금의 나라 신라의 왕릉』국립중앙박물관 2010
- 『皇南大塚:黄金の国・新羅の王陵』国立中央博物館 2010
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク