満屋 裕明(みつや ひろあき、1950年8月9日[1] - )は、日本のウイルス学者。国立国際医療研究センター研究所長。熊本大学特別招聘教授。アメリカ国立がん研究所内科療法部門レトロウイルス感染症部部長。HIV治療薬の研究を行っている。獨協医科大学特任教授。
1985年、バローズ・ウェルカム(現グラクソ・スミスクライン)社の抗レトロウィルス薬の抗がん剤「AZT」が世界初のHIV治療薬にもなることをアメリカ国立衛生研究所でen:Samuel Broderおよびen:Robert Yarchoanとともに発見した[1]。同年にAZT開発について論文発表をしたが、アメリカでの特許は、実験に協力していたバローズ・ウェルカム社が、満屋に無断で取得してしまった[2]。満屋は同社が高価格でAZTを売り出したことに怒り、さらに新しいHIV治療薬の研究に励んだ[2]。その結果、世界で2番目と3番目のHIV治療薬(「ddI (en:Didanosine)」と「ddC (en:Zalcitabine)」)も満屋がSamuel BroderおよびRobert Yarchoanとともに開発した[2]。なお、満屋がライセンスを企業に与える際には、適切な価格での販売を条件にしている[2]。
2006年には、アメリカの研究者との共同研究で開発したHIV治療薬「ダルナビル」が、途上国が特許料を払わずに使える医薬品として世界で初めて国連の機関に登録された[3][4]。
2007年には紫綬褒章を受勲、2015年には日本学士院賞を受賞[4]。
略歴
学歴
職歴
編著
- 「ウィルス感染症との戦い 現状としての21世紀への展望」 (茂田士郎と共編) 医薬ジャーナル社 2000年
- 「最新医学別冊 新しい診断と治療のABC65/免疫5 HIV感染症とAIDS」 最新医学社 2010年
- 「週刊医学のあゆみ HIVの発見から40年 医学はどう戦ったか、これからどう戦うのか 2023年」 医歯薬出版 2023年
- 「別冊医学のあゆみ HIVの発見から40年 医学はどう戦ったか、これからどう戦うのか 2024年」 医歯薬出版 2024年
受賞・叙勲
脚注
外部リンク