渡辺 航(わたなべ わたる、1971年3月9日 - )は長崎県出身[1]の漫画家。
2001年に最初の連載を持った際のペンネームはナツメハルオ。2002年からは現在の渡辺航の名義を使用している。本格的なデビュー以前には五原朋明や夏目春夫というペンネームも使用していた。
来歴
長崎県立西陵高等学校、長崎大学教育学部卒業[2][3][4]。
1986年、15歳のときに集英社の第22回ホップ☆ステップ賞で応募作が佳作に選ばれる。その後、同社主催の赤塚賞でも1989年から1992年にかけて佳作や準入選に選ばれるが、同社の漫画誌では連載のチャンスに恵まれず、『週刊少年ジャンプ』の増刊号に数本の読切を発表するのみに留まる。
2001年、講談社の月刊誌『マガジンSPECIAL』において『サプリメン』で連載デビュー(ナツメハルオ名義)。しかし2002年5月号掲載分を最後に全14回で連載打ち切りとなり、単行本化もされなかった。この頃漫画家になる夢を諦め長崎放送に美術部スタッフとして入社したものの、夢を諦められず入社1年足らずで退社。漫画家になるために上京する[2]。
2002年、ペンネームを渡辺航に改め、秋田書店の月刊誌『チャンピオンRED』11月号より『制服ぬいだら♪』の連載を開始する。2005年、同誌での『電車男』の漫画化企画の作画担当に選ばれたため『制服~』は2005年2月号をもって連載終了となり、そのまま打ち切りとなる。単行本は第25話までを収録した第5巻が最後となり、第26話から最終の第28話までは秋田書店版の単行本では未収録となってしまった。翌月号から連載開始した『電車男 でも、俺旅立つよ。』では、終盤のクライマックスにあたる回が編集部のミスにより話の順番が間違って掲載されてしまう。
2006年、新潮社『週刊コミックバンチ』にて『ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。』を連載開始。全39話で完結。
2007年、講談社『月刊少年シリウス』7月号の付録小冊子に読み切り「まじもじるるも」が掲載される。同作品は10月号に再掲載され、11月号から連載となった。翌2008年には秋田書店『週刊少年チャンピオン』にて、初の週刊少年誌への連載作品となる『弱虫ペダル』を連載開始。『まじもじるるも』は2019年まで連載され、『弱虫ペダル』は2024年現在も連載が続いている。どちらも連載期間が10年を超えると共にアニメ化されるなど、渡辺の代表作となっている。
2008年から2009年にかけて、渡辺航名義の最初の連載作品である『制服~』の新装版(全6巻)が講談社より描き下ろしも加えられて刊行された。また、2012年には『ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。』の新装版が『はなたん 〜華咲探偵事務所〜』のタイトルで刊行された(全3巻)。『はなたん』の新装版刊行にあたり、渡辺は月刊誌での『まじもじるるも』の連載、週刊誌での『弱虫ペダル』の連載の合間を縫って、新エピソード3話分(計44ページ)を執筆。新エピソードは『月刊コミック@バンチ』に掲載され、新装版にも収録。2023年には新装版が『はなたん -ココは華咲探偵事務所♪-』として『少年チャンピオン・コミックス』(秋田書店)の電子書籍版として再発された(追加分を除く全39話を1話ずつ分冊した分冊版も同時に発売)。
2013年には『電車男 でも、俺旅立つよ。』の新装版も刊行された。
『弱虫ペダル』の上級生たちに焦点を当てた『弱虫ペダル SPARE BIKE』は、『週刊少年チャンピオン』および月刊誌『別冊少年チャンピオン』への不定期掲載を経て、『別冊少年チャンピオン』2014年9月号より連載されている。
2015年、『弱虫ペダル』で第39回講談社漫画賞・少年部門を受賞[5]。同年、自転車活用推進研究会が指名する「自転車名人」の第6代目に就任[6]。
作品リスト
連載
連作読切
- アフロスピード(『別冊ヤングマガジン』2004年4号〈6月発売〉、講談社版『制服ぬいだら♪』6巻に収録)
- アフロスピード セカンドアクセル(『別冊ヤングマガジン』2004年7号〈12月発売〉、講談社版『制服ぬいだら♪』6巻に収録)
短編
アンソロジー
その他
出演
テレビ
ラジオ
- 漫画家・渡辺航が語る 〜ラジオ・ツール・ド・弱虫ペダル〜(2015年12月31日、文化放送) - パーソナリティー
脚注
外部リンク