河上 倫逸(かわかみ りんいつ、1945年6月25日 - )は、日本の法学者。専門は西洋法制史。京都大学名誉教授。
経歴
1945年、東京都生まれ。東京都立日比谷高等学校を卒業し、京都大学法学部に入学。1974年に卒業し、同大学大学院法学研究科に進んだ。博士課程を中退し、京都大学法学部助手に採用された。
1980年、学位論文『ドイツ市民思想と法理論:歴史法学とその時代』を京都大学に提出して法学博士を取得[1]。法学部助教授を経て、1984年に教授昇格。1978年から1980年まで、マックス・プランク・ヨーロッパ法史研究所に在外研究のため滞在。マックス・プランク・ヨーロッパ法史研究所では、初代所長ヘルムート・コーイング教授に師事した。
マインツ大学ドイツ研究所客員教授、ウィーン大学法学部客員教授、ベルリン自由大学客員教授をつとめた。
著作
- 単著
- 『多神教世界における日常の法』(晃洋書房、2005年)
- 『法史学者の課題』(未來社、2004年)
- 『ゆらぎの法律学[第3版]』(風行社、2001年)
- 『ゆらぎの法律学[改訂版]』(風行社、1999年)
- 『ゆらぎの法律学』(風行社、1997年)
- 『社会システム論と法の歴史と現在』(未來社、1991年)
- 『巨人の肩の上で』(未來社、1990年)
- 『法の文化社会史』(ミネルヴァ書房、1989年)
- 『ドイツ近代の意識と社会』(ミネルヴァ書房、1987年)
- 『ドイツ市民思想と法理論』(創文社、1978年)
- 共著
- 翻訳
- オイゲン・エールリッヒ『法社会学の基礎理論』(みすず書房、1984年)
- オイゲン・エールリッヒ『法律的論理』(みすず書房、1987年)
- J・J・バッハオーフェン『母権論1』岡道男・河上倫逸監訳(みすず書房、1991年)
- J・J・バッハオーフェン『母権論2』岡道男・河上倫逸監訳(みすず書房、1993年)
- J・J・バッハオーフェン『母権論3』岡道男・河上倫逸監訳(みすず書房、1995年)
- マンフレート・リーデル『解釈学と実践哲学』編訳(以文社、1984年)
- マンフレヒト・リーデル『市民社会の概念史』常俊宗三郎・河上倫逸監訳(以文社、1990年)
- マンフレッド・ハーダー『ドイツ法律学の歴史的現在』(ミネルヴァ書房、1988年)
- ヴォルフガング・シェルフター『ヴェーバーの再検討』監訳(風行社、1990年)
- アクセル・ホネット『権力の批判』監訳(法政大学出版局、1992年)
- ユルゲン・ハーバーマス『コミュニケーション的行為の理論(上)』共訳(未來社、1985年)
- ユルゲン・ハーバーマス『新たなる不透明性』監訳(松籟社、1995年)
- ユルゲン・ハーバーマス『法と正義のディスクルス』監訳(未來社、1999年)
- ユルゲン・ハーバーマス『事実性と妥当性(上)』共訳(未來社、2002年)
- ユルゲン・ハーバーマス『事実性と妥当性(下)』共訳(未來社、2003年)
- 論文\
- 「エールリッヒ[要曖昧さ回避]における法の歴史社会学の成立(一)-(四)」(法学論叢、1974年)
- 「ドイツ型市民思想と法理論―歴史法学の思想史的位置について―(一)-(四)」(法学論叢、 1974年)
- 「ヴィッセンシャフトの成立とサヴィニーの学問・大学・教育論(一)-(八)」(法学論叢、1975-1977年)
- Die Möglichkeiten einer Zeitgeschichte anhand von Eugen Ehrlichs Biographie und Zusutand der Materialienforschung (『法学論叢』 124巻3・4号)
- 「国際法の歴史から『世界法』の構築へ」(法学論叢156号3・4号、2005年)
脚注