永楽ビルディング(えいらくビルディング)とは、かつて日本の東京都千代田区大手町にあった建築物である。
沿革
安田財閥各社の統合事務所として、東京府東京市麹町区永楽町二丁目10番(後の東京都千代田区大手町一丁目6番地6)の地所に建築が企てられ、1920年(大正9年)4月(『安田保善社とその関係事業史』によれば10月)より工事に着手、1923年(大正12年)7月(同末)竣功を遂げた[1]。
当所は上記の趣旨通り安田保善社・安田銀行(後の富士銀行)などをはじめとする安田の各社が本拠を構えたのであった[1]。第二次世界大戦中の1945年(昭和20年)3月10日には空襲により罹災[2]。日本敗戦後も暫時は同行の本店などとして使われたが、1951年(昭和26年)1月よりは新館の建設に着手され、1952年(昭和27年)9月竣功したのでそこへの移転が進められる運びとなった[2]。運用を終えたこれは取りこぼしに着手され、1953年(昭和28年)3月には全工程のなされるところとなり、跡地においては1966年(昭和41年)新本店が完成させられたのである[2]。
跡地は現在大手町タワーとなっており、永代通りを挟んだその向かいには丸の内永楽ビルディングがある。
出典
- ^ a b 『安田保善社とその関係事業史』 455頁
- ^ a b c 『富士銀行百年史』 868頁、別巻6-7頁
参考文献
- 『建築雑誌』 第三八輯第四五二號、建築學會、大正13年(1924年)4月。
- 安田不動産株式会社内「安田保善社とその関係事業史」編修委員会編集 『安田保善社とその関係事業史』 安田不動産株式会社、昭和49年(1974年)6月28日。
- 富士銀行調査部百年史編さん室編纂 『富士銀行百年史』 株式会社富士銀行、昭和57年(1983年)3月1日。