殿橋(とのばし)は、愛知県岡崎市の中心部に位置する乙川に架かる橋梁である。愛知県道483号岡崎幸田線(通称:電車通り)を通す。
概要
周辺には岡崎城を有する岡崎公園がある。毎年、3~4月に開催される桜まつりや8月の第一土曜日に開催される「岡崎観光夏まつり花火大会」はこの橋のたもとで行われる。1927年(昭和2年)の竣工時から当時の意匠をほぼ残したまま現在に至るまで現役で存在している。土木学会選奨土木遺産に認定されたている。
特徴
- 多柱形式の橋脚が連なる下部構造。
- 御影石造りの大きな親柱。
- 短い支間長の鉄筋コンクリート製上部工の多径間構造。
- 橋詰めにある御影石の石積。
歴史
旧橋
現在の橋
ギャラリー
殿橋にまつわるエピソード
尾崎士郎の代表作『人生劇場 青春篇』の作中に殿橋の記述が出てくる。
橋詰4か所にある親柱は当時の岡崎の石工たちによって造られた。
1927年(昭和2年)7月19日に行われた竣工式には小幡豊治愛知県知事を始め、県会議員、県下市町村長などが出席。協賛の花火大会も併せて盛大に行われた[3]。
親柱上の金属製の街灯は戦時中の金属供出により取り外されたが、戦後になり市民の寄付により復元された。
御影石製高欄の一部が右岸下流の岡崎公園付近への階段石として使われ、現在も残っている。
2015年(平成27年)の工事の際、主桁の主鉄筋に当時八幡製鉄所では作られていなかった、異形棒鋼が使用されていることが分かった。
上流と下流の橋
-
(上流←) 御用橋
-
乙川大橋
-
竹橋
-
吹矢橋
-
-
桜城橋(
2020年(
令和2年)3月22日開通)
[13]
-
殿橋
-
潜水橋
-
名鉄橋梁
-
明神橋 (→下流)
脚注
ウィキメディア・コモンズには、
殿橋に関連するカテゴリがあります。