東京臨海風力発電所(とうきょうりんかいふうりょくはつでんしょ)は、東京都江東区海の森三丁目にある風力発電所。2003年(平成15年)3月事業開始、20年間運用の予定。愛称は「東京風ぐるま」。
概要
東京都が東京湾臨海部での自然エネルギーの有効性を実証する「風力発電パイロット事業」として2002年(平成14年)2月に公募を行い、同年3月に実施事業者として豊田通商とJ-POWER(電源開発)の共同グループが採用された。東京湾中央防波堤内側埋立地(現・江東区海の森三丁目)に発電出力850kWの風力発電用風車2基を建設し、20年間の風力発電事業を実施するものである。風力発電施設の建設及び運転管理については、同年6月25日に豊田通商とJ-POWERの折半出資で「株式会社ジェイウインド東京(J−WIND TOKIO)」を設立して行なわれた[1]。2010年(平成22年)2月、豊田通商グループの風力発電事業再編に伴い、ジェイウインド東京はJ-POWER100%出資の子会社となり[2]、2011年(平成23年)4月の風力発電事業会社8社の合併に伴い、株式会社ジェイウインドに承継されている[3]。
2003年2月20日から3月10日まで愛称の募集が行われ[4]、約1,500件の応募の中から「東京風ぐるま」が選ばれた。
東京臨海風力発電所には、ベスタス製のV52-850kW発電機2基が運転している。ブレード3枚、ローター直径約52m、出力1,700kW。発電した電力は全て東京電力へ売電されている。都市型の風力発電所は、横浜市風力発電所(ハマウィング)と並んで、全国でも珍しい。
発電所概要
- 所在地:東京都江東区青海二丁目地先「東京湾中央防波堤内側埋立地」(現・江東区海の森三丁目)
- 事業期間:運用開始(2002年度末)から20年間
- 発電所出力:1,700kW
- 風車発電機:デンマークベスタス社製 V52-850kW×2基
- 年平均風速:約5.4m/s(設備利用率約16%)
- 年間発生電力量:約250万kWh(一般家庭約800世帯分の年間消費電力量に相当)
- 総事業費:約3.3億円
- 受電会社:東京電力に全量売電
事業者概要
- 商号:株式会社ジェイウインド東京(英文名称:J−WIND TOKIO)
- 本店所在地:東京都中央区銀座6−15−1(電源開発内)
- 事業目的:風力エネルギーによる発電および電力販売事業等
- 資本金:1千万円(当初)
- 出資比率:電源開発50%、豊田通商50%出資(当初)
- 2010年2月、豊田通商グループの風力発電事業再編に伴い、電源開発100%出資に変更[2])
- 2011年4月、風力発電事業会社8社の合併に伴い、株式会社ジェイウインドに承継(株式会社グリーンパワー瀬棚を存続会社とする吸収合併)[3]
沿革
- 2002年
- 2月 - 東京都が風力発電パイロット事業を公募
- 3月 - 実施事業者として豊田通商とJ-POWER(電源開発)の共同グループを採用
- 6月25日 - 豊田通商とJ-POWERの折半出資で「株式会社ジェイウインド東京」を設立
- 11月12日 - 工事着工(起工式)
- 2003年
- 1月中旬~下旬 - 風車組立
- 1月末~2月末 - 試運転調整
- 2月20日~3月10日 - 愛称募集[4]
- 3月7日 - 営業運転開始
- 3月19日 - 竣工式。愛称を「東京風ぐるま」に決定
受賞・選定
- 平成15年度 東京都功労者(環境功労)
- 平成15年度 第8回「新エネ大賞」新エネルギー財団会長賞[5]
- 東京湾100選(国土交通省関東地方整備局港湾航空部主催)
周辺
「東京風ぐるま」が位置する江東区海の森には、海の森公園と称される大型森林公園を整備中。東京ゲートブリッジからは二基の風車が眺められる。
脚注
参考資料
外部リンク