村上浪六

村上 浪六
(むらかみ なみろく)
誕生 1865年12月18日
日本の旗 日本和泉国
死没 (1944-12-01) 1944年12月1日(78歳没)
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
ジャンル 小説
代表作 『当世五人男』(1896年)
デビュー作 『三日月』(1891年)
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村上 浪六(むらかみ なみろく、1865年12月18日慶応元年11月1日) - 1944年昭和19年)12月1日)は、日本小説家。本名信(まこと)。和泉国生まれ。デビュー作『三日月』が好評を得て、以後『井筒女之助』『奴の小万』『妙法院勘八』などの侠客物を多く書いて人気を博し、いわゆる「撥鬢小説」の名を生んだ。他に『当世五人男』などがある。

人物

和泉国生まれ[1]。本名は信(まこと)。別号はちぬの浦浪六。幼児期に父親が亡くなったため母の手で育ち、小学生のときに税所篤に引き取られ[2]、目をかけられ実業家、政治家を目指すが、失敗。

1891年、『郵便報知新聞』の森田思軒の勧めで小説「三日月」を書き、以後小説家として一世を風靡する。また、遅塚麗水村井弦斎原抱一庵との四人で「報知の四天王」と呼ばれた[3]

侠客が活躍する小説を得意とし、撥鬢小説(ばちびん-)と呼ばれた。大正期には、生前から『浪六全集』が出るなど(生前の全集は誤用で、恐らく浪六全集に始まる)、大衆に人気があった。『当世五人男』(1896年)が代表作。

三男は女性史・服飾史・医学研究家の村上信彦。孫(三女の子)に浅沼稲次郎を刺殺した山口二矢がいる。

著書

  • 『三日月』春陽堂、1891
  • 『井筒女之助』(ちぬの浦) 春陽堂
  • 『鬼奴』(ちぬの浦) 春陽堂、1892
  • 『奴の小万』春陽堂
  • 『破大皷』春陽堂、1893
  • 『夜嵐』春陽堂
  • 『浪六漫筆』春陽堂
  • 『征清軍記』村上信 青木嵩山堂、1894
  • 『浪六叢書十番のうちたそや行燈』春陽堂
  • 『日清事件新小説』青木嵩山堂
  • 『深見笠』春陽堂
  • 『髯の自休』春陽堂
  • 『安田作兵衛』春陽堂
  • 『海賊』青木嵩山堂、1895
  • 『古賀市』青木嵩山堂
  • 『魚屋助左衛門』青木嵩山堂
  • 『後の海賊』青木嵩山堂
  • 『後の三日月』春陽堂
  • 『大阪城』青木嵩山堂、1896
  • 『鬼あざみ』青木嵩山堂
  • 『十文字』青木嵩山堂
  • 『新兵衛』斎藤栄造
  • 『花車 (眠獅庵)』青木嵩山堂 (浪六文庫 第1冊)
  • 呂宋助左衛門』青木嵩山堂
  • 『しなさだめ』青木嵩山堂、1897 (浪六文庫)
  • 『当世五人男』青木嵩山堂
  • 『武者気質』青木嵩山堂
  • 『狂歌集』青木嵩山堂、1898
  • 『浮世草紙』青木嵩山堂
  • 『蔦の細道』青木嵩山堂
  • 『最後の黒田健次』青木嵩山堂、1899
  • 『赤蜻蛉』村上信 青木嵩山堂、1900
  • 原田甲斐』青木嵩山堂
  • 『明治十年』青木嵩山堂
  • 春日局』駸々堂、1901
  • 『伊達振子』青木嵩山堂
  • 『日本武士』青木嵩山堂
  • 『やまと心』青木嵩山堂
  • 『うき世日記』駸々堂、1902
  • 『男一疋』駸々堂
  • 『三人兄弟』青木嵩山堂
  • 『時雨笠』駸々堂
  • 『浪華名物男』青木嵩山堂
  • 『八幡座』松田秋浦 青木嵩山堂
  • 『男山』駸々堂
  • 『毒婦』青木嵩山堂
  • 『うやむや日記』青木嵩山堂、1904
  • 『金剛盤』青木嵩山堂
  • 『業平文治』田中霜柳 鹿鳴社、1905
  • 石田三成』青木嵩山堂
  • 『最後の岡崎俊平』青木嵩山堂
  • 『大悪魔』青木嵩山堂
  • 『夜叉男』青木嵩山堂
  • 『雪達磨』駸々堂
  • 『仍如件』青木嵩山堂、1906
  • 『普通文範』村上信 石塚書舗、1907
  • 『川柳自在』石塚書舗
  • 『浮世車』青木嵩山堂
  • 『元禄女』隆文館
  • 『高倉長右衛門』駸々堂
  • 『当世女』青木嵩山堂
  • 『浮舟』青木嵩山堂、1908
  • 日蓮民友社
  • 『八軒長屋』民友社
  • 『稲田一作』民友社、1909
  • 『煩悶病院』青木嵩山堂、1910
  • 『馬鹿野郎』金葉堂、1911
  • 『豊太閤』民友社
  • 『元禄忠魂録』至誠堂、1912
  • 『居家処世人間学』大江書房、1913
  • 『いたづらもの』大江書房
  • 『現代思潮男女の戦ひ』至誠堂書店
  • 『生きたる人間の解剖』大江書房、1914
  • 浪六全集』全26編 至誠堂書店、1914-1926
  • 『黒雲』至誠堂書店
  • 『雪だるま』至誠堂書店
  • 『落花狼藉』文明社
  • 『罵倒録』至誠堂書店
  • 『元禄四十七士』至誠堂書店
  • 『我五十年』加島虎吉
  • 『放言録』至誠堂書店、1915
  • 『人生の裏面』東亜堂書房、1916
  • 『人の垢』明文館書店
  • 『人生の旅行』明文館書店
  • 『大正五人男』至誠堂書店
  • 『世間学』大阪屋号書店
  • 『天眼通』至誠堂書店、1917
  • 『皮肉文集』紅陽社、1919
  • 『川徳』至誠堂書店
  • 『裸体の人間』至誠堂書店
  • 『出放題』至誠堂書店
  • 『浪六八ッあたり』浪六会
  • 『裏と表』至誠堂書店、1920
  • 『無遠慮』至誠堂書店、1921
  • 『浪六漱石傑作文集』綱島書店(美文評解叢書)1921
  • 『かはりもの』明文館
  • 『牛肉一斤』至誠堂書店、1922
  • 親鸞』明文館書店
  • 『時代相』全5巻 時代相刊行会、1923-24
  • 『無名の英雄』時代相刊行会、1925
  • 『人間味』明文堂書店
  • 『浪六名作選集』大日本雄弁会
  • 『浪六傑作集』人情編、恋愛編 内外出版協会、1926
  • 『妙法院勘八』大日本雄辯會講談社
  • 『人の力』明文館書店、1927
  • 『浮世の裏表』金竜堂出版部
  • 蜂須賀小六』明文館書店、1929
  • 『かまいたち』明文館書店、1930
  • 『人情の表裏』紅陽社
  • 『浪六全集』45篇 玉井清文堂、1930-31
  • 『侠客列伝 第1巻』明文館書店、1931
  • 『鈴木新内』明文館書店
  • 『うき世の雨に破れ傘』明文館書店、1934
  • 『すてうり勘兵衛』浪六叢書刊行会
  • 『侠客』明文館
  • 『一足飛』興文閣、1940
  • 『毒か薬か』モナス
  • 『鬼伏せ頭巾』興文閣、1941
  • 『海上の歴史』輝文堂書房、1943

復刊

  • 大衆文学大系 3 村井弦斎、村上浪六、塚原渋柿園、碧瑠璃園、大倉桃郎 講談社、1971
  • 部落問題文芸・作品選集 いたづらもの 世界文庫、1976
  • 村上浪六歴史小説選 全6巻 本の友社、1999

脚注

  1. ^ “村上浪六 堺市立図書館”. https://www.lib-sakai.jp/kyoudo/kyo_digi/sakaitaikan/sakaitaikan_murakami.htm 2017年4月26日閲覧。 
  2. ^ 税所篤『我五十年』村上浪六 著 (加島虎吉, 1914)
  3. ^ 長山靖生『日本SF精神史 完全版』(河出書房新社)P.102

関連項目

外部リンク