日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社(にってつパイプラインアンドエンジニアリング、英文社名 NIPPON STEEL Pipeline & Engineering Co. Ltd.)は、日鉄エンジニアリンググループの建設業者。陸上パイプラインや水道施設の製作・施工を行う。
概要
大手鉄鋼メーカー日本製鉄傘下の建設業者・日鉄エンジニアリング(旧・新日鉄住金エンジニアリング)が出資する企業である。日本国内における、石油・ガス等輸送用の陸上パイプラインや、上水道・工業用水道・農業用水道などの水道施設の設計・製作・施工、製鉄・化学・環境・その他のプラント類の製作,据付及び補修工事を行うエンジニアリング会社。
前身である住友金属パイプエンジ株式会社は、1962年(昭和37年)に「住金鋼管工事」として設立。2005年(平成17年)、住友金属工業のエネルギーエンジニアリング部門と事業統合し、住友金属パイプエンジとなった。
もう一方の前身である日鉄パイプライン株式会社は、1971年(昭和46年)に「日鐵海洋工事」として設立。設立当初は、石油・ガス等の海洋工事が主体であったが、1987年(昭和62年)に業務主体を陸上配管建設に転換。2007年(平成19年)、新日鉄エンジニアリングのパイプライン事業(国内パイプラインや水道施設の設計・製作・施工など)を承継し、日鉄パイプラインとなった。
2012年(平成24年)10月1日、新日本製鐵と住友金属工業の経営統合(新日鐵住金の発足)により、日鉄パイプラインと住友金属パイプエンジとが経営統合。新日鉄住金エンジニアリングを親会社とする「日鉄住金パイプライン&エンジニアリング株式会社(略称は日鉄住金P&Eまたは、NSPE)」となった。
2019年(平成31年)4月1日、日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社に社名変更。
本社は親会社の日鉄エンジニアリングと同じく東京都品川区大崎一丁目にある。
沿革
- 住友金属パイプエンジ
- 日鉄パイプライン
- 1963年(昭和38年) - 八幡製鐵株式会社が建設業法に基づく登録を行い、建設業者となる。
- 1971年(昭和46年)11月5日 - 石油・ガスなどの海洋工事を事業主体とした、日鐵海洋工事株式会社設立。
- 1987年(昭和62年) - 業務主体を、海上工事から陸上(水道・ガス配管)工事に転換。
- 1994年(平成6年)4月1日 - 日鉄シビルコンストラクション株式会社に商号変更。
- 1995年(平成7年)7月 - 新日本製鐵から水道・ガス施工部門を事業移管。
- 2007年(平成19年)
- 1月4日 - 新日鉄エンジニアリングのパイプライン事業(国内パイプラインや水道施設の設計・製作・施工など)の当社への承継を決定[2]。
- 3月13日 - 新日鉄エンジニアリングのパイプライン事業分社化に伴い、役員人事の変更を決定[3]。
- 4月1日 - 新日鉄エンジニアリングの一部事業(国内パイプラインや水道施設の設計・製作・施工など)を承継[4]。商号を日鉄パイプライン株式会社に変更する。[5]
- 2008年(平成20年)4月1日 - 海洋工事部門を分離独立し、日鉄オフショアコンストラクション株式会社設立[6](日鉄住金オフショアコンストラクションを経て、現・日鉄オフショアコンストラクション)。
- 2009年(平成21年)
- 1月1日 - 社内組織の改正により、組織名称を変更する。
- 7月27日 - 本社オフィスを東京都品川区に移転[7]。
企業統合関連
- 2012年(平成24年)
- 3月26日 - 新日本製鐵と住友金属工業が経営統合に関する基本合意書を締結。
- 6月24日 - 新日本製鐵と住友金属工業の統合を前提として、日鉄パイプライン株式会社と住友金属パイプエンジ株式会社とが経営統合に合意。株式交換契約及び合併契約を締結[8]。
- 7月11日 - 新日本製鐵、住友金属工業、日鉄パイプライン、住友金属パイプエンジは、統合に関する公正取引委員会における企業結合審査において、申出を行い、日本国内における高圧ガス導管エンジニアリング事業に関する問題解消措置を講じる[9]。
- 7月13日 - 日鉄パイプライン及び住友金属パイプエンジの取締役会にて、平成24年10月1日発足予定の日鉄住金パイプライン&エンジニアリングの取締役・監査役および執行役員について合意・決定[10]。
- 8月28日 - 日鉄パイプライン及び住友金属パイプエンジの取締役会にて、平成24年10月1日発足予定の日鉄住金パイプライン&エンジニアリングの取締役・監査役および執行役員の変更について合意・決定[11]。
- 10月1日 - 二段階による法的手続を行い、経営統合を行う。
- 第1段階 - 親会社である住友金属工業と新日本製鐵との統合に伴い、新日鉄エンジニアリングを株式交換親会社、住友金属パイプエンジを株式交換完全子会社とする株式交換を行う。
- 第2段階 - 新日鉄エンジニアリングと住友金属パイプエンジとの株式交換効力発生に伴い、住友金属パイプエンジを吸収合併存続会社、日鉄パイプラインを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行う。
日鉄住金P&E発足後
| | | 住友金属工業 | | | 新日本製鐵 | | |
| | | | | | | | | | | | |
| | | 住金鋼管工事 | | | 日鐵海洋工事 | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | |
住友金属工業 エネルギーエンジニアリング部門 | | | | | | | | | | | | 新日本製鐵 水道・ガス施工部門 | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | 住友金属プランテック | | | 日鉄シビルコンストラクション | | | | | | | |
| | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | 新日鉄エンジニアリング 国内パイプライン事業 |
| | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | 住友金属パイプエンジ | | | 日鉄パイプライン | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | 日鉄オフショアコンストラクション | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | 日鉄住金パイプライン&エンジニアリング | | | | 日鉄住金オフショアコンストラクション | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | |
新日鉄住金エンジニアリング LNG・貯蔵関連プラント事業 | | | | | | | | | | | | | | |
| | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | 日鉄住金パイプライン&エンジニアリング |
- 2019年(平成31年)4月1日 - 日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社に商号変更[20]。
所在地
歴代社長
住友金属パイプエンジ
- 秋山和紀 - 2005年10月1日就任
- 柴田敏郎 - 2007年6月21日就任
- 野村秀德 - 2011年6月23日就任。[26]
日鉄パイプライン
- 太田英美 - 2007年4月1日就任
- 平林憲行 - 2008年6月27日就任
- 小野原一賀 - 2011年4月1日就任
日鉄住金P&E
- 小野原一賀 - 2012年10月就任
- 浅井武 - 2014年4月就任[27]
- 元内利文 - 2017年4月就任
営業品目
主な営業品目[28]
- ガス、石油、熱等のエネルギー搬送用配管及びこれに付帯する設備の設計、建設、補修及び保守工事
- 上水、工業用水及び農業用水等の導管、貯槽、水管橋、トンネルの設計、建設、補修、更生及び保守工事
- 製鉄、化学、環境、その他のプラント類の製作、据付及び補修工事
- 水輸送用塗覆装鋼管の製作、接合及び販売
- 上記各号に付帯関連する一切の事業
事業情報
日鉄P&Eは、エネルギーパイプライン事業,水道パイプライン事業,配管プラント事業を3つの柱とし、幅広いフィールドのニーズに対応いたします[28]。
企業理念
企業理念 [28]
- 常に広い視野に立ち、感性豊かに想像力を発揮し、エネルギーや水資源の導管及びプラント建設を通じ、環境にやさしい豊かな社会の実現に貢献する。
行動指針 [28]
- 提案型営業 - 材料から施工までの総合エンジニアリングで、お客様のニーズに応えよう。
- 顧客満足度 - 確実な安全、品質管理をベースに、技術レベルの高い施工で、お客様の満足を得よう。
- 積極果敢な行動 - 誠実でスピーディなアクションで、お客様の期待に応えよう。
品質方針 [28]
- 品質を第一に顧客の評価と信頼を得る。品質感性を研ぎ澄まし、更なる品質向上を目指す。
施工実績
主な施工実績 [29]
関連会社
トピックス
- 2010年10月13日付のガスエネルギー新聞に柴田敏郎氏(住友金属パイプエンジ社長)のインタビュー記事が掲載される。[30]
過去の法令違反・諸問題
天然ガスエコ・ステーション建設工事における独占禁止法違反
- 2007年(平成19年)5月11日、近畿地区における天然ガスエコ・ステーション建設工事における独占禁止法違反に関し、千代田機械製作所,大阪ガスエンジニアリング,神鋼エンジニアリング&メンテナンス,住友金属パイプエンジに排除措置命令が下される[31]。
ガス導管工事における独占禁止法違反
- 2008年(平成20年)10月15日、ガス導管工事における独占禁止法違反[32]に関し、新日鉄エンジニアリング、日鉄パイプライン、JFEエンジニアリング、住友金属工業、住友金属パイプエンジに国土交通省より建設業法に基づく15日間の営業停止命令(一部地域で、民間土木工事の営業を停止)が出される[33]。
関連項目
脚注
出典
外部リンク
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