公益財団法人日本相撲協会(にほんすもうきょうかい、英語: Japan Sumo Association)は、大相撲興行の幕内最高優勝者に対して「摂政宮賜杯」(のちの天皇賜杯)を授与するために1925年に財団法人として設立され、2014年に公益財団法人に移行した相撲興行団体である。
公益財団法人に移行する前は、文部科学省スポーツ・青少年局競技スポーツ課所管[2]特例財団法人であった。通称「相撲協会」。日本国外のメディアでは「Japan Sumo Association」および、その略称の「JSA」が使われる。
定款第3条(目的)には、「この法人は、太古より五穀豊穣を祈り執り行われた神事(祭事)を起源とし、我が国固有の国技である相撲道の伝統と秩序を維持し継承発展させるために、本場所及び巡業の開催、これを担う人材の育成、相撲道の指導・普及、相撲記録の保存及び活用、国際親善を行うと共に、これらに必要な施設を維持、管理運営し、もって相撲文化の振興と国民の心身の向上に寄与することを目的とする。」との定めがある。この建前に基づき、青少年・学生への相撲の指導奨励[注 1]、相撲教習所の維持運営、国技館の維持運営、相撲博物館の維持運営などをしているものの、主な事業は、本場所・巡業の興行である。
日本相撲協会の構成員は、力士、年寄、行司、呼出、床山、若者頭および世話人であり、これらは全て男性で、前相撲・付出の力士や階級下位の呼出・床山を除き全員が毎場所編成(昇降格)・発表される番付に掲載される。力士以外の協会員、特に行司、呼出、床山は総称して裏方と呼ばれる。なお日本相撲協会の構成員とは別に事務局職員もおり、事務局職員には女性も在籍している。
協会は、「興行」スポーツとしての人気と「国技」としての相撲道の実践の二面性が特徴であり、その歴史はこの二つの板挟みで立ち位置を模索し続けたものである。興行団体として出発しながら1925年に「摂政宮賜杯」(現在の賜杯)を受けたことで国技の啓蒙活動を担う団体としての国家のお墨付きを得た。これにより本場所・巡業の独占的な興行権を保障される代わりに、国技らしさを求める世論(戦前であれば「国威発揚」、戦後であれば「横綱の品格」に代表される力士の公人性等)を無視できなくなり、不祥事が起こるたびに力士たちは非難を浴びることになる[3]。
公益法人としての適格性については、公益事業として相撲の指導普及を図るため指導普及部を設置し、指導普及部一般会員の進級試験も行っているものの、常設の指導者養成機関を持ったことは一度もなく[注 2]、「興行に拘りすぎて、財団法人としての責任義務を果たしていないのではないか」という意見が多数ある。また、公益法人制度改革に関する有識者会議においても、法人の公益性の存在について疑義が提示された[4]。
2020年3月6日の理事会で、日本プロスポーツ協会が内閣府公益認定等委員会から組織ガバナンスの是正を求める命令を受ける状況から、相撲協会は日本プロスポーツ協会への加盟継続が適切でないと独自に判断し、脱退を決定した[5]。
2021年には協会が大手製紙メーカーである北越コーポレーションから中古のビルを購入し、このビルに報知新聞社がテナントとして入居する事が決定し、2022年6月10日に報知新聞社が移転することとなった[6]。この不動産取引にあたり、協会の事業に「国技館ビルの維持及び管理並びに賃貸借運営」を追加する定款改正が行われた(改正後の定款第4条9号)。
2022年8月23日、大相撲による地域活性化を目指し、墨田区と包括連携協定を結んだ。協会が自治体と連携協定を結ぶのは初[7]。
母体は東京に本拠を置いた「東京大角力協会」であり、その起源は江戸時代に遡る。下記以外の歴史については、『大相撲の歴史』を参照。
公益財団法人となったため、役員の規定が大きく変わった。
理事は、年寄から選ばれる理事候補と、外部から選ばれる理事候補から、評議員会によって任命される。定員は10名から15名の間。年寄からの理事候補は、全年寄による単記無記名の投票によって選出される(以前の財団法人時代には、現役力士代表と立行司にも選挙権があったが、公益財団法人移行にともない、力士と行司の選挙権はなくなった)。
理事会は互選で理事長(代表理事)を選出する。年寄からの理事で、理事長以外の理事が業務執行理事となる。
また、副理事は年寄による選挙により、年寄の中から副理事候補が選出され、理事会で任命される。
監事は外部有識者2名から3名が、評議員会で任命される。
2024年3月27日現在
2024年3月27日現在、出羽海一門が理事を3名出している一方、高砂一門と伊勢ヶ濱一門の理事は1名だけである。現役時代の最高位が「大関」以上の理事は3人で、「前頭」の理事が3人いることも特徴として挙げられる。
それぞれの長は理事が務め、その指示のもと各年寄が職務に当たる。2以上の部署を兼任する年寄も多い。
職階は従前と同じく、委員、主任、年寄で、理事、副理事でない副部長は役員待遇委員となる。なお、2014年11月より停年退職の年寄が再雇用される際は参与の処遇となって職務を分掌することになった。
寄付行為により、理事定数は10名以上15名以内(うち年寄7名以上10名以内、外部理事5名以内)、監事定数は3名以内。
理事長以外の理事は各部の部長を務める。監事は、理事会及び評議員会に出席できるものの議決権はない。法律では、財団法人の監事は、「理事の業務執行の状況を監査する」機関である。しかし、監事が外部役員となるまでは、理事の部長に対して、監事は副部長として業務執行に従事するなど、法制度を無視する業務執行が行われ、監事の理事の業務執行に対する監査機能が軽視されていた。
近年では数々の不祥事が明るみに出て、公益法人としての責任・あり方が問われている。
2007年には「週刊現代」による八百長疑惑報道、時津風部屋力士暴行死事件、第68代横綱・朝青龍の無断帰国・巡業休場問題が相次いで発生し世間の注目を集めた(朝青龍は2010年に別の不祥事により引責引退。八百長疑惑については『週刊現代』の出版元である講談社を相手取り、力士・年寄により損害賠償を求める複数の民事訴訟が提起され、2011年2月現在すべて勝訴している)。
2008年8月には、現役力士の大麻所持が発覚。協会の再発防止検討委員会が実施した抜き打ち薬物検査で陽性反応が出て、当時の北の湖理事長が辞職した[注 4]。
2010年5月には大関・琴光喜の野球賭博関与[33]に端を発し、少なからぬ力士が常習的に野球賭博を行っていたことが明るみに出た。さらに同年6月には現役の親方が暴力団幹部に本場所を維持員席(いわゆる「砂かぶり席」)で観戦させていたことが発覚した。
2011年にはそれまで協会が否定しつづけてきた八百長疑惑で、警察によって八百長に関与したとされる力士の携帯電話のメールの存在が明らかとなり、一部力士が関与を認めたとされ、これを受けて相撲協会は史上初めてとなる「不祥事による本場所開催の中止」を決定した。
2017年から2018年にかけては、秋巡業中に日馬富士による貴ノ岩への暴行事件(日馬富士は引責引退。後に貴ノ岩も付き人に暴行を行い引責引退)、立行司によるセクシャルハラスメント行為の発覚、十両・大砂嵐による無免許運転行為(大砂嵐は引退勧告を受け引退)など、協会内における不祥事が相次いだ。2018年春巡業での大相撲舞鶴場所では舞鶴市長の多々見良三が土俵上での挨拶中に倒れ、救命処置のため土俵に上がった女性たちに対し「女性の方は土俵から降りてください」と行司が複数回アナウンスを行ったことについて[34][35][36][37]、巡業における救命体制の問題点の指摘や女性差別であるとの記事が海外にも配信され、批判を浴びた[38]。八角理事長が巡業当日の夜に謝罪[39]、行司は同年7月に辞職している[40]。因みに、春日野巡業部長は、この事件に対して、「トイレに行っていた」と証言していたが、春日野巡業部長が土俵の横で見守っている姿が映りこんでいる写真がネット掲示板などで拡散され、彼の証言していたことが真っ赤な嘘だということが判明した[41]。
2019年12月、佐賀市で行われた大相撲の冬巡業の際、インフルエンザと診断された貴源治が、春日野巡業部長の指示により取組を行っていた[42]。この冬巡業ではインフルエンザが流行して発症した力士・親方・裏方が次々離脱しており[43]、同月行われた力士会に出席した尾車事業部長は関取衆の前で「今は冬巡業から東京に戻って来てからだが、福岡で場所前とかに予防接種を受けられるようにしたい」と改善案を示し[44]、現在は11月場所前に接種が行われている。
2020年春以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、協会では「新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン」[45]を定め、協会員に遵守を求めているが、親方・力士による不要不急の外出といったガイドライン違反がしばしば発覚し、処分を受ける事例が続出する状況となっている(後述)。
2021年にはガイドライン違反による処分以外にも、十両・貴源治による大麻の所持・使用が判明し解雇された[46]ほか、幕内・英乃海と十両・紫雷が埼玉県内の違法賭博店に出入りし、賭博行為を行ったとして警察により書類送検を受ける[47][48]など、協会員の触法行為の判明が続いている。
2023年には、協会の事務局職員に対する時間外労働やタイムカードの打刻漏れに対する不適切な管理、一部職員に対するパワーハラスメント、不誠実な業務対応など、協会事務局内部の不適切な労務状態がコンプライアンス委員会に匿名で告発され、調査の結果、同年9月に協会は事務局を統括する主事に出勤停止1か月、女性室長に1階級降格(その後退職予定)などの処分が行われている[49]。
2017年に起きた横綱・日馬富士による幕内・貴ノ岩に対する傷害事件を皮切りに、力士による付き人など後輩力士への暴力行為の発覚が相次ぎ、協会は2018年10月25日に「指導名目その他、いかなる目的の、いかなる暴力も許さない」などとする7条にわたる「暴力決別宣言」を発表した[50][51]。しかし、それから間もない11月に、日馬富士の一件では被害者であった貴ノ岩が巡業中に付き人への暴力行為を行ったことが発覚している。一連の暴力行為発覚に対して、協会は同年12月19日の臨時理事会で21条にわたる「暴力行為禁止規定」を定め、同日付で施行した[52][53][54][55]。暴力行為が発覚した場合、協会員に対する処分内容としては、
また、暴力再発防止のためのコンプライアンス委員会を新設し、以下の人物が就任した。処分事案と見られる問題が発生した場合、相撲協会はコンプライアンス委員会に詳しい調査と処分意見の答申を依属し、答申に基づいて理事会で処分を決定することとなった。
同時に鏡山危機管理部長に加え、各一門の親方衆から15代出来山(元関脇・出羽の花、出羽海一門)、12代西岩(元関脇・若の里、二所ノ関一門)、13代勝ノ浦(元幕内・起利錦、時津風一門)、13代東関(元幕内・潮丸、高砂一門)、5代大島(元関脇・魁輝、伊勢ヶ濱一門)を委員に任命し、暴力問題などの通報、相談窓口とした[52]。
暴力問題は相撲協会の財政に爪痕を残しており、2018年度の決済で暴力問題再発防止検討委員会が協会員らに行った調査費用に約2億円かかったことなどが明らかになっている。この出費の結果として2017年度より黒字額が約3億4400万円減少している[56]。
暴力禁止規定が施行された後も、力士による規定違反(鳴戸部屋[57]、宮城野部屋、千賀ノ浦部屋、伊勢ヶ濱部屋)が発生したり、部屋師匠やおかみによるパワハラ、モラハラとも認識される事案(中川部屋、式秀部屋)が発生しており、当事者・関係者が処分を受けている(#過去に処分された力士・親方衆・関係者も参照)。
鳴戸部屋・千賀ノ浦部屋の事案では暴力の加害者である力士が勧告を受けて引退(伊勢ヶ濱部屋の事案は加害者の力士1名に引退勧告が具申されていたが、引退届を提出し受理)しており、中川部屋の事案では部屋閉鎖となっている。一方、式秀部屋のケースについては、パワハラを行ったおかみ(師匠10代式秀の夫人)が協会との直接の雇用関係が生じていないため[58]、協会は10代式秀夫妻に注意するにとどまり、静観の態度をとっている。部屋付き親方もいないため、事態の改善については10代式秀が健康に留意しつつ取り組むしかなく、制度上の問題が指摘されている[59]。
近年、力士の大型化が進んだことで、取組において重傷を負う力士も散見される。
負傷休場した力士に対する救済制度である公傷制度は、北の湖理事長時代の2003年11月場所に廃止された。そのため、関取が幕下以下の地位まで陥落したまま元の番付に戻れなくなることもしばしばみられる。
そんな中、2021年には取組において安全対策が問われる重大な事故が相次いで発生した。1月場所10日目(1月19日)、幕下の湘南乃海と朝玉勢の一番で、行司が立ち合い不成立で待ったをかけた。しかし、頭同士がぶつかり、湘南乃海が脳震盪とみられる症状を起こして立ち上がれなくなった。審判団が協議し、本人の意思を確認した後に取組をやり直した[60]が、この判断は危険だったとされ、日本相撲協会は初場所後の理事会で「審判委員は、力士の立ち合いが成立する前に、相撲が取れる状態でないと認めた場合には、協議の上で当該力士を不戦敗とすることができる」と審判規則を一部変更した[61]。
3月場所13日目(3月26日)、三段目の響龍は取組中に土俵際ですくい投げを受けた。その際に土俵の俵と土俵の間に頭部が落ちて挟まってしまい、頭部が固定されたかたちで、相手と自身の圧力がかかってしまったのではないかと至近で見ていた関係者は話している[62]。響龍は土俵上でうつぶせのまま動けず、倒れてから約1分後に呼出3人があおむけにした。審判長を務めていた18代放駒はイヤホンマイクを通じてビデオ室に連絡、そこから国技館内の相撲診療所に電話して医師が呼ばれた。約3分後に医師が到着し響龍の状態を確認、担架に乗せ土俵を降りて救急搬送した。一連の対応に約6分以上の時間を要した[63][64]。搬送先の病院に入院し頸椎損傷の疑いで治療が行われていたが、寝たきりの状態が続いて肺血栓塞栓症を発症。事故から約1か月後の4月29日18時20分、急性呼吸不全のため、28歳で死去した[65][66][67]。取組における事故が元の死亡例は極めて異例であり、土俵下に医療関係者を常時待機させていなかったことや事故発生時の協会側の対応などを批判する意見もあった[64]。
1月場所と3月場所の事態を受け、協会は5月場所前の5月7日に審判・警備担当の親方、相撲診療所の医師、若者頭や呼出など約60人が参加する応急対応処置講習会を、国技館の土俵周りで行った[68]。講師を務めたのはNPO法人スポーツセーフティージャパン代表の佐保豊(アスレティックトレーナー)[69]で、協会から「救急時にどのように搬送されるべきなのか、教えていただきたい、検証していただきたい」との依頼を受けたと取材に答えている。佐保は「土俵下に医療関係者を常時待機」させることは本場所中の15日間(8時30分頃から18時まで)行うことは現実的ではなく、迅速に医療機関に搬送するべきと判断した。救急であると誰が判断するかの意思統一と判断基準を審判部の親方に指導、搬送の知識や技術は最新の頭部を固定できるストレッチャーの使用法と併せて警備担当の親方に指導(救急隊員3人でも力士は運べないため)、また協会員から実際に起こるさまざまな事故のケースについて具体的な質問を受けてさらに検討を重ねていったという[70][71]。
講習会の成果は5月場所よりあらわれている。協会関係者によると、力士がけがをした場合は救護を最優先とし、まず負傷者の搬送にあたる流れとなった。8日目の三段目取組で大翔成が負傷して土俵下に落ちたとき、8日目の幕下取組で小城の浜がひざを痛めて赤房下に落ちたとき、14日目の幕下取組で聖冴が負傷して土俵下に落ちたとき、いずれもすぐに警備担当の親方が駆けつけて1分以内に車いすが用意され迅速な搬送が行われた[71]。
また、同年7月21日の定例理事会で安全管理委員会の設置が決まった[72]。本場所や巡業での取組・稽古が安全に行われるための環境整備を行い、事故が発生した際に適切な対応をするため応急処置の訓練・講習会を実施、必要な器具や部品を用意し、最悪の事態を想定した緊急時対応計画の作成を行うという[73][74]。委員長は警備本部長の11代春日野、副委員長は審判部副部長の18代藤島が務め、各一門から29代小野川(出羽海一門)、15代鳴戸(二所ノ関一門)、15代中川(時津風一門)、14代東関(高砂一門)、8代安治川(伊勢ヶ濱一門)が委員に就任した[75]。
2022年1月場所2日目(1月10日)、正代と対戦した宇良が土俵下で頭を打つアクシデントがあったが、フラフラになった宇良が自ら立って土俵に戻って礼をして下がったことについて、「医務室に直行させないと」「土俵下にマットを敷けないものか?」と相撲協会に対する非難の声があがっていた[76]。しかし同年3月11日の報道により、「動くな。そのまま、そのまま」と藤島審判長が制止したが、「大丈夫です」と宇良本人が振り切って行ってしまったのが事実であることが報じられた。「あれだけ観客が入っている中、土俵に戻れなかったら恥ずかしいという心理も働いてしまう。幕内力士なら、自分の体は自分が分かる。幕内力士が『大丈夫です』というなら、信用するしかない」と審判部の親方は話しており、審判が無理やり宇良を土俵にあげてなどはいなかったという。また土俵下にはゴム製のマットも敷いてあり[77]、相撲協会側が安全対策について全く思考停止しているというわけでないことも説明された。土俵の高さについては親方衆の間でも意見が分かれるところであること、土俵下を広げることについては国技館は他のイベントでも使用できるように土俵を床下に格納する仕組みとなっているがそれが不可能となること、コロナ禍で減収が続く相撲協会の負担増となることなどから「土俵の形そのものを変える」ことは困難であるという[78]。
2024年2月25日、本場所での取組中の力士の負傷・重大事故に備え、土俵近くに救急救命士を常駐させる方針であることが報じられた[79]。同年3月場所より実施しており、3日目(12日)の前相撲で初対応。土俵下に転落し後頭部を強打した肥後光の状態を確認し、大事を取って救急搬送となった[80]。
協会が賞罰規定で取り得る処分には、譴責・給与手当減額(減俸)・出場停止・力士衆に対する番付降下及び親方衆は降格並びに降格ができない場合の一定期間昇格見送り・引退勧告・解雇・除名がある。また、賞罰規定にはないが部屋持ちの親方が処分相当となった際に部屋を閉鎖させた(取り潰した)こともある。除名以外は理事会の決議で発動できる。なお、厳重注意は賞罰規定に定められた正式な処分ではない[81]。
除名は旧法財団法人下では協会において最も重い懲罰と位置づけられ、理事会の4分の3以上の賛成で評議員会を招集、さらにその4分の3以上の賛成によって特別決議すると定められていた。
1925年(大正14年)に旧法財団法人日本相撲協会が設立された後、旧法財団法人、公益財団法人を通じて除名となった力士・親方はおらず、特に昭和末期以降は確定までの過程が理事会のみと緩い「解雇」によって除名と同等の意味を持たせるケースがほとんどを占める(後述)。戦前には清水川や真鶴、福住などが除名された例として存在するが、どれも正式な懲戒処分としては認められていない。この内清水川と福住は一定期間を経て処分を解除され、大相撲に帰参した。
しかし、明治時代には運営方法の対立から相撲協会とは別の団体を立ち上げようとした力士数名が除名となり、1873年(明治6年)冬場所の番付の四股名は墨塗りされてしまった[82]。解雇と異なる点としては、上記の通り解雇以下の処分と比較して複雑な手続きを要すること、養老金、勤続加算金(一般企業の退職金に相当)の支払いが完全に行われないことの他、『週刊ポスト』2012年8月17・24日号では名前や成績などの記録が一切抹消される点が説明されている。
公益財団法人体制では、実務上除名に相当するのは「解雇」となる(後述)。解雇処分ではファンの理解を得られない余程の事態があった場合に評議員会の特別決議で対応する形を取る[83]。
協会における「解雇」は、一般企業の懲戒解雇と諭旨解雇の中間的な形と位置づけられている。理事会において機動的に処理できることから1990年代以降、罪を犯した現役力士や親方衆を協会からの永久追放に付す意味で使われている。
解雇を行う場合、理事会の4分の3の賛成で決議される。養老金、勤続加算金は理事会において支給見送りの付帯決議がなされなかった場合、本人からの請求によって支払われる。特別功労金(一般企業の特別退職金に相当。横綱・大関のみ)は支払われない。
なお解雇者への養老金については、2007年(平成19年)の15代時津風に対する処分の際、解雇者への養老金支払いについて明文規定がなかったにもかかわらず支払いが凍結されたため裁判に持ち込まれ、結局支払うことで両者が和解した。その後2009年(平成21年)、若麒麟真一が大麻取締法違反事犯を起こした際、除名を求める声もあったが外部役員から「養老金を支払わないために(前年の解雇と同様の事例を)除名にするのはおかしい」との指摘があり解雇に落ち着いた。この後協会は寄付行為施行細則を改正し、解雇であっても理事会の付帯決議で養老金の一部または全部を支払わないことができることを定めた[84]。ただ、養老金・退職金を受け取る権利を与えられた解雇者であっても若麒麟をはじめ請求しなかった例も多い。
賞罰規定による引退勧告処分は、2014年(平成26年)の公益財団法人化と同時に定められた。強制力のある『解雇』程ではないものの、土俵に上げさせない覚悟もあるという意思を表明すると位置づけられていて、公務員の依願退職に近い形で運用することを期待されている。この形での適用第一号となったのは、2018年(平成30年)の大砂嵐である。
協会には賞罰規定とは別に『故意の無気力相撲に対する懲罰規定』も存在しており、こちらでは以前から「引退勧告」の制度があった。
なお、力士のうち横綱の番付降下は事実上不可能であるため、これに相当する場合には横綱審議委員会が「引退勧告」を行うことができる。
理事会が発動する引退勧告には期限を付けることができ、期日までに引退届が提出されなければ強制力のある解雇処分に切り替えることができる。これに対し横審の引退勧告には強制力がない。
これまでの処分には以下のものがある。
2020年初頭から全世界的に流行している2019新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は角界にも大きな影響を与えている。
日本国内での感染拡大に際して、同年3月8日に大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で初日を迎えた3月場所については、戦後初となる無観客による開催を実施した。また、3月場所については「春場所開催中にコロナウイルスに感染した力士が出た場合は、その時点で中止」という方針を決め、感染防止対策や健康管理、取材規制など徹底したことで、無事に千秋楽を迎えることができた[104][105][106]。
しかし、3月場所後の4月には、日本国内でさらに感染が拡大し、政府による緊急事態宣言が発令される状況下で、角界でも新型コロナウイルスに感染する事例が発生した。高田川部屋で師匠の9代高田川、十両力士の白鷹山のほか、力士養成員も含めた数名の感染が公表され[107]、このうち、5月13日に三段目力士の勝武士が新型コロナウイルス感染症による多臓器不全のため死亡した。初の相撲部屋におけるクラスターとなったことや、角界を含む日本国内プロスポーツ選手の初の新型コロナウイルス感染症による死亡者であることに加え、28歳で死去した勝武士は、日本国内で年齢が明らかになっている中で20代で死亡した初の事例とされ、世間に大きな衝撃を与えた[108]。この事態を受け、同日、日本相撲協会は協会員の希望者全員の抗体検査を行う方針を表明した[109]。
5月に入り政府より改正・新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて4月に発令されていた新型インフルエンザ等緊急事態宣言が延長されたことを受けて、同月4日の臨時理事会で国技館での5月場所の開催中止を決定した。また、7月場所については「大人数による東京から名古屋への移動・長期滞在を避けるために」当初予定していた愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)から国技館へ場所を変更し、実施する方針を決めた[110]。当初は7月場所は、3月場所同様に無観客での開催を想定していたが、政府の緊急事態宣言が解除されたこともあり、1日当たり2,500人程度の入場制限を設けたうえで観客を入れる形で実施することとなり[111]、無事に千秋楽を迎えることとなった。
4月時点では荒汐部屋が部屋の力士達にコンビニへ買い物すらも行かせず、外出は夜8時以降に30分ほど、希望する力士が近所の公園などに散歩に出るだけなど、相当の自粛ムードが漂っていた[112]。
協会は協会員の感染防止のため専門家の助言を踏まえたガイドライン[113]を作成し、力士の原則外出禁止や出稽古禁止など制限を行っているが、7月場所開催中に幕内の阿炎らがガイドライン違反の夜間外出を行い、場所後に処分を受ける[114]など影響も出ている。
9月場所については、引き続き感染防止対策のガイドラインの厳守を協会員に求められたうえでの開催となったが、場所前に玉ノ井部屋において十両力士の富士東を含む部屋所属の協会員24名が感染するという、角界2例目の相撲部屋内でのクラスターが発生し、場所業務を行う14代玉ノ井を含む所属力士全員が感染拡大防止のために9月場所休場が決定した[115][116]。この玉ノ井部屋所属力士の休場に関しては、次場所の番付の扱いを場所後の番付編成会議で話し合う方針で救済措置が取られる可能性が示唆されており[117]、場所後の番付編成会議では全休した玉ノ井部屋の力士28人について、番付を据え置くこととなった[118]。その一方で、ガイドラインに反して不要不急の外出を行った16代時津風、10代松ヶ根の両親方に対しては謹慎休場とし、その後処分を受けた[119][120][121]。
11月場所については、7月場所と同様に福岡国際センターから国技館へ場所を変更し、入場上限を約5,000人に引き上げて開催した[122]。例年11・12月に行われる冬巡業の中止も決定し、これにより2020年は地方での本場所は無観客で実施した大阪のみとなり、すべての地方巡業が中止となることとなった[123]。11月場所終了後の12月に入り気温の低下等により日本国内でも感染者が増加する最中で、立浪部屋で幕内力士の天空海を含む部屋所属の協会員11名が感染し、角界3例目のクラスターとなった[124]。さらに年末年始には荒汐部屋でも師匠の8代荒汐、幕内力士の若隆景、十両力士の若元春以下協会員12名の複数感染が判明[125]するなど、相撲部屋での感染が続いている状態である。
日本相撲協会は12月25日、国技館で年寄総会を開き、関係者によると2020年度の収支決算が約55億円の大幅な赤字になる見込みであることが報告された。因みに大相撲八百長問題のあった2011年は1場所中止などで約49億円の赤字だった[126]。2021年3月13日、協会理事会で2020年度の収支決算が約50億円の赤字と報告されたことが判明したと報じられた。これにより黒字計上は2019年までの5年連続でストップ[127]。50億円という赤字額は過去最大[128]。この年の5月には、このまま減収が続けば協会が破産するのではと憂慮する報道もあった[129]。
年末年始の感染者増大を受けて、感染が特に拡大している東京都を含む1都3県(埼玉・神奈川・千葉)への政府による新型インフルエンザ等緊急事態宣言の再発出が年頭から取り沙汰されていた。これを受け、1月4日に芝田山広報部長は同月10日初日を迎える初場所を予定通り開催する方向であることを明かした[130]。緊急事態宣言は同月7日に発出されている。
当初は初日、2日目までは上限5,000人とし、3日目以降は観客の上限を国技館の収容人数の半分にあたる約5,300人にする予定だったが、政府の要請に従い、15日間を通じて1日あたりの上限を5,000人として開催。館内2階で予定していたちゃんこの販売も中止し、場所中の協会員は発熱やその他の症状があれば検査を徹底することも確認した[131]。なお前年度は全協会員に対する場所前の検査は抗体検査であったが、1月場所より場所前の検査は唾液PCR検査となっている[132]。
初場所前には散発的に協会員の感染発表が行われた。同月5日には宮城野部屋所属の69代横綱白鵬の陽性が発表され、昨年来3場所続いた休場明けで進退が注目される1月場所への出場が事実上不可能となった。同部屋所属の協会員も検査を受けて全員陰性が確認されたが、感染拡大防止のため同部屋所属の全力士が1月場所を休場することとなった[133][134]。
同月9日、協会員約900人に実施した一斉のPCR検査では、幕内の千代翔馬、十両の千代鳳を含む5名(関取衆のほかに九重部屋2名、友綱部屋1名の力士養成員)の陽性が新たに判明し、年末以降陽性者が発生した各部屋関係者を含め、感染または濃厚接触者の疑いのため、以下の通り1月場所の休場が決定した。これにより1月場所は関取15人を含めた力士65人が休場する事態となり[135]、直前に腰痛で休場となった71代横綱鶴竜を含む関取衆16人の休場は戦後最多の人数となった[136](その後、大関・貴景勝[137]、十両・美ノ海[138]および勢[139]が場所途中で休場したため、関取衆の休場者はさらに最多を更新して19人となった)。
その後、場所中に九重部屋での感染がさらに広まり、新たに師匠の14代九重以下複数の部屋所属の協会員が陽性判定となり、前述の一斉検査での陽性者を含めて17人の感染が判明している[141][142]。そのような異例の事態であったが、途中での打ち切りもなく同月24日の千秋楽まで有観客で開催された。
場所後の同月27日に行われた3月場所の番付編成会議では、前述の新型コロナウイルス感染もしくは濃厚接触者疑いによる休場となった力士の取り扱いのうち、幕下以下の力士については据え置きの救済措置を採り、番付降下のない横綱・白鵬を除く十両以上の関取衆については「休んだ力士全員の公平性を保ちながら番付を作成した」として、据え置き措置をおこなったかどうかは明言しなかったが、3月1日に発表された3月場所の番付では出場力士の成績に配慮した形で、新型コロナ関連で休場した力士のうち幕内と幕下以下については据え置き、十両については1枚番付を降下させて調整した。今後も新型コロナ関連で休場した力士の番付編成については、各場所ごとに協議することとなった[143][144][145]。
一方、1月場所初日前日の9日、佐渡ヶ嶽部屋所属の序二段力士が新型コロナウイルス感染への懸念を理由に自身のTwitterで引退表明を行った(協会員のSNS利用は2019年11月より協会内規で禁止されているが、引退届を提出済み)[146]。協会によると、序二段力士の申し出を受けた師匠の13代佐渡ヶ嶽から8日に電話で相談を受け、休場には診断書の提出が必要であることを説明したという[147]。力士は労働法規の保護を受けられない個人事業主であるため、協会の安全配慮義務違反等の指摘は出来ず、本人が進退を決めることとなる[148][注 5]。序二段力士は10日に所属部屋で断髪式を終えて[149]、場所後の27日に協会より引退が発表された[150]。
入門後に心臓の手術を受けている[151]序二段力士の引退は「勇気ある決断」「賢明な判断」「正しく怖がった結果」として受け止められた[152]。一方、協会側に対しては力士への配慮が欠けておりハラスメントではないかという指摘が見られた。ガイドラインを遵守し感染予防対策に万全を期した上での開催を協会は明言しているとはいえ、感染または濃厚接触疑いによる休場力士が多数生じていることや、国技館のある東京都が過去最多の感染人数を数える中で政府による緊急事態宣言下での有観客開催への非難も多く見られた[153]。
場所後の1月27日には、16代時津風が場所中に協会のガイドライン違反の外出を再度複数回にわたって行ったことが報じられた。協会は2月22日の臨時理事会で16代時津風を退職勧告処分とした(同日付で16代時津風は退職。時津風部屋は同部屋付きの20代間垣が17代時津風を襲名して継承)[89]。
3月14日から行われる3月場所は新型コロナウイルスの感染状況や拡大予防の観点から、大阪ではなく国技館での開催となり[154]、それに先んじて力士など関係者750人に行ったPCR検査の結果が同月11日に公表され、力士は全員新型コロナ陰性であったが、29代小野川(山響部屋付き)、23代音羽山(尾上部屋付き)の両親方が陽性であると発表された[155]。これにより、尾上・山響の両部屋に所属する力士28名を中心に、以下の通り3月場所休場が決定した[156][157]。
さらに、29代小野川と23代音羽山と同じく協会の社会貢献部に所属する以下の親方衆は検査では陰性であったものの、経過観察期間として4日目まで休場する[157]。
5月9日から行われる5月場所は、4月23日より政府より東京都に3度目の新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発令されたことに伴い、初日から当初の期限である11日(3日目)までは無観客開催とすることを決定した[158]。なお、宣言はその後政府により5月31日まで延長されたが、イベントの観客制限が緩和されたことに伴い、12日(4日目)より前売券を購入済みの観客らを入れて開催することとなった[159]。なお、5月場所初日までの間に十両の東龍など散発的に協会員の感染者がみられた[160][161]が、5月場所初日においての大規模な休場には至らなかった。
一方、幕内の竜電、大関・朝乃山に協会のガイドライン違反があったことが分かった。竜電は師匠の判断により初日より謹慎休場が発表され[162]、朝乃山は場所中にスポーツニッポンの相撲担当記者(後に同社を諭旨解雇処分[163])との複数回の夜間外出が報じられた。外出は緊急事態宣言中及び協会が外出禁止を通達している期間中(番付発表から千秋楽まで)であった。朝乃山は協会の聴取に対し「事実無根」と否定したが、その後一転して事実を認め、20日(12日目)より謹慎休場している[164][165]。5月場所後、同月27日の理事会で竜電と師匠の9代高田川の処分、6月11日の臨時理事会では朝乃山と師匠の8代高砂の処分がそれぞれ決定された[166][167]。なお、高砂部屋の先代師匠で2020年10月より部屋付きになっていた18代錦島(7代高砂)は事実上の引責退職に追い込まれている[168][169]。
7月4日から行われる7月場所は、予定通り愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で開催されることとなった。国技館以外の地方場所の開催は前年無観客開催で行われた大阪での春場所以来となり、有観客開催の地方場所は2019年の九州場所以来となる[170]。
相撲協会は新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場として墨田区に国技館を提供、国技館エントランスが接種会場となった。5月場所後には接種後の経過観察のための待機場所として升席が解放され、横綱のサイン色紙などが当たる抽選会も行われている[171][172]。墨田区民とともに、5月24日に65歳以上の協会員への接種[173][174][175]、6月23日・24日には部屋単位で親方衆・力士たちへの接種が行われた[176][177]。
名古屋への移動は協会員が集団で新幹線に乗り込む恒例の「相撲列車」[注 6]ではなく、部屋単位で行われる[178]。興行中は国技館での感染対策を踏襲し、各部屋の宿舎では見学や地元住民との交流も中止され、力士の外出も一部を除いて制限されることになる[179]。また、一部ではホテルを宿舎とし滞在中の宿舎に稽古のための土俵がない部屋もあった[180]。こうした感染対策の結果、名古屋場所開催中に新規陽性者やガイドライン違反を出すことなく無事に終了した[181]が、場所後の7月27日に高砂部屋で師匠の8代高砂、出場停止中の朝乃山ら7名の所属協会員が感染したクラスターが発生している[182]。
一方で69代横綱白鵬が、本来は無観客開催として関係者以外の立ち入りが禁止されている2020東京オリンピックの柔道の会場である東京武道館を訪れ、競技関係者と歓談していたことが関係者のSNS投稿で判明している。白鵬はモンゴルオリンピック委員会のアンバサダーを務めており、NOC(各国・地域オリンピック委員会)関係者として訪問したものとみられているが、ガイドラインでは協会員の不要不急の外出自粛を求めているものの、師匠である宮城野親方の外出許可があったかどうかは明言されておらず、芝田山広報部長は白鵬の行動に対して厳しく批判しているほか、世論からも厳しい意見が出ている[183][184]。
9月12日からの9月場所までの間には、前出の高砂部屋でのクラスター発生以降は、前頭の逸ノ城や十両の北青鵬、尾車部屋所属の世話人・錦風らの散発的な感染判明があり、このうち、北青鵬と別の力士1名の感染が明らかになった宮城野部屋の所属全力士の9月場所休場が決定している[185]。
11月場所前の10月22日、相撲協会が各部屋に通達を出したことを公表した。感染が拡大した2020年春以降は相撲部屋の稽古は非公開とされていたが、相撲協会員が2回目のPCR検査を終えた11月5日より、部屋師匠の判断で近親者や後援者に限り稽古見学が可能となるという。ただし感染予防対策として、検温・手指の消毒、マスクの着用が義務付けられ、力士たちとの接触は不可となっている[186][187]。
さらに11月場所では同場所の13日目以降、協会員の外出について条件付きで認めることが通達された。条件として「外出の際は師匠の許可を得ること」「出掛ける前の検温、体調の確認」「飲み過ぎに注意し泥酔をしないこと」「22時までには会食を終了し帰宿すること」などのルールを遵守したうえで、18時以降の後援者らとの会食、外食について許可されることとなった。ただし、接待を伴う店の利用は引き続き禁止される。芝田山広報部長はメディアの代表取材に対し「世間は通常の状況で営業したり、行動したりしているにもかかわらず、協会員は厳しい感染対策をしている。せめて本場所に影響のない状況の中で今回、緩和するということ。13日目からであれば、万が一のことがあっても、場所は終了できるということも含めて。今、緩和してあげないと、この先、第6波が来る可能性もある。協会員にも緩和して、気持ちをリフレッシュしてもらいたい」と緩和の理由を語っている[188][189]。なお、11月場所は協会員の感染による休場は見られず、同場所の千秋楽は2021年1月場所千秋楽以来となる「満員御礼」となった[190]。
2021年度はやはり新型コロナウイルス感染拡大の影響により30億円の赤字。2020年度に続いて先人達が作り上げた内部留保を崩す結果となった事から、もし2022年度に赤字を解消できなければ八角理事長に組織のリーダーとしての資質が問われ、協会内での造反が招かれかねない状況となった[191]。
前年末以降、海外で感染拡大している新型コロナウイルスのオミクロン株の流入が国内でもみられ、年末年始の人流の活発化により感染者の増加傾向がみられる中、初場所を前にした1月4日に田子ノ浦部屋で師匠の16代田子ノ浦と力士養成員2名、床山1名の感染が判明し、幕内の髙安を含む同部屋所属協会員14名が「陽性者及び濃厚接触の可能性がある」として1月場所の休場が発表された[192][193]。さらに初日に錦戸部屋でおかみ(師匠夫人)の感染が判明し、濃厚接触者となった師匠の10代錦戸と十両の水戸龍ら力士4名の1月場所休場が発表された(翌日に10代錦戸も陽性が判明した[194])[195]。
その後は場所中に新たな感染者を出すことはなかったが、全国での感染者の爆発的な増加傾向もあり、初場所終了後に元横綱・鶴竜と他部屋所属の行司1名[196]、さらに大関に昇進した御嶽海を筆頭に、関脇・隆の勝、小結・大栄翔、前頭・翔猿、剣翔、碧山、十両・大奄美[197][198]と関取衆・協会員の感染が続出、さらに2月6日に予定されている大相撲トーナメントなど花相撲に参加する協会員を中心に同月4日にPCR検査を実施した結果、以下の17名の関取衆・協会員の感染が判明した(幕下以下の力士養成員の感染は公表せず)[199]。大相撲トーナメントは最終的に幕内29名、十両15名の関取衆44名の欠場が決まったことから、前日に中止が決定した[200]。
大相撲トーナメント、NHK福祉大相撲の中止を受けて、日本相撲協会は2月8日に陽性者を除く全協会員を対象にPCR検査を実施し、新たに以下の関取衆・親方を含む協会員252名が初場所後に新型コロナウイルスに感染したことを発表した(※印は発表後の2月10日以降に感染が公表された協会員)[201][202][203][204]。
さらに、2月25日にこれまでの新型コロナウイルス陽性判明者以外の協会員約570人にPCR検査を実施し、13代中村、15代中川、13代稲川の3名の親方の新型コロナウイルス感染が明らかになった[205]。
3月場所は大阪で3年ぶりの有観客開催となり、当初は力士衆の新型コロナ感染・濃厚接触による休場はなく、感染が判明した幕内各行司の木村寿之介のみ休場と発表されていた[206]が、初日を翌日に控えた同月12日に尾上部屋所属の力士養成員2名の感染が判明し、同部屋所属の13名が休場となった[207]。また、場所終了後に6代大島、15代花籠、幕内・輝の感染が公表されている[208][209]。
5月場所は、初日1週間前となった5月2日に前頭・逸ノ城の新型コロナ感染が判明し、隔離期間の関係から5月場所の休場が決定した[210]。
5月場所終了後の6月6日より同月23日まで、新型コロナウイルス感染防止対策から禁止されていた出稽古が2年3か月ぶりに解禁された。出稽古の条件として、お互いの部屋の親方が人数や稽古日数などを了承したうえで、部屋に出向く力士が前日にPCR検査を受けて陰性を確認するほか、定期的な抗原検査が求められている[211][212]。
7月場所は直前の6月28日のPCR検査で、田子ノ浦部屋の幕内・髙安と力士養成員1名の感染が判明し、さらに7月2日の検査でも同部屋の力士養成員1名の感染が確認されたことから、師匠の田子ノ浦の判断により所属力士全員の7月場所休場が決定している[213]。
新型コロナウイルスの第7波となる爆発的な感染拡大に伴い、7月場所中に新型コロナ感染者が続出している。7月15日に出羽海部屋の関係者に新型コロナ感染が判明し、当場所は角番となっていた大関・御嶽海を含む同部屋所属の力士・関係者が7日目の同月16日より休場となった。後に御嶽海も新型コロナ感染が判明しており、関取衆の新型コロナ感染関連での途中休場は初のケースとなった。このため、御嶽海の来場所の大関陥落の判断も含めた出羽海部屋所属の力士の番付の取り扱いについては、場所後の番付編成会議で協議する方針を示しているが、御嶽海は来場所も大関の座に据え置かれる方向と見られている[214][215]。また、16日の時点で宿舎が別であった11代出羽海も8日目の翌17日に発熱の症状が見られたため、検査の結果新型コロナ感染が判明し、同日から休場となった。11代出羽海は名古屋場所の担当部長であることから、事業部長の9代陸奥が業務を代行する[216]。
さらに8日目の取組を終えた十両の欧勝馬が取組後のPCR検査で新型コロナ感染が判明し、9日目の翌18日から欧勝馬の所属する鳴戸部屋勢の力士と師匠の15代鳴戸が休場[217]となり、18日になって18代放駒も同日朝の検査で新型コロナ感染が判明したため、18代放駒と幕内・一山本、十両・島津海を含む放駒部屋の力士も9日目から休場[218]。翌19日には武蔵川部屋所属力士の新型コロナ感染が判明し、師匠の15代武蔵川と同部屋所属力士が10日目から休場[219]するなど中盤以降途中休場が続出し、終盤に入ると20日には佐渡ヶ嶽部屋と玉ノ井部屋の関係者に新型コロナ感染が判明し、審判部長を務める13代佐渡ヶ嶽と幕内最高優勝争いに関わっていた琴ノ若を含む両部屋の力士の休場が決定[220]。さらに前日に体調不良で休場した筆頭呼出の次郎(春日野部屋)も新型コロナ感染が判明するなど協会員の途中休場が増え続けており[221]、翌21日は浅香山部屋の関係者に新型コロナ感染が判明し、師匠の15代浅香山と部屋所属力士が12日目から休場。さらに三役格行司の木村容堂(九重部屋)も新型コロナの感染が判明し途中休場となるなど場所運営面にも影響しており、12日目には幕下以下の二番で「対戦相手双方がコロナ関連による休場で不戦敗」となる珍事も発生し取組編成も苦慮するようになっている[222]。
22日には伊勢ノ海部屋、片男波部屋、芝田山部屋の3部屋でも新型コロナ感染が判明し、さらに同日午後には追手風部屋で幕内・遠藤の新型コロナ感染が判明したことで、各部屋所属力士が13日目から休場となった(例外として追手風部屋所属で序二段全勝優勝した日翔志はこの日の午前中の取組であったため、遠藤の感染判明前で休場の対象外だった[223])。このため、13日目の中入り後取組18番のうち7番で不戦が発生し、錦富士対翔猿戦から錦木対逸ノ城戦までの5番が連続で不戦となるなど前代未聞の事態となった[224][225][226]。
千秋楽となった24日は取組進行中に八角部屋の幕内・北勝富士の新型コロナ感染が判明し、同部屋所属の幕内・隠岐の海が休場(同部屋所属の十両・北の若は判明前に取組を終えていた)。さらに協会理事長で師匠の8代八角が表彰式を欠席することとなり、事業部長の9代陸奥が職務を代行することとなった(協会挨拶は判明前に八角が行っていた)[227]。千秋楽翌日には14代二子山、13代立川の感染が判明している[228]。
7月場所千秋楽で番付掲載力士627人中179人(場所前に引退した松鳳山を除く)、関取衆23人(戦後最多。うち2人は新型コロナ関連以外での休場[229])が休場する異常事態となったものの、千秋楽まで開催は継続された。しかし、これまでコロナ感染関連で場所途中に休場したことによる次場所の番付上の取り扱いが明確になっていなかったことや、感染や濃厚接触疑いによる所属部屋力士の集団休場に伴う取組数の減少など、場所運営上様々な問題が浮上したことで、再検査で陰性だった場合は休場させないなど、感染していない力士らの出場案を模索するなど、協会は新型コロナ関連の出場ルールを再検討せざるを得ない状況となった[230]。
7月場所の成績を受けて、同月27日に番付編成会議で新型コロナ関連による休場力士の取り扱いなど約6時間近くにわたる協議が行われた[231]。その後、8月29日に発表された9月場所番付では、先場所角番で7日目の時点で2勝4敗の状態で新型コロナ関連による休場となった大関・御嶽海(最終的に2勝5敗8休)は西大関となり、角番は引き続き9月場所も継続となった。また、他の新型コロナ関連による休場力士のうち、休場時点で勝ち越しあるいは負け越しが決定していた力士は成績を反映させて番付を上下させ、一方で休場時点でどちらも決定していなかった力士は番付を据え置く措置がごく一部の例外を除いて取られた[232]。
9月に入り政府が感染者・濃厚接触者の隔離期間の短縮を発表したことを受けて、日本相撲協会は9月場所前の9日の取組編成会議で、これまでの感染者が出た部屋の全力士を千秋楽まで一律に休場させる措置を取りやめ、陽性者に関しては「判明した翌日から1週間休場し、その後に出場を可能」とし、感染者と同じ部屋に所属する協会員は濃厚接触者とし「陽性者が判明した翌日と翌々日に検査をして2回とも陰性だった場合は、感染者判明から3日後に出場を可能」と緩和した。また、感染者と生活拠点を異とする関取や部屋付き親方は濃厚接触者に当たらず、体調次第で出場可能とした[233]。
9月場所前には小結・阿炎、十両・朝乃若などの協会員の感染が散発的に判明した[234][235]。結局、阿炎は新型コロナと関係なく肘と足の手術を7月に行った影響により初日から休場した一方で、朝乃若は「新型コロナウイルス感染の後遺症」による不調を理由に初日から全日休場した。関取衆の新型コロナウイルス感染の後遺症を理由とした休場は初の事例となった[236]。なお、朝乃若の次の11月場所の番付については、これまでの新型コロナウイルス感染または濃厚接触による休場の救済が適用されず、通常の疾病による休場と同等の扱いとなったため、西十両5枚目から西幕下4枚目に降下となった。審判部長の伊勢ヶ濱は「(朝乃若は)コロナでの休場ではないので、(番付が)据え置きにはならないです」との認識を示した上で「あの位置で全敗だったら、あそこらへんまで落ちるのは全然不思議じゃないです」と述べた。また、親方衆からもこの措置に異論はないと説明している[237]。
2022年の経常収支は31億円の赤字で、3年連続の赤字。経常収益は21年度より約26億円増え、約101億円。経常費用は約24億円増の約132億円。正味財産は約32億円減少し、約265億円[238]。
国技館での本場所開催に当たっては、月日の経過とともに無観客から入場人員を増やす措置とともに、観客の感染防止対策として4人用の升席の利用制限(テープで仕切って1人→2人用に変更)、飲酒の禁止、食事スペースの設置、声援の自粛や拍手の推奨といった[122]措置を行っており、また、国技館のある東京都と連携して連携し、懸賞旗と同じ大きさ(縦120センチ、横70センチ)の告知旗を5種類作成。告知旗を持った呼出しが取組の合間の計3回土俵上を回り、感染防止対策を啓発している[239]。
また、新型コロナウイルスワクチンを日本へ供給しているモデルナが、2022年3月の大相撲令和4年3月場所から幕内の数番において懸賞を出しており、白地に赤い和風の文字で社名を書いた懸賞旗で土俵を一周している(懸賞アナウンスは「メッセンジャーRNAのモデルナ」)。相撲を通じてワクチン接種推進や同社の認知向上を広げようとする目算がある[240]。
また、協会は2021年7月に「土俵周り、花道でのマスク着用について」という文書を公表し、本場所を観戦に来た観客にも印刷物を配布して説明を行っている。それによると、全協会員が場所前にPCR検査を行い陰性の者だけが出場し手指の消毒・呼出が使う箒の消毒も行っており、また力士の取組について専門家は1~2分ほどであるため濃厚接触に当たらないと判断しているという。力士・勝負審判・行司・呼出は土俵周り・花道でのみマスクを外しているが、それは伝統文化である大相撲の様式美を守るためであり、それ以外ではマスク着用のうえ手指消毒などの感染対策をしている。また全協会員は番付発表の3日前から場所中の約1ヶ月間は行動制限があり、ルールを破った者に対し厳しい処分を行っていることも記述されている[241]。
前述の通り、本場所での開催中止や観客の入場制限が続いた影響で、日本相撲協会の収入が大幅に減収したほかにも、地方巡業が2年近く行われない事態が起きるなど、本場所以外のいわゆる花相撲にも大きな影響を与えている。毎年2月に行われる大相撲トーナメント(フジテレビジョン主催)、NHK福祉大相撲は2021・22年と2年連続で中止となった[242]。
また、引退する関取経験者の断髪式を行う引退相撲も新型コロナウイルス感染拡大の影響で特に2020年以降は開催延期が続出し、引退して年寄を襲名した親方が引退相撲、断髪式を行えずに、引退から2年近くも髷を残したまま業務に就く者も散見される。2021年に引退し年寄を襲名した元横綱の白鵬、鶴竜も例外でなく、それ以前に引退した親方の引退相撲の延期で国技館のスケジュールが積滞する状態となっており、2022年に入り、豪栄道、安美錦、豊ノ島といった2020年以前に引退した元力士の引退相撲が本場所の合間を見て行われるようになってはいるものの、国技館のスケジュールの積滞は続いている状態に変わりはなく、白鵬の引退相撲は2023年1月、鶴竜の引退相撲は2023年6月に開催予定となっている。また、2020年1月に引退した荒鷲(元幕内、外国籍のため年寄は襲名せず)のように当初の予定が延期となった上に、諸事情から国技館を使用しながらも引退相撲を実施せず、関係者に限った断髪式のみを実施するケースも発生している[243][244]。
2022年3月31日の理事会で、同年7月場所より観客人数の上限を設けない[245]ことと、2019年11月を最後に中止されていた地方巡業を再開することが決定された。感染対策については既存の新型コロナウイルス対応ガイドラインと別に巡業実施に特化したガイドラインを制定したうえで[246][247]、7月場所終了後の2022年8月5日、東京都立川市を皮切りに関東地区5か所での約2年8か月ぶりの地方巡業が始まっている[248]。
在職中、または現役中に相撲界の発展に多大に寄与した者に対し、日本相撲協会葬を行う。原則として、在職中に死去した理事経験者か横綱の場合に限る[249]。ただし、協会を退職していた出羽ノ花國市や三役にも理事長にもなっていない柏戸秀剛、関取経験の無い橋詰正次が協会葬になった例がある。なお、第58代横綱の千代の富士貢は理事経験者で現役協会員のまま死去したが、協会葬ではなく、お別れ会として開催された。また、千代の山雅信と隆の里俊英などは元横綱で現役協会員のまま死去したが、理事経験者ではなかった為、協会葬は実施されていない[注 7]。
また、協会を停年退職後に死去した為に理事長経験者の初代若乃花幹士や佐田の山晋松、魁傑将晃が協会葬にはならず、千代の富士と双璧をなす大横綱かつ理事経験者の大鵬幸喜も停年協会退職後の為に協会葬にはならなかった(国技館エントラスンホールでお別れ会は実施された)。
※名前は逝去時。退職者は本名。
2009年よりマスコットとして「ハッキヨイ!せきトリくん」が登場した。せきトリを目指す「ひよの山」を主人公に「そっぷ山」「赤鷲」などのキャラクターも登場。デザイナーはにしづかかつゆき。 大相撲にマスコットを設置した理由については、相撲離れの進む若い世代にもっと相撲に興味をもらう事が目的の一つであるという。 公式サイトや関連刊行物にも子供達が読みやすいよう、漢字に読み仮名を振る配慮がされている。 2010年よりぬいぐるみや文房具などグッズも作られる。
2022年1月より大相撲史上初めてとなるスポンサー契約を、伊藤園とのトップパートナー契約[251]を皮切りに開始した。以下協賛企業は幕内取組での懸賞や関連イベント、タイアップなどで展開される。
[注 9]
Hall in Beijing, ChinaHall of Central Harmony中和殿The Hall of Central HarmonyLocation within BeijingAlternative namesZhōng Hé DiànGeneral informationTypeHallLocationForbidden CityTown or cityBeijingCountryChinaCoordinates39°54′59.3″N 116°23′26.2″E / 39.916472°N 116.390611°E / 39.916472; 116.390611 The Hall of Central Harmony (Chinese: 中和殿; pinyin: Zhōng Hé Diàn; Manchu: ᡩᡠᠯᡳᠮᠪᠠ ᡳ ᡥᡡᠸᠠᠯᡳᠶᠠᠮᠪᡠᡵᡝ…
Міхал Бухалік Особисті дані Повне ім'я Міхал Бухалік Народження 3 лютого 1989(1989-02-03) (34 роки) Рибник, Польща Зріст 190 см Громадянство Республіка Польща Позиція Воротар Інформація про клуб Поточний клуб «Лехія» Номер 1 Юнацькі клуби 2005–2006 «РКП Рибнік» «Енергетік»
Virgen con el Niño Año Hacia 1445-1450Autor Domenico VenezianoTécnica Pintura al temple sobre madera de álamoEstilo RenacimientoTamaño 83 cm × 57 cmLocalización Galería Nacional de Arte, Washington D. C., Estados Unidos[editar datos en Wikidata] Virgen con el Niño es una pintura al temple sobre madera de álamo realizada por el pintor italiano Domenico di Bartolomeo da Venezia, más conocido como Domenico Veneziano, fechada alrededor de los años 1445-1450 y qu…
Cet article est une ébauche concernant la bande dessinée. Vous pouvez partager vos connaissances en l’améliorant (comment ?) selon les recommandations des projets correspondants. Pour les articles homonymes, voir Les Lutins. Les Lutins est une série de bande dessinée d'heroic fantasy créée par Pierre Dubois (scénario), Stéphane Duval (dessin) et Florence Breton (couleurs), éditée en album de 1993 à 1997 par Delcourt, dans sa collection Terres de légende[1]. Publication Tome T…
ジョージ・ポコック海軍中将ジョージ・ポコック、トマス・ハドソン画。生誕1706年3月6日死没1792年4月3日(1792-04-03)(86歳)メイフェア、カーソン・ストリート(英語版)所属組織 グレートブリテン王国部門 イギリス海軍軍歴1718年 – 1766年最終階級海軍大将指揮カンバーランド (Cumberland)(en)東インド艦隊戦闘 七年戦争 カッダロールの海戦 ハバナの戦い ポンディシ
Flórián Albert Flórián Albert Personalia Geburtstag 15. September 1941 Geburtsort Hercegszántó, Ungarn Sterbedatum 31. Oktober 2011 Sterbeort Budapest, Ungarn Größe 182 cm Position Mittelstürmer Herren Jahre Station Spiele (Tore)1 1958–1974 Ferencváros Budapest 351 (256) Nationalmannschaft Jahre Auswahl Spiele (Tore) 1959–1974 Ungarn 75 0(31) Stationen als Trainer Jahre Station 1978–1982 Al-Ahly Bengasi 1985 Al-Ahly Bengasi 1 Angegeben sind nur Ligaspiele. Fl
ذراع قنطورسمعلومات عامةجزء من درب التبانة سُمِّي باسم الترسقنطورس الحقبة J2000.0 (en) [1] المطلع المستقيم 187٫5 درجة[1] الميل −60 درجة[1] ذراع الدجاجة المجري ذراع رامي القوس تعديل - تعديل مصدري - تعديل ويكي بيانات أذرعة المجرة، وذراع قنطورس يسمى هنا Scutum-Crux Arm. موقع المجموعة …
Dutch footballer (born 1999) Cody Gakpo Gakpo with Netherlands U18 in 2017Personal informationFull name Cody Mathès GakpoDate of birth (1999-05-07) 7 May 1999 (age 24)Place of birth Eindhoven, NetherlandsHeight 1.91 m (6 ft 3 in)[1]Position(s) Centre-forward, attacking midfielder, left wingerTeam informationCurrent team LiverpoolNumber 18Youth career2007–2016 PSVSenior career*Years Team Apps (Gls)2016–2019 Jong PSV 26 (17)2018–2023 PSV 106 (36)2023– Liverpool…
Artikel ini sebatang kara, artinya tidak ada artikel lain yang memiliki pranala balik ke halaman ini.Bantulah menambah pranala ke artikel ini dari artikel yang berhubungan atau coba peralatan pencari pranala.Tag ini diberikan pada Februari 2023. A Land So Rich in Beauty adalah sebuah seri drama Tiongkok tahun 2021 garapan An Jian dan ditulis oleh Wang Cheng Gang. Seri tersebut menampilkan Luo Jin, Mabel Yuan, Shen Meng Cheng, Zhang Zi Jian, Wang Kui Rong, dan Li Qian.[1] Sinopsis A Land …
1934 film by Archie Mayo Gambling LadyTheatrical release posterDirected byArchie MayoScreenplay by Doris Malloy Ralph Block Story byDoris MalloyProduced byHenry BlankeStarring Barbara Stanwyck Joel McCrea Pat O'Brien CinematographyGeorge BarnesEdited byHarold McLernonMusic byBernhard KaunDistributed byWarner Bros. Pictures, Inc.Release date March 31, 1934 (1934-03-31) (USA) Running time66 minutesCountryUnited StatesLanguageEnglishBudget$230,000[1]Box office$653,000[…
Six U.S. Army enlisted men courts-martialed for refusing orders to Vietnam in June 1970 The Fort Lewis Six arrested in June 1970 for refusing orders to Vietnam. The Fort Lewis Six were six U.S. Army enlisted men at the Fort Lewis Army base in the Seattle and Tacoma, Washington area who in June 1970 refused orders to the Vietnam War and were then courts-martialed.[1] They had all applied for conscientious objector status and been turned down by the Pentagon. The Army then ordered them to …
Cet article est une ébauche concernant le Concours Eurovision de la chanson et la Belgique. Vous pouvez partager vos connaissances en l’améliorant (comment ?) ; pour plus d’indications, visitez le projet Eurovision. Belgiqueau Concours Eurovision 2023 Données clés Pays Belgique Chanson Because of You Interprète Gustaph Langue Anglais Sélection nationale Radiodiffuseur VRT Type de sélection Eurosong 2023 Date 14 janvier 2023 Concours Eurovision de la chanson 2023 2022 2…
La letteratura galiziano-portoghese[1] medievale è quella scritta in galiziano-portoghese in diverse zone della Penisola Iberica tra i secoli XII e XV e comprende la lirica sacra e profana e differenti tipi di prosa. Tra i secoli XII e XIV fiorì nell'occidente della Penisola Iberica un movimento poetico in lingua galiziano-portoghese, che rappresenta l'unica forma di poesia scritta in lingua romanza nei regni di Galizia (prima e dopo dell'indipendenza del Portogallo), León e Castiglia…
2004 single by Amy Winehouse In My BedSingle by Amy Winehousefrom the album Frank B-sideYou Sent Me FlyingBest Friend (acoustic)Released5 April 2004 (2004-04-05)RecordedMarch 2003StudioCreative Space(Miami, Florida)Length5:17LabelIslandSongwriter(s) Amy Winehouse Salaam Remi Producer(s)Salaam RemiAmy Winehouse singles chronology Take the Box (2004) In My Bed / You Sent Me Flying (2004) Pumps / Help Yourself(2004) Music videoIn My Bed on YouTube In My Bed is a song by English singe…
American space scientist and engineer Jerome Pearson (19 April 1938 - 27 Jan 2021) was an American engineer and space scientist best known for his work on space elevators, including a lunar space elevator. He was president of STAR, Inc., and has developed aircraft and spacecraft technology for the United States Air Force, DARPA, and NASA. He held several patents and was the author of nearly 100 publications in aircraft, spacecraft, electrodynamic tethers, SETI, and global climate control. Biogra…
You can help expand this article with text translated from the corresponding article in German. (March 2017) Click [show] for important translation instructions. View a machine-translated version of the German article. Machine translation, like DeepL or Google Translate, is a useful starting point for translations, but translators must revise errors as necessary and confirm that the translation is accurate, rather than simply copy-pasting machine-translated text into the English Wikipedia. …
Untuk pohon dengan nama yang sama, lihat Kersen (Muntingia). Untuk kegunaan lain, lihat kersen (disambiguasi). Kers Prunus cerasus Pohon kersen yang mulai mekar di SwissTumbuhanJenis buahbuah berbiji TaksonomiDivisiTracheophytaSubdivisiSpermatophytesKladAngiospermaeKladmesangiospermsKladeudicotsKladcore eudicotsKladSuperrosidaeKladrosidsKladfabidsOrdoRosalesFamiliRosaceaeSubfamiliAmygdaloideaeTribusAmygdaleaeGenusPrunusSpesiesPrunus cerasus Linnaeus, 1753 Tata namaSinonim takson Daftar Cera…
This article has multiple issues. Please help improve it or discuss these issues on the talk page. (Learn how and when to remove these template messages) This article consists almost entirely of a plot summary. Please help improve the article by adding more real-world context. (July 2015) (Learn how and when to remove this template message) This article needs additional citations for verification. Please help improve this article by adding citations to reliable sources. Unsourced material may be…
1940 American filmThe Devil BatTheatrical release posterDirected byJean YarboroughWritten byJohn Thomas NevilleBased onoriginal story byGeorge BrickerProduced byJack GallagherStarringBela LugosiCinematographyArthur Martinelli, A.S.C.Edited byHolbrook N. ToddMusic byDavid Chudnow(musical director)ProductioncompanyProducers Releasing CorporationDistributed byProducers Releasing CorporationRelease date December 13, 1940 (1940-12-13)[1] Running time68 minutesCountryUnited Stat…
1938 film by George Cukor ZazaTheatrical posterDirected byGeorge CukorScreenplay byZoë AkinsJules Furthman (uncredited)Based onZazaby Pierre Berton and Charles Simon [fr]Produced byAlbert LewinStarringClaudette Colbert Herbert Marshall Bert LahrHelen WestleyConstance CollierGenevieve TobinWalter CatlettCinematographyCharles LangEdited byEdward DmytrykMusic byFrederick HollanderProductioncompanyParamount PicturesDistributed byParamount PicturesRelease date January 14, 1939…
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