文化庁保管文化財一覧(ぶんかちょうほかんぶんかざいいちらん)は、日本国の文化財保護法に基づき国宝または重要文化財に指定されている有形文化財のうち、同国の文化庁が保管するものの一覧である。
日本国(以下「国」という)の文化庁が保管する重要文化財(国宝を含む。以下同)には、購入によって国の所有となったものと、新たに発掘された埋蔵文化財のうち、その重要性にかんがみ、国が保有することとなったものがある。
国に対し、文化財の売渡しの申出があった場合、文化庁では「国宝・重要文化財等買取基準」(昭和49年12月11日文化庁長官裁定)に基づき、購入候補物件を選出。「国宝・重要文化財等買取要領」(昭和46年4月1日文化庁長官裁定)に基づき、5人以上の学識経験者からなる「買取協議員」を委嘱して購入の是非についての意見を聞き、また、5人以上の「評価員」を委嘱して、その文化財の評価(価格)を決める。既指定の重要文化財を購入する場合もあり、未指定の文化財が、国の購入後に重要文化財に指定される場合もある。
このような、有形文化財の国による購入は、文化財保護法が施行された1950年以降継続して行われてきた。国が購入した有形文化財は、当面は文化庁(1968年6月までは前身の文化財保護委員会)が保管し、後に東京・京都・奈良の国立博物館、東京・京都の国立近代美術館、千葉県の国立歴史民俗博物館等へ適宜移管され、公開・活用されてきた。このように、文化庁保管の文化財を国の機関である博物館、美術館等へ移管することを行政用語で「管理換」(かんりがえ)と呼ぶ。2001年にはそれまで国の機関であった国立博物館・国立近代美術館が独立行政法人の施設となり、2004年には国立歴史民俗博物館が大学共同利用機関法人の機関となった。こうした制度変更に伴い、文化庁保管の文化財が新たに「管理換」されることはなくなった。その後、文化庁保管の文化財は、国立博物館・国立美術館に貸与して適宜公開するとともに、平成15年(2003年)以降は毎年1回、各地の博物館・美術館で開催している「文化庁購入文化財展 新たな国民のたから」でまとめて公開されている。
日本各地から多量に発掘される埋蔵文化財のうち、国の機関又は独立行政法人国立文化財機構が発掘したものであって、その所有者が判明しないものの所有権は国庫に帰属することとされている(文化財保護法第104条)。ただし、こうした埋蔵文化財の大部分は発掘地の地元の地方公共団体に譲与されており、当該埋蔵文化財の重要性にかんがみて「国が保有すべき」と判断されたもののみが国の保有とされている。こうして国が保有することとなった埋蔵文化財は、書類上の所有者は「国(文化庁保管)」となっているが、実際は、出土地の自治体に所在する博物館等に半永久的に貸与され、公開されている。
文化庁による購入後に重要文化財に指定されたものについては、指定年度を注記。
指定年度の後の括弧内は、実際の保管先
平成30年度までの購入文化財は下記による。
※平成31年(2019年)4月以降の購入文化財については、当該購入に係る記載のある官報号外(政府調達)を脚注で示す。