摂取寺(せっしゅじ)は、熊本県宇城市小川町北部田[1]に所在する浄土宗の寺院である。山号は海雲山。
概要
開基
元禄4年(1691年)4月9日、肥後国八代町の荘厳寺住職准誉により開基される。
開基以前
応仁の乱後の戦国時代、天文年間から弘治年間(1532年 – 1558年)にかけて、兵乱により大破し、寛文年間(1624年 – 1644年)に再建されたとの伝えがある。阿蘇家の古文書には「天文19年(1550年)12月8日阿蘇惟豊は益城郡内の守山のうち、摂取寺3町を宛てがっている」との記述がある[2]。また、一切経(黄檗版大蔵経(鉄眼版))で知られる黄檗宗の禅僧・鉄眼道光の事を記した「鉄眼禅師行実」には、鉄眼は、寛永19年(1642年)の13歳の時より17歳まで、摂取寺の海雲和尚について仏教の勉強をした、とある[3]。
以上のことより、准誉による開基以前より、何らかの形で僧職が宗教活動を行なっていたことがわかる。それらの活動を含めると、寺院の歴史は少なくとも500年以上に及ぶと言われている[4]。
行事
- 1月25日 – 法然上人の御忌会(ぎょきえ)
- 2月15日 – お釈迦様の涅槃会(ねはんえ)
- 4月8日 – 花まつり
- 8月25日 – お施餓鬼会(せがきえ)
- 9月18日 – 清水観音祭り
文化財
その他
- 境内
- 清水観音堂
- 肥後国藩主細川家の4人(2代忠興公、3代忠利公、4代光尚公、宇土支藩初代行孝公)の位牌が納められており、細川家と関係が深かったことがわかる。
脚注
- ^ 旧下益城郡北部田村、小野部田村北部田
- ^ 小川町教友会編纂『小川のむかしばなし』小川町教友会、2001、20頁
- ^ 小川町史編纂委員会編纂『小川町史』小川町役場(熊本県)、1979、370-371頁
- ^ 小川町教友会編纂『小川のむかしばなし』小川町教友会、2001、21頁
参考文献
- 下益城郡教育支会編纂 『下益城郡誌』 臨川書店、1922年、466頁
- 日本歴史地名大系44 『熊本県の地名』 平凡社、1985年、644頁
- 角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典43 熊本県』角川書店、1987年、1479頁
関連項目