打ち水(うちみず)は、道や庭先などに水をまくこと[1]。また、その水のこと。打水とも。
おもてなしとしての打ち水
茶道では準備が整ったことを知らせる際に門前に打ち水をする。
土埃を鎮め、清々しくお客様をお迎えする。[2]また、苔や敷石などを濡らすことで表情を作り庭を演出する効果もある。
ヒートアイランド対策としての打ち水
近年では東京都などの全国の市町村が都市部のヒートアイランド対策として、一斉に打ち水を行うという計画を進めている。また、政府も地球温暖化対策キャンペーンの一環として打ち水を奨励している[3]。
環境省は、「雨水や下水再生水などの二次利用水を活用した『打ち水』の生活習慣化は、無理のない節水に繋がり、貴重な水資源の有効利用に結びつく」として、水の週間一斉打ち水大作戦を2008年から毎年展開している[4]。
また近年は水道局もこうした打ち水イベントに取り組んでいる[5]。その一例が下水再生水の無償提供である。東京都下水道局は2017年、事前に連絡の上、再生水を持ち運べる容器を持参することで、水再生センターで無料提供した[6]。
また人間の手による打ち水に加え、一部の都市では保水効果を高めるため道路に追加舗装をしているところもある。
新潟県三条市など積雪地域では、道路などに設置された消雪パイプを利用して打ち水を実施する試みもある[7]。
打ち水大作戦20xx
2003年(江戸開府400年)に「大江戸打ち水大作戦」として始まった。
基本的なやりかた[8]
- 容器に水をいれます。
- 使う水は水資源に考慮しながら、安全な水を使いましょう。雨水や二次利用水を使うのもいいでしょう。安全な二次利用水などが用意できない場合は水道水で
- 水をまきましょう。
- 車や周りの人になど周囲に注意し、手やひしゃくでまきましょう。
- 涼を感じましょう。
など、2010年から作法を作った。当初は水道水禁止などあったが、現在は令和版として衛生面も考慮した作法となっている。
- 主催 - 打ち水大作戦本部
- 事務局 - NPO法人 日本水フォーラム
- 後援
- 国土交通省
- 環境省
- 東京都
- 九都県市首脳会議環境問題対策委員会(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)
全国の大都市では、下水を高度処理した下水処理水や一時的に貯留した雨水等を活用し、さまざまな形で「打ち水大作戦」を応援している[9] 。
打ち水の実行効果
打ち水を行ったことによる効果は以下のとおり。
メリット
- 土埃や埃を抑える効果がある
- 気化熱を利用し涼気をとる(水1gの蒸発につき約0.58kcalの熱が奪われる)
デメリット
- 湿度が高くなった結果、体感温度を上げる効果が出る。「水が一瞬で蒸発し、余計に暑く感じる」と苦情が相次ぎ中止する自治体も出ている[10]。
- 蒸発によって対流が発生し、湿った風が発生する
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク