成田離婚(なりたりこん)とは、結婚したての男女が新婚旅行を機に離婚することをいう。1990年代から使われた語。現在でいう「スピード離婚」の1つで、日本において当時多くの国際便が発着していた成田空港の名をとってそう呼ばれる。
概説
新婚カップルが新婚旅行直後の成田空港への到着の後に離婚してしまうことをいう[注釈 1]。理由は些細なトラブルからのお互いの関係の悪化、もしくは結婚相手としての適性の再検討など。
バブル景気当時は未婚女性が海外旅行を楽しむ機会が多くなった。一方、男性には海外渡航経験が少ない傾向があった。日本では立派に見えた夫が、慣れない海外でトラブルの際などに適切な行動ができなかったことなどが原因で口論に。結果、離婚に至ったというケースが多いとも説明された。
背景
普段の生活スタイルの違いによる、新婚旅行中の男女のすれ違いが主な理由とされる。
女性側は「新婚旅行に夢を膨らまし準備を周到に済ませるも、現地での行動などにおいて男性側に多くを期待する傾向にある」。一方の男性側は「多忙により十分な準備ができない上、女性からの一方的な期待、依存に応えることができない」。上記のように自分の事を棚に上げ、相手側に責任を負わせる1面も見られる。
主なトラブル
国内旅行でも起こるトラブルには以下の5つが挙げられる。
- 旅客機の乗り遅れによる口論
- 荷物の紛失による口論
- 旅行先におけるトラブルをきっかけとした口論
- 旅行先の飲酒で酒癖の悪さがわかったことによるもの
- 2人きりになるため、相手の本性が露わになることによるもの
一方で、明らかに常識外れな行動が新婚旅行中に目立ち、配偶者の評価が旅行中に急降下、結果的に離婚に至ったケースなども当時マスメディアに取り上げられている。週刊朝日・夏目房之介の『デキゴトロジー』には以下のような突飛な事例があったことが記載されている。
脚注
注釈
- ^ 関西では関西国際空港を指して『関空離婚』(伊丹空港に国際線が就航していた時代は『伊丹離婚』。後述のオーストラリア花嫁失踪騒ぎも、出発こそ成田空港からだったが、帰国したのは伊丹空港だった)と呼ばれていた。なお1990年代当時は羽田空港はチャイナエアライン以外の国際線が就航しておらず、2010年に国際線ターミナルが完成し、2020年に全ターミナルに就航するまではチャーター便のみだった。またセントレアは未開港
関連項目