株式会社徳島銀行(とくしまぎんこう)は、徳島県徳島市に本店を置いていた第二地方銀行。2020年(令和2年)1月1日に大正銀行と合併し、徳島大正銀行となった。
イメージキャラクターは「トクベ~」、キャッチフレーズは「つきあえば、とくぎん、徳島銀行」。
概要
旧徳島相互銀行を前身とする県内唯一の第二地方銀行で、徳島県における第二の銀行としての性格を有する。本店所在地である徳島県を基盤に四国各県の他、特に阪神地方には多く展開しており、店舗数は徳島県63店舗、大阪府6店舗、兵庫県4店舗(うち淡路島2店舗)、東京都に3店舗、香川県・愛媛県に各2店舗、高知県1店舗の計81店舗である[1]。
徳島銀行をメインバンクとしている徳島県内の企業は1,652社で、県内シェアは19.1%である[2]。
2015年4月、旧本店の隣接地に総工費約40億円を投じ建設が進められてきた10階建ての新本店が竣工した。本部部署は順次移転され、本店営業部は同7月21日から新社屋で業務が開始された[3]。
経営統合
香川銀行との経営統合を目的として2010年(平成22年)4月1日、香川銀亀井町ビル内に金融持株会社・トモニホールディングスを設立して、ここに両行が傘下入りした。これを受けて同年3月29日に徳島銀行としての上場を廃止し、トモニHDとして設立と同時に上場している[4]。
2016年(平成28年)4月1日には大阪市の第二地銀である大正銀行もトモニHDの傘下に入ったが、その発表の際に、これまでの単なる「経営統合」に加えて香川・徳島両行と大正銀行の合併を含めたグループの再編についても合わせて検討が行われていることが明らかになった[5]。
2018年(平成30年)3月23日、大正銀行と2019年秋までに合併することが発表された[6][註釈 1]。これについて、合併はコスト改善効果が大きく、また当行の強みである事業性融資や中小企業取引及び大正銀行の強みである住宅・不動産分野について、ノウハウ共有を一段と進めることが目的であるとトモニホールディングス社長の遠山誠司は明かしている[6][註釈 2]。また、当行頭取の吉岡宏美やトモニホールディングス会長の柿内慎市は「徳島県と大阪府は昔からヒト・モノ・カネの往来が多い結びつきがある」ことからビジネスマッチングやM&Aなどの仲介等で顧客にメリットがあるとした[6][8][註釈 3][註釈 4]。
2018年8月10日、大正銀行との合併をシステム統合の安全性を考慮し、2020年1月1日付とすることを取締役会において決議したことを公表[10][11][12][13]。合併計画の変更と合わせて合併後の新銀行名を「徳島大正銀行」とし、また、本店所在地は現在の徳島銀行本店とすること及び合併後のシステムは徳島銀行が用いているものに統合することも公表した[10][13]。なお、合併後初の横領事件の被害者は旧大正銀行の顧客であるが、横領事件を起こした行員Eは旧徳島銀行に在籍していた[14]。
店舗
2014年7月17日、第19次長期経営計画において、関西地区に加え東京地区を新たな戦略エリアとして設定したことに沿って、都下第二店舗として大田区に蒲田支店を開設した[15][16]。亀戸支店も開設された。
店舗統合の際、口座店のみを残すブランチインブランチの手法をとったケースがある。括弧内は統合先の店舗。
- 南小松島支店(小松島支店)
- 鳴門東支店(鳴門支店、2018年12月3日から。ATMコーナーは残存)[17]
- 穴吹支店(脇町支店、2018年12月3日から。ATMコーナーは残存)[17]
沿革
歴代社長
1936年(昭和11年)5月24日 富岡無尽株式会社 以降。
情報処理システム
営業政策
自動機サービス等
ATMは四国の第二地方銀行4行(徳島銀行・香川銀行・愛媛銀行・高知銀行)で「4 YOU NET(フォーユーネット)」の名称で提携し、4行間では他行利用手数料が無料となる。
三菱UFJ銀行ATMでの徳島銀行のキャッシュカードでの出金も、提携金融機関ATM利用手数料が無料となるが、その逆(徳島銀行ATMでの三菱UFJ銀行のキャッシュカードでの出金)は無料とならない。
地域貢献
四国に本店をおく地方銀行・第二地方銀行として初めてISO14001を取得。吉野川へのアドプトプログラムへの参加、徳島県立高丸山千年の森づくりへの参加等を行っている。
関連会社
関連項目
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脚註
註釈
- ^ 今回の合併は大正銀行と当行の2行のみの合併で香川銀行は加わらないが、これについて「一度に傘下3行が合併するのは労力がかなりかかる」ことを懸念しているとトモニホールディングス社長の遠山誠司はコメントしており今後の状況を見極めて検討するとした一方、トモニホールディングス会長の柿内愼市は「基本的に2バンク制は維持したい。香川銀行との合併計画は全くない。」とコメントしている[6][7]。
- ^ 特にコスト改善については大正銀行は既に、当行と同一のシステムを有していることから、事務効率化等も期待できると日本経済新聞は指摘している[6]。
- ^ この他、当行と香川銀行は地元の資金需要が鈍いものの規模は比較的大きく、一方で大正銀行頭取の吉田雅昭によれば「大正銀行は不動産中心で資金需要はあるものの小規模で限りがある」点が課題であり、「大正銀行と当行が合併すれば潤沢な資金をよりいかせる」というメリットも期待されている[6]ほか、徳島商工会議所会頭の中村太一も「人口減に伴って県外への進出を考える企業が増えている。両行の営業エリアが合わさることは徳島の経済界にとってプラス。」と評価している[6][8]。
- ^ また岩手日報によれば関西エリアでは、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行及びみなと銀行の経営統合が予定されており、これに対抗する狙いもあるのという[9]。
出典
- ^ “2015年3月期 ディスクロージャー誌 ■徳島銀行 資料編コーポレートデータ” (PDF). トモニホールディングス (2015年7月31日). 2015年10月18日閲覧。
- ^ “第1回徳島県内企業のメーンバンク実態調査” (PDF). 帝国データバンク徳島支店 (2010年8月13日). 2015年10月19日閲覧。
- ^ “新本店ビルの竣工について”. 徳島銀行. (2015年4月8日). http://www.tokugin.co.jp/newsrelease/news2015/news_150408.html 2015年5月13日閲覧。
- ^ “香川銀株、取引終える”. 四国新聞. (2010年3月27日). https://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20100327000143 2015年4月14日閲覧。
- ^ “大正銀買収で基本合意、2行と合併も”. 四国新聞. (2015年4月11日). https://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20150411000093 2015年4月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g 『大正銀・徳島銀合併へ、大阪の中小開拓加速、システム統一でコスト減』(日本経済新聞 2018年3月13日朝刊 大阪版9頁(関西経済面))
- ^ “関西の地盤拡大 来秋、大正銀と合併目指す /徳島”. 毎日新聞ニュース. (2018年3月13日). https://mainichi.jp/articles/20180313/ddl/k36/020/481000c 2018年3月24日閲覧。
- ^ a b 『徳島銀と大正銀、来秋めど合併――徳島経済界、歓迎の声、「県外進出にプラス」』(日本経済新聞 2018年3月13日朝刊 四国版12頁)
- ^ “大正銀と徳島銀が合併へ 19年秋、トモニHD傘下”. 岩手日報. (2018年3月13日). https://www.iwate-np.co.jp/article/kyodo/2018/3/12/10695 2018年3月24日閲覧。
- ^ a b 『関西で存在感向上狙う、大正銀・徳島銀合併、中小と取引拡大』(日本経済新聞 2018年8月11日大阪版朝刊10頁 関西経済面)
- ^ 『徳島銀・大正銀、20年1月合併、「システム安全性考慮」、トモニHD社長』(日本経済新聞 2018年8月11日四国版朝刊12頁)
- ^ 徳島銀と大正銀、合併は20年1月 本店は徳島(日経電子版 2018年8月10日19:00配信)
- ^ a b 『合併期日は20年1月1日、徳島銀と大正銀』(日本経済新聞 2018年8月11日大阪版朝刊5頁)
- ^ 当行元行員による不祥事件の発生について
- ^ “蒲田支店の設置について”. 徳島銀行. (2014年2月28日). オリジナルの2014年7月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140725031422/http://www.tokugin.co.jp/newsrelease/news2013/news_140228_2.html 2014年10月15日閲覧。
- ^ 「Baila Bien 徳島銀行 蒲田支店開設で県外取引拡大を目指す」『週刊金融財政事情』 2014年10月13日号
- ^ a b 鳴門東支店および穴吹支店の窓口移転について
外部リンク