広瀬 浩二郎(ひろせ こうじろう、1967年11月20日[1] - )は、日本の文化人類学者。国立民族学博物館人類基礎理論研究部教授。日本宗教史・民俗学・障害者文化論・触文化論を研究。
略歴
東京都生まれ。1歳の時に白内障で左目を失明する。右目もその頃から弱視で手術を繰り返したが回復せず、13歳の時に眼底出血により約1週間で完全に失明した[2][3]。筑波大学附属盲学校(中学部・高等部)を卒業後[4]、1年間の浪人生活を経て、京都大学文学部に入学(点字受験・京大初の全盲の学生)。1993年、京都大学大学院文学研究科修士課程修了[5]。1995年、カリフォルニア大学バークレー校留学[5][6]。1997年、京都大学大学院文学研究科日本史学専攻博士課程指導認定退学。2000年、京都大学より博士(文学)の学位を取得。2001年より国立民族学博物館に勤務[7]。2023年、文化庁長官表彰[8]。
主な著作
- 『障害者の宗教民俗学』(明石書店、1997年)
- 『人間解放の福祉論―出口王仁三郎と近代日本』(解放出版社、2001年)
- 『触る門には福来たる―座頭市流フィールドワーカーが行く!』(岩波書店、2004年)
- 『さわる文化への招待―触覚でみる手学問のすすめ』(世界思想社、2009年)
- 『人のための点字力入門―さわる文字から、さわる文化へ』(生活書院、2010年)
- 『さわって楽しむ博物館: ユニバーサル・ミュージアムの可能性』(青弓社、2012年)
- 『身体でみる異文化―目に見えないアメリカを描く』(臨川書店、2015年)
- 『目に見えない世界を歩く―「全盲」のフィールドワーク』(平凡社、2017年)
脚注
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.339
- ^ “広瀬浩二郎 国立民族学博物館准教授 「さわれば、見えてくる」(2010.02.16)”. 京都大学新聞社/Kyoto University Press. 2023年8月5日閲覧。
- ^ “「目に見えない世界を歩く」 広瀬浩二郎氏”. 日本経済新聞 (2018年1月13日). 2023年8月5日閲覧。
- ^ “広瀬浩二郎さん図書”. www.nsfb.tsukuba.ac.jp. 2023年8月5日閲覧。
- ^ a b “「目に見えない世界」の魅力を伝えたい - 東京都人権啓発センター”. www.tokyo-jinken.or.jp. 2023年8月5日閲覧。
- ^ “産経新聞 広瀬浩二郎さん 「前例がない」大学に受験拒否され…社会を意識 - あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?”. 629143marine.blog118.fc2.com. 2023年8月5日閲覧。
- ^ 広瀬浩二郎さんインタビュー
- ^ 令和五年度文化庁長官表彰名簿
外部リンク