尹起重
尹 起重 (윤기중、ユン・ギジュン、1931年 12月19日 - 2023年 8月15日 )は、韓国 の経済学者 。延世大学校 名誉教授、韓国学術院会員。元韓国経済学会会長。元韓国統計学会会長。元検事総長 、大韓民国 第20代大統領 の尹錫悦 は息子[ 1] 。本貫 は坡平尹氏[ 2] 。
来歴
現在の忠清南道 公州市 灘川面生まれ、故郷は同道論山市 魯城面である[ 2] [ 3] 。朝鮮戦争 に従軍後[ 4] 、1956年延世大学校 商経学部卒業。1958年延世大学校大学院経済学専攻修了[ 5] 。1965年に日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約 が締結されると[ 6] 、翌1966年から68年まで一橋大学大学院経済学研究科 に留学し[ 5] 、宮川公男 助教授らと研究を行った。当時住んでいた東京都 国立市 のアパート には尹錫悦 も訪れたことがあるという[ 7] [ 6] 。漢陽大学校 経済学科助教授、延世大学校商経学部助教授、副教授、教授等を歴任。1972年セントルイス・ワシントン大学 客員講師。1977年韓国統計学会会長。1982年一橋大学客員教授。1991年延世大学校商経学部長。1992年韓国経済学会会長。1997年延世大学校名誉教授。2001年韓国学術院会員[ 5] 。
2023年8月15日午前、死去した。91歳没[ 8] (韓国メディアは92歳と記録した[ 9] [ 10] [ 11] )。
エピソード
日本への留学経験があることから、日韓の学術交流にたびたび関与し、複数の日本人学者と面識がある。
杉山高一・中央大学 名誉教授は、2002年11月10日に延世大学で開催された韓国統計学会30周年記念大会に出席した時の回想で、「延世大学名誉教授尹起重教授と話をした。尹は一橋大学へ2年程研究留学されたことがあり、日本語 がよくできる先生で、College of Business Schoolの学部長をされた風格のある方でした。65歳で退官後も、70歳までは教えることが可で、現在も統計学 を教えているとのことでした」と述べていた[ 12] 。
水田洋 ・名古屋大学 名誉教授は、2006年10月にソウル を訪問した時の回想で、「延世大学で講義をすることになって、尹起重名誉教授(学術院会員)が日本語から朝鮮語への通訳をひきうけて下さった。初対面のあいさつもそこそこに、「岩波文庫 の『国富論 』の訳注はいいですね」といわれたのには、おどろくとともにうれしくも思った」「一橋に留学したことがあり、ぼくの経歴も知っていたらしい」と述べていた[ 13] 。
田中愼一・北海道大学 名誉教授は、2009年10月にソウルを訪問した時の回想で、「延世大学の尹起重名誉教授(1931年の生まれ,78歳。韓国学術院会員)にお会いしました。北海道大学経済学部と延世大学校商経大学とのジョイントセミナーで私が報告した時に司会をしてくださった方です」と紹介した[ 14] 。
2021年時点では「梅軒(メホン)・尹奉吉 義士記念事業会」の理事を務めている。2021年3月29日に、息子の尹錫悦が、大統領選挙への出馬表明を、ソウル特別市・瑞草区 の「梅軒尹奉吉義士記念館」で実施したのは、このことが影響している[ 15] 。
著書
『統計學 經濟學講義叢書』法文社 1965年
『統計學概論』法文社 1983年
『統計學 統計學叢書』法文社 1996年
『韓國經濟의 不平等 分析』博英社 1997年
脚注