宗太郎駅(そうたろうえき)は、大分県佐伯市宇目大字重岡にある、九州旅客鉄道(JR九州)日豊本線の駅である[1]。
概要
大分県最南端の鉄道駅で、JR九州大分支社管轄の駅としても最南端である。1駅南の市棚駅との間には、大分県と宮崎県の県境[2]と、大分支社・宮崎支社の支社境界がある。
青春18きっぷ利用者からは日豊本線延岡 - 佐伯間における普通列車の本数の少なさや、特有の運行時間と同地区の宗太郎峠から難所「宗太郎越え」として有名な駅。停車する普通列車は、1964年ですら1日6.5(土曜・休日は6)往復[3]、昭和末期の1988年でも1日4.5往復のみであった[4]。なお1964年には、京都発宮崎行荷物専用列車(下りのみ)も停車していた[3]。
山間部深くに位置し、小さな集落の最上部にあり、いわゆる秘境駅の一つに数えられる[2][5]が、自動車での訪問は国道10号を使えば比較的容易である。当駅に通常停車する列車は全て普通列車で、2024年3月ダイヤ改正時点では1日に下り1本、上り2本のみである[注釈 1][6]。近隣が山間部に位置するため、宗太郎駅近辺では列車と猪や鹿との接触によるダイヤの乱れが特に多い地域でもあり、悪天候時には、特急や貨物列車の空転が発生しやすいことでも有名。
なお2020年10月15日より運行を開始した観光列車「36ぷらす3」では、『土曜日ルート "緑の路"』で重岡駅とともに特別停車駅(同駅での乗降は不可だが停車中はホームに降りられる)となる[7]。
1日の平均利用人数はわずか0.22人程度と非常に少ない。
駅名の由来について前述の観光列車「36ぷらす3」の車内放送では「かつて、近隣に岡藩のお抱えの山が沢山あり、その山を見回りしていた『洲本宗太郎』の名前を取ってこの辺りの地区名が『宗太郎』となった」と紹介されている[8]。
歴史
駅構造
相対式ホーム2面2線を有する地上駅[1]。互いのホームは跨線橋で連絡している。無人駅で駅舎はなく[2]、かつて存在した駅舎の基礎と改札ラッチが残っている[1]。
2018年3月17日ダイヤ改正以前、日豊本線では当駅のみ前乗り前降りとなっていた。これはそれまで運用されていたステップのないキハ220形に対応したホームの嵩上げを最小限に抑えたためで、上下ホーム共先端部の数メートル分のみ嵩上げされている。
前述のダイヤ改正後、当駅に停車する普通列車は3本共大分車両センター所属の787系電車4両編成に変更されたが、ホームの嵩上げの関係と利用客が少ないため、上下ともに進行方向の先頭車両のドアのみ開閉する(下りは1号車、上りは4号車)。なお、ホーム有効長は3両程度しかないため、「36ぷらす3」では前3両のドアのみ開閉する。
時刻表などは便所の外壁に取り付けられており、駅舎跡横に電話ボックスが設置されている。ホームには待合所があり、駅名標はJR標準型が設置されている(イラストは描かれていない)。跨線橋前(待合室のあるホーム)には、当駅開業に尽力した初代駅長の功績を讃えた記念碑がある。電話ボックスの側には井戸があり、飲用に適しているかは不明なものの、「日豊線一うまい水」と書かれている。
のりば
のりば |
路線 |
方向 |
行先
|
1
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■日豊本線
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上り
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佐伯方面
|
2
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下り
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延岡方面
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-
構内(2023年6月)
-
駅出入口(2023年6月)
-
1日3本しか来ない時刻表(2023年6月)
-
初代駅長の功績を讃えた記念碑
-
「日豊線一うまい水」と書かれた井戸
利用状況
- 2016(平成28)年以降、乗車人員は公表されていない。
- 2015年度の1日平均乗車人員は0.39人で、1人に満たない状況であるが、フリーきっぷあるいは途中下車制度を利用した乗客数は除外されている。
乗車人員推移
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備考
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年度
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1日平均
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年間
|
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1990 (平成2年)
|
2.98
|
1,088
|
[統計 1]
|
1991 (平成3年)
|
1.73
|
631
|
[統計 2]
|
1992 (平成4年)
|
2.13
|
777
|
[統計 3]
|
1993 (平成5年)
|
1.65
|
604
|
[統計 4]
|
1994 (平成6年)
|
1.27
|
465
|
[統計 5]
|
1995 (平成7年)
|
2.12
|
775
|
[統計 6]
|
1996 (平成8年)
|
1.01
|
369
|
[統計 7]
|
1997 (平成9年)
|
1.08
|
396
|
[統計 8]
|
1998 (平成10年)
|
1.15
|
421
|
[統計 9]
|
1999 (平成11年)
|
0.95
|
345
|
[統計 10]
|
2000 (平成12年)
|
0.98
|
359
|
|
2001 (平成13年)
|
0.66
|
241
|
|
2002 (平成14年)
|
0.32
|
117
|
|
2003 (平成15年)
|
0.35
|
128
|
|
2004 (平成16年)
|
0.25
|
90
|
|
2005 (平成17年)
|
0.25
|
91
|
|
2006 (平成18年)
|
0.25
|
92
|
|
2007 (平成19年)
|
0.24
|
86
|
|
2008 (平成20年)
|
0.36
|
130
|
|
2009 (平成21年)
|
0.24
|
87
|
|
2010 (平成22年)
|
0.22
|
81
|
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2011 (平成23年)
|
0.16
|
60
|
[2][統計 11]
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2012 (平成24年)
|
0.16
|
59
|
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2013 (平成25年)
|
0.71
|
259
|
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2014(平成26年)
|
0.12
|
42
|
[統計 12]
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2015(平成27年)
|
0.39
|
144
|
[統計 13]
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駅周辺
周辺は国道10号とわずかな民家のみで、空き家も多い。当駅へ繋がる道は幅が狭く自動車での進入は難しいが、バイクでの進入は容易なので、これを利用して駅前まで訪れる鉄道ファンも多い。
駅から国道10号に出るまでの途中で佐伯市コミュニティバス・宇目地域コミュニティバスの宗太郎バス停があるが、同路線はデマンドバスのため、利用する場合(平日8時〜17時の間のみ利用可能)は前日17時までに予約を入れる必要である[17]。
東九州自動車道が全線開通し、且つ佐伯インターから延岡南インター間が無料で通行出来る影響で当駅前の国道10号は自動車の交通量が東九州自動車道開通後、極端に少なくなっている。山奥にあって閑散としており、国道10号に沿って鐙川が流れる。国道10号を大分側へ上ると、途中に「宗太郎トンネル」がある。
隣の駅
- 九州旅客鉄道(JR九州)
- ■日豊本線
- 重岡駅 - 宗太郎駅 - 市棚駅
脚注
注釈
- ^ ※当駅に停車する旅客列車は2024年3月改正時点で、早朝(6時台)に上下1列車ずつ、夜(20時台)に上り列車が1本の合計3本のみ。
出典
統計
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
宗太郎駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク