天塩中川駅

天塩中川駅
駅舎(2017年10月)
てしおなかがわ
Teshio-Nakagawa
W63 佐久 (8.3 km)
(13.9 km) 問寒別 W66
地図
所在地 北海道中川郡中川町字中川
北緯44度48分42.8秒 東経142度4分30.8秒 / 北緯44.811889度 東経142.075222度 / 44.811889; 142.075222座標: 北緯44度48分42.8秒 東経142度4分30.8秒 / 北緯44.811889度 東経142.075222度 / 44.811889; 142.075222
駅番号 W64
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 宗谷本線
キロ程 161.9 km(旭川起点)
電報略号
  • テナ
  • ホヒ(改称前)
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
6人/日
-2014年-
開業年月日 1922年(大正11年)11月8日[1]
備考 無人駅
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天塩中川駅(てしおなかがわえき)は、北海道上川総合振興局中川郡中川町字中川にある北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線である。電報略号テナ事務管理コードは▲121834[2][3]駅番号W64特急「宗谷」「サロベツ」含む全列車が停車する。

歴史

1977年の天塩中川駅と周囲約500m範囲の状況。上が稚内方面。相対式ホームと貨物用副本線。駅裏にかなり大きな貨物ストックヤード。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来

旧駅名の「誉平(ぽんぴら)」は、アイヌ語で「ポンピラ(pon-pira)」(小さい・崖)と呼ばれた市街の西方の川崖からの地名で[17][16][18]、現在も天塩川を挟んで対岸の「誉(ほまれ)」の地名やぽんぴら温泉などに名残がある。

しかし「(引用注:誉平を)『ヨウヒラ』と呼べても『ポンピラ』とは呼べない[8]」「地名と異なり不便である[8]」として、1942年(昭和17年)9月8日の中川村(当時)議会に当駅と宇戸内駅(→歌内駅)の改名について関係庁への申請提案が提出、同日可決されている[8]

その後、1951年(昭和26年)7月20日に駅名を改称することとなったが、すでに奥羽本線中川駅が存在したため旧国名天塩」を冠することになった[5][17][16]

駅構造

稚内方に向かって左手に駅舎を配置する相対式ホーム2面2線の列車交換可能な地上駅無人駅)で、互いのホーム南端を構内踏切で結んでいる[16]

駅舎対向の2番線は上り列車のみ発着可能であるが、駅舎側の1番線は上下列車とも使用可能である[16]

そのほか1993年(平成5年)3月時点では2番線の旭川方から分岐した、南側への行き止りの側線を1線、その途中から北側に分岐した行き止りの側線を1線有していた[16]。また、1983年(昭和58年)4月時点では対向側ホーム外側への副本線を1線有し[19]、また1番線の稚内方から分岐し駅舎北側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線とその途中から分岐した側線を2線有していた[19]。これらの側線は1993年(平成5年)3月までには撤去された[16]

駅舎は構内の西側に位置し1番線ホーム中央部分に接している[16]。現在の駅舎は1953年(昭和28年)に落成し、2014年(平成26年)に中川町がJR北海道から譲り受けた上で、地元産のトドマツを用いた改修工事を実施し、落成当初の雰囲気を再現している。待合室横の旧駅事務室を改装し、町のイベントスペース「中川町交流プラザ」を開所。身障者用トイレも設置した[20]。床面積は110平方メートルで、改修工費は5070万円であった[新聞 1]。またこの改修工事にあわせ、町によって無料公衆Wi-fiスポットが設置されている。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
1 宗谷本線 下り 稚内方面
上り 名寄旭川方面
2 上り 名寄・旭川方面 一部の普通列車

利用状況

乗車人員の推移は以下の通り。1970年(昭和45年)度までの1日平均乗車人員は年間の値から日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで1日平均乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

乗車人員推移
年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1922年(大正11年) 8,711 (23.9) [21] 開通初年度。11月8日から営業
1923年(大正12年) 25,933 (70.9)
1924年(大正13年) 26,209 (71.8)
1925年(大正14年) 28,202 (77.3)
1926年(大正15年) 28,368 (77.7)
1966年(昭和41年) 128,011 (350.7) [22]
1967年(昭和42年) 123,311 (337.8)
1968年(昭和43年) 118,311 (323.3)
1969年(昭和44年) 49,505 (135.6) この年度のみ定期人員除く数値[22]
1970年(昭和45年) 103,408 (283.3)
1978年(昭和53年) 187 [23]
1981年(昭和56年) (86.5) [19] 1日乗降客数173人
1992年(平成04年) (87.0) [16] 1日乗降客数174人
2015年(平成27年) 「10名以上」 [JR北 1]
2016年(平成28年) 16.8 [JR北 2]
2017年(平成29年) 15.6 [JR北 3]
2018年(平成30年) 12.4 [JR北 4]
2019年(令和元年) 11.8 [JR北 5]
2020年(令和02年) 8.4 [JR北 6]
2021年(令和03年) 7.0 [JR北 7]
2022年(令和04年) 5.4 [JR北 8]
2023年(令和05年) 4.8 [JR北 9]

駅周辺

天塩川右岸に形成された中川町の中心部に位置し、駅前通りには商店や民家が並んでいる[15]

天塩川右岸側(駅周辺)

天塩川左岸側

隣の駅

北海道旅客鉄道(JR北海道)
宗谷本線
普通
佐久駅 (W63) - *琴平駅 - 天塩中川駅 (W64) - *下中川駅 - *歌内駅 (W65) - 問寒別駅 (W66)
*打消線は廃駅

脚注

出典

  1. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、901頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、239頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年1月15日閲覧 
  3. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  4. ^ 大蔵省印刷局(編)「鉄道省告示 第154号」『官報』第3078号、国立国会図書館デジタルコレクション、1922年11月3日。 
  5. ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、52頁。ASIN B000J9RBUYNCID BN01434817 
  6. ^ a b c d 宮脇俊三、原田勝正『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』小学館、東京、1993年6月、179-180頁。ISBN 4093954011NCID BN09541719OCLC 673810905 
  7. ^ a b 書籍『日本鉄道旅行地図帳 全線全駅全廃線 1 北海道』(監修:今尾恵介新潮社2008年5月発行)47ページより。
  8. ^ a b c d e 中川町 1975, p. 475.
  9. ^ a b c d e f 『中川町史第2巻』中川町、2016年4月、757‐758頁。 
  10. ^ a b 中川町 1975, pp. 477–478.
  11. ^ 大蔵省印刷局, ed (1951-07-14). “日本国有鉄道公示第176号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (7353): 9. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2963904/9. 
  12. ^ a b 駅を降りたらアンモナイト達がお出迎え!昭和風に再現した天塩中川駅”. 北海道ファンマガジン. 北海道リレーション (2016年6月6日). 2018年7月3日閲覧。
  13. ^ 鉄道ジャーナル社(編)『写真記録 日本の駅』日本図書センター、2009年7月25日(原著1972年)、22頁。ISBN 978-4-284-80036-5 
  14. ^ a b “全駅DATA 石北本線②(上川~網走) 宗谷本線”. 週刊JR全駅・全車両基地 (朝日新聞出版) (No.60): pp.19-27. (2013-10-03). 
  15. ^ a b c d 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)218ページより。
  16. ^ a b c d e f g h i 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、148頁。ISBN 4-09-395401-1 
  17. ^ a b 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)123ページより。
  18. ^ アイヌ語地名リスト トヨト~ノブシ P91-100”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年11月17日閲覧。
  19. ^ a b c 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)183ページより。
  20. ^ 中川町交流プラザ2017年1月30日 中川町地域振興課
  21. ^ 中川町 1975, p. 470.
  22. ^ a b 中川町 1975, p. 476.
  23. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、889頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  24. ^ 教育・文化施設 中川町生涯学習センターちゃいむ”. 中川町. 2019年3月16日閲覧。

JR北海道

  1. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
  2. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区). 北海道旅客鉄道 (2017年12月8日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月30日閲覧。
  3. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年7月2日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月13日閲覧。
  4. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年7月2日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月13日閲覧。
  5. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. pp. 3-4 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  8. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
  9. ^ 宗谷線(旭川・稚内間) 事業の抜本的な改善方策の実現に向けた実行計画(2024(令和6)~2026(令和8)年度)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2024年). 2024年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月8日閲覧。

新聞記事

  1. ^ a b c 藤盛一朗 (2014年11月10日). “昭和の駅舎、地元産マツ使い復元 町がJR天塩中川駅を改修”. どうしんウェブ. 北海道新聞社. 2014年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月10日閲覧。
  2. ^ “「通報」●函館本線江部乙駅ほか49駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年11月9日) 
  3. ^ “宗谷線、20駅無人化へ 特殊自動閉そく装置導入工事進む”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1986年9月17日)
  4. ^ 「現人員を25%削減 JR宗谷本線の運行分離、稚内地区は半減」『北海道新聞北海道新聞社、1991年11月9日、朝刊、4面。

参考文献

関連項目

外部リンク