大相撲平成29年11月場所(おおずもうへいせい29ねん11がつばしょ)は、2017年11月12日から11月26日まで福岡国際センターで開催された大相撲本場所である。
幕内最高優勝は、横綱・白鵬翔(14勝1敗・2場所ぶり40回目)。
場所前の話題など
- 番付発表は2017年10月30日。
- 大関から陥落した関脇・照ノ富士が、今場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰するとあって、その取組に期待された。
- 8場所ぶりに再入幕を果たした西前頭13枚目の安美錦は、39歳0ヶ月での再入幕と土佐ノ海の記録(38歳6カ月)を更新して昭和以降で最年長の記録となり[1]、その取組に期待された。
番付・星取表
優勝争い
2場所連続10回目の優勝を目指す横綱日馬富士は初日に阿武咲、2日目に貴景勝にそれぞれいい所なく敗れ初日から2連敗。さらに、3日目朝に不祥事が発覚したため休場し、その責任をとってそのまま場所後の11月29日に引退を発表した。休場明けの横綱稀勢の里は、初日から一進一退の相撲が続いたものの、6日目までは4勝2敗と白星先行だった。しかし、その後は7日目から3連敗を喫して4勝5敗となり、10日目から休場した。大関豪栄道は初日から5連勝としたものの、6日目千代大龍に敗れるとそのまま失速してしまい、9勝6敗に終わった。角番の髙安は初日から11日目に勝ち越しを決めたものの、12日目北勝富士戦で負傷し、翌13日目から休場した。今場所10勝を挙げれば大関復帰となる関脇照ノ富士は、初日から全く相撲にならず4連敗。翌5日目から休場し、大関復帰となる10勝を挙げることが不可能となり、大関復帰はかなわなかった。
10日目を終わって全勝は休場明けで初日から落ち着いた相撲で白星を重ねている白鵬を、星2つの差の2敗で平幕の北勝富士と隠岐の海が追うという展開で、白鵬の独走態勢となっていた。しかし、翌11日目白鵬は嘉風に全くいい所なく敗れ1敗に。しかし、2敗の2人はいずれも勝ったため1敗で白鵬、2敗で北勝富士・隠岐の海という展開に変わり、13日目までこの展開が続いた。そして14日目、平幕の2人が共に破れて白鵬が勝てば千秋楽を待たずに白鵬の40回目の優勝が決定するという展開になった。まず最初に2敗の隠岐の海は玉鷲戦を迎えた。しかし、隠岐の海の執念及ばず、玉鷲が叩き込みで勝利して隠岐の海は3敗に。その3番後、同じく2敗の北勝富士は阿武咲戦を迎えた。その取り組みでも阿武咲が押し出しで勝利して北勝富士も3敗に後退した。結果、この時点で1敗の白鵬と次点3敗の2人の差は2つとなり、結びの一番で白鵬が勝てば白鵬の40回目の優勝が決まるという展開になった。そして迎えた結びの一番、白鵬は遠藤との対戦になった。そして白鵬は押し出しで遠藤に勝利し、2場所ぶり40回目の優勝が千秋楽を待たずに決定した。翌千秋楽も白鵬は勝利し、優勝に花を添える14勝目を挙げた。
三賞は、殊勲賞は2横綱(日馬富士・稀勢の里)1大関(高安)を破った貴景勝が2場所連続2回目の受賞。敢闘賞は終盤まで優勝を争った隠岐の海が約4年ぶり3回目の受賞、史上最高齢で再入幕を果たし勝ち越した安美錦が約17年ぶり2回目の受賞。技能賞は終盤まで優勝を争い、1横綱(稀勢の里)2大関(豪栄道・高安)を破った北勝富士が初めて受賞した。
各段優勝・三賞
※力士情報は2017年11月場所当時のもの。
脚注