大相撲令和元年11月場所(おおずもうれいわがんねん11がつばしょ)は、2019年11月10日から11月24日まで福岡県福岡市博多区の福岡国際センターで開催された大相撲本場所である。
優勝争い
10月27日に新番付が発表され、先場所(秋場所)に関脇・小結陣が全員勝ち越したこともあり、阿炎・遠藤に加え北勝富士と朝乃山が三役昇進を果たし、平成18年11月場所(九州場所)以来13年ぶりの「4小結」となった[1]。また、関脇・御嶽海は優勝した先場所(秋場所)と先々場所(名古屋場所)で合計21勝を挙げており、12勝を挙げれば大関昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」に到達する勝負の場所となるほか、先場所カド番で負け越して大関陥落となった関脇・栃ノ心が2桁勝利を挙げて大関復帰が成るかにも注目が集まった[2]。
迎えた初日、横綱・鶴竜は腰椎すべり症で初日の取組前に休場届を提出。昭和29年3月場所(夏場所)の吉葉山、平成27年3月場所(春場所)の鶴竜自身に続く3例目の「横綱の初日休場」となった[3]。さらに、カド番を脱出したばかりの大関・豪栄道も初日の小結・遠藤戦で左足首を痛めて2日目から休場[4]。その2日目には関脇以上の5力士(休場の鶴竜と不戦敗の豪栄道を除く)が全て敗れ、三役以上で初日から連勝したのが小結・朝乃山ただ一人となるという波乱[5]。さらに5日目には大関復帰を目指す関脇・栃ノ心が右肋軟骨を骨折して休場し大関への特例復帰を逃し[6]、中日にはカド番だった大関・髙安が土俵入りの後にぎっくり腰を発症して休場、関脇に陥落することになった[7]。
優勝争いは2日目の黒星の後勝ち星を積み重ねた横綱・白鵬が1敗を守り、それを小結・朝乃山が2敗で追走、さらに3敗で大関・貴景勝と平幕の正代・輝が追う展開で終盤戦を迎える[8]が、12日目に朝乃山が序盤戦で崩れて大関昇進を逃していた御嶽海[9]に敗れて3敗に後退[10]、14日目に御嶽海を下して1敗を守った白鵬が千秋楽を待たずに春場所以来43回目(日本国籍を取得してからは初めて)の優勝を決めた[11]。
番付・星取表(幕内)
脚注