垓(がい)は漢字文化圏における数の単位の一つ。垓がいくつを示すかは時代や地域により異なるが、現在一般的に行われている万進法では 1020 を示す(100,000,000,000,000,000,000)。
概要
先秦の文献では108を意味した。例えば『国語』には「出千品・具万方・計億事・材兆物・収経入・行姟極。」(鄭語。経は京、姟は垓に同じ)と言い、その注に「万万曰姟」と言っている。また、「百姓・千品・万官・億丑・兆民・経入・畡数、以奉之。」(楚語下、畡は垓に同じ)とも言う。これを「下数」という。後に行われた「上数」では、垓は京 (1032) の京倍で 1064 を指した。「中数」の万万進では京 (1024) の億倍で 1032、万進では京 (1016) の万倍で 1020 となるが、下数以外で「垓」が出現することはほとんどない。
日本では江戸時代に万進に統一されたので 1020 となり、かつて日本統治下にあった台湾・韓国でも 1020 となった。ただし、いずれの国でも京以上の命数が使われることは稀であり、通常は指数表記が使われる。
中華人民共和国では、近代まで万進と万万進が混用されており、また「億」より大きな命数についてはあまり使われなかった。1020をどのように表現すべきかは意見の一致を見ないが[1]、科学的用途には指数表記がなされるのであまり問題にはならない。
垓の位および前後の位の命数は以下のようになる。上数は数が非常に多いので、一部のみを表示している。
使用例
-
- x = 5垓6993京6821兆2219億6238万720
- y = -5垓6993京6821兆1135億6349万3509
- z = -47京2715兆4934億5332万7032
- 世界で発行された最も高額な紙幣は1垓ペンゲー紙幣である。発行はされなかったが、10垓ペンゲー紙幣も製造されていた。
- 観測可能な宇宙にある銀河の数はおおよそ2兆個で、銀河の中に星は1千億個あると見込まれるので、観測可能な宇宙の中の星の数は2兆×1千億=2千垓個あると見積もられる[2]。
脚注
関連項目