商家「駒屋」(しょうか こまや)は、愛知県豊橋市二川町字新橋町21にある歴史的建造物である。旧東海道二川宿にある。豊橋市指定有形文化財。
歴史
田村家の歴史
元禄4年(1691年)、田村家は遠江国敷知郡中之郷村(現・静岡県湖西市)から二川宿へ移った家である[3]。当初は医業を行い、後に米穀商や質屋となった[3]。明和7年(1770年)以降、松音寺の門前にある瀬古町から新橋町の枡形北側に移転した[3]。田村家の屋号は駒屋であり、歴代の当主は田村善蔵を襲名した[3]。田村家は二川宿の宿役人や村役人を勤め、安政2年(1855年)には苗字を名乗ることが許された[3]。
天保元年(1830年)に生まれた9代当主の田村善蔵苗政は、書道、華道、南画、茶道、俳諧など様々な教養を持った文化人でもあった[3]。幕末の万延2年(1862年)に生まれた10代当主の田村善蔵(田村邦三郎)は二川郵便局長や渥美郡会議員などを歴任した[3]。1889年(明治22年)に生まれた11代当主の田村憲造は薬学者(医学博士)となり、東京帝国大学教授を務めた[3]。
- 初代当主 田村祐節 - 医師。
- 2代当主 田村祐見 - 医師。
- 3代当主 田村周学 - 医師。
- 4代当主 女子
- 5代当主 田村隆節 - 医師。
- 6代当主 田村善蔵重明 - 二川宿組頭・名主。
- 7代当主 田村善蔵常政 - 二川宿年寄・問屋役。
- 8代当主 田村善蔵憲政 - 二川宿年寄・問屋役。
- 9代当主 田村善蔵苗政(1830年~1891年) - 二川宿年寄・取締役。
- 10代当主 田村善蔵(田村邦三郎、1861年~1921年) - 二川郵便局長。渥美郡会議員。
- 11代当主 田村憲造(1889年~1953年) - 医学者・薬理学者(医学博士)。東京帝国大学教授。
- 12代当主 田村善蔵(1922年~2008年) - 薬学者(薬学博士)。東京大学教授。
江戸時代末期には東駒屋が分家し、1910年(明治43年)頃に西駒屋も分家し、いずれも味噌・醤油の醸造業を始めた[4]。
商家「駒屋」
2000年度(平成12年度)に建物の調査が行われると、2002年度(平成14年度)には田村家から建物が豊橋市に寄付され、豊橋市は土地を購入した[5]。2003年(平成15年)5月には主屋など8棟が豊橋市有形文化財に指定された[5]。2012年(平成24年)9月には全8棟の改修復原工事に着工し、2014年(平成26年)3月に竣工すると、2015年(平成27年)11月に一般公開を開始した[5]。2016年(平成28年)には都市景観大賞(都市景観部門)を受賞した[1]。
建築物
参考文献
- 豊橋市二川宿本陣史料館『田村家文書』
- 豊橋市二川宿本陣史料館『商家駒屋修復工事報告書』、2015年3月.
脚注
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
商家「駒屋」に関連するカテゴリがあります。