吉田 潤一(よしだ じゅんいち、1952年11月13日 - 2019年9月14日)は、日本の有機化学者。京都大学大学院工学研究科名誉教授。専門は有機合成化学、有機活性種化学、マイクロ合成化学など。大阪府出身。
熊田誠に師事。有機合成化学、特に有機電極反応、マイクロ合成化学の研究を行っている。
略歴
業績
有機電極反応、マイクロリアクターを利用した有機合成化学分野の世界的第一人者である。有機電極反応では、電子補助基という新しい概念を提唱し、有機化合物からの電子移動を効率よく行い、かつ生じる炭素カチオンの発生を位置選択的に行う手法を開発している。また近年、極低温条件下での電極反応による活性種の発生・蓄積を行う新手法を開発している(カチオンプール法、カチオンフロー法)。マイクロリアクターを用いた研究ではカチオン、アニオンといった不安定有機化学種に着目し、これらをマイクロ空間で高度制御することにより、効率の良い物質生産が可能な方法論を開発している。また有機金属分野での研究報告例も多数あり、例えば着脱可能な配位性制御官能基であるピリジルシリル基を用いた研究報告などがある。
受賞・栄典
- 1987年 有機合成化学協会奨励賞受賞
- 2001年 日本化学会学術賞受賞
- 2006年 名古屋シルバーメダル受賞
- 2007年 フンボルト賞受賞(ドイツ)
- 2010年 第9回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞受賞
- 2013年 2013 The Ta-shue Chou Lectureship Award受賞
- 2013年 第65回日本化学会賞受賞
- 2015年 紫綬褒章受章[3]
門下生
外部リンク
脚注