古瀬信号場(ふるせしんごうじょう)は、北海道白糠郡白糠町和天別(わてんべつ)にある北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線の信号場である。事務管理コードは▲110431[5]。電報略号はフセ[6]。旅客営業末期の駅番号はK46。
廃止前までは大半の普通列車が当駅を通過していた。
歴史
1954年(昭和29年)に新設された信号場である。
開業時から2020年(令和2年)までは一部の普通列車が旅客扱いを実施(1987年国鉄分割民営化までは仮乗降場、以降は扱い廃止まで正規の駅の扱い)した。
年表
信号場名の由来
アイヌ語の「フㇽセンピㇼ(fur-senpir)」(丘の・陰)からとされる[14]。
なお、所在地の字は現在「和天別」となっているが、これはアイヌ語の「ウワッテペッ(uwatte-pet)」(〔支流が〕多い・川)からとされている[14]。
構造
当地はほとんど平坦な海岸沿いを走る音別駅 - 白糠間にあって、海岸沿いを進まず内陸側の馬主来峠に入って山越えをする区間であり、その頂点となる位置である[6]。
構内は列車交換が可能で、もともと信号場建屋側(釧路方に向かって左手)が下り本線、対向が上り本線の形態であったが[15]、後年の高速化により建屋側を本線、対向を副本線とした一線スルーとなっている。
旅客駅時代はそれぞれの線に構内踏切で結ばれたプラットホーム(相対式)を持ち、旧2番線のホームは釧路(下り)方にずれた千鳥配置であった。
利用状況
かつては信号場に併設された官舎に住んでいる職員の家族が主な利用客であった[16]。
旅客営業廃止前の利用状況は以下のとおり。
乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
周辺
周囲は森林に囲まれており酪農家がわずかに見えるのみであり、信号場への道も舗装されていない。
隣の施設
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- ■根室本線
- 音別駅 (K45) - *
(波若信号場) - (古瀬信号場) - 白糠駅 (K47)
- *
打消線は廃止信号場(廃止時点では当信号場が未開業)
脚注
注釈
- ^ 1日平均は2018年(平成30年)の乗降客数としてJR北海道が白糠町に示した数値から。JR北海道によると同年に当駅を発着する定期券の発券もなかったとしている[17]。
出典
- ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、880頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b 『2020年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2019年12月13日。オリジナルの2019年12月13日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20191213082940/http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20191213_KO_kaisei.pdf。2019年12月13日閲覧。
- ^ a b “寂しいけどありがとう 白糠・古瀬駅、南弟子屈駅が最後の営業 ファンら別れ惜しむ”. 北海道新聞. (2020年3月14日). オリジナルの2020年3月27日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/IrrMs 2020年3月26日閲覧。
- ^ a b 「駅廃止から1か月 寂しさを漂わせる 速度落とさず列車通過 豊清水信号場は名残も」『名寄新聞』2021年4月13日、3面。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、233頁。doi:10.11501/1873236。https://doi.org/10.11501/1873236。2022年12月10日閲覧。
- ^ a b 宮脇, 俊三、原田, 勝正 編『函館線・根室線・宗谷線』 1巻(1版)、小学館〈日本鉄道名所 : 勾配・曲線の旅〉、1987年2月10日、110頁。doi:10.11501/12065956。ISBN 4-09-395201-9。
- ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、128頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ 中村, 植作「乗越分岐器の転てつ減摩器」『信号保安』第16巻第8号、信号保安協会、1961年8月、329頁、doi:10.11501/2369931、ISSN 0286-3006。
- ^ 『JR釧路支社 鉄道百年の歩み』北海道旅客鉄道株式会社釧路支社、2001年12月25日、103, 162頁。
- ^ 安原, 章一、鍛冶, 博「厳寒地におけるトンネル修繕 根室本線古瀬トンネル(施工研究)」『土木施工』第20巻第12号、オフィス・スペース、1979年11月、146-154頁、doi:10.11501/3308393、ISSN 0387-0790。
- ^ 小室, 俊一「施工記録 低廉化PCまくらぎの投入」『日本鉄道施設協会誌』第36巻第9号、日本鉄道施設協会、1998年9月、30-32頁、doi:10.11501/3255434、ISSN 0913-2643。
- ^ 藤島, 茂「JR北海道における130km/h高速化」『鉄道と電気技術』第8巻第4号、日本鉄道電気技術協会、1997年3月、68-71頁、doi:10.11501/3314045、ISSN 0915-9231。
- ^ “JR根室線・古瀬駅 来年3月廃止”. 北海道新聞. (2019年12月11日). オリジナルの2019年12月11日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/qkqpt 2019年12月11日閲覧。
- ^ a b 本多 貢 著、児玉 芳明 編『北海道地名漢字解』北海道新聞社、札幌市、1995年1月25日、81,98頁。ISBN 4893637606。OCLC 40491505。https://www.worldcat.org/oclc/40491505。2018年10月16日閲覧。
- ^ a b 宮脇, 俊三、原田勝正 著、二見, 康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、116頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ 「北海道駅めぐり 古瀬駅(JR根室線)」『北海道新聞』2018年7月23日、夕刊2。
- ^ a b “委員会の動き”. 白糠町議会だより (白糠町議会) (146): pp.20-21. (2019-10-25). オリジナルの2019-12-16時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190714143621/https://www.town.yakumo.lg.jp/uploaded/attachment/6288.pdf.
JR北海道
関連項目
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貨物支線 (1989年廃止) | |
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*打消線は廃駅 |